2011/03/03(木)21:17
米澤穂信「インシテミル」
この夏、ぼくたちが見つけたバイトとは・・・。新鋭ミステリー
バイト雑誌を立ち読みしていたビンボー大学生・結城は一人の少女から声をかけられて・・・この夏、鮮烈なミステリーがはじまる
結城理久彦は、車がほしかった。須和名祥子は、「滞って」いた。
オカネが欲しいふたりは、時給11万2000円也の怪しげな実験モニターに応募。
こうして集まった12人の被験者たちは、館の地階に7日間、閉じ込められることに。
さて。あとはご想像どおりミステリーの定法に則って、
ひとり、またひとりと謎の死を遂げていくわけです、が……。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえる
という破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、
実験の内容を知り驚愕する。
それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった─。
いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。
映画を知り見たいなーと思っていたものの、
見れずに終わったので原作だけでも、と借りてみました。
このミス関係って聞くとなんだか期待しちゃうんですもん。
しょっぱなから主人公のダメさというか残念さが漂って非常にわくわく。
女にもてたら学生生活が楽しい→車を買おう
車が欲しいが金が無い→バイトしよう
……俗物さが満々でいいね!
その後も浮世離れした美人にほわわんとなっても、
舞い上がることはなく雲の上の人と同空間にいられる喜びをかみ締めるような。
「身の程」をしっかりわかっちゃってて、犬っぽい雰囲気。
ちょっと残念な小物っぽさと同じ藤原竜也さんということで、
公開直前にテレビで見たカイジと雰囲気が重なって、
びくびくする姿やぽわわんと夢見心地の姿など脳内で藤原くん祭でした。
かわいい!
美形さんから死んでしまうので、
残念ながらあまり美味しい描写にきゅんきゅんは出来ませんでしたが、
結構主人公に萌えられたのでなかなか美味しかったです。
前半で出てくる、与えられた凶器とメッセージでああ…としょんぼりしたのですが、
ミステリ好きさん大好きなネタてんこ盛りなようですね。
各メッセージで有名ミステリのネタと凶器を絡めた説明がされているのに、
それがちっともわからない。著者も知らないしタイトルにも覚えが無い。
ミステリ好きならニヤニヤであろう展開や描写にもぽかーん。
もったいなかったわぁ……。
で、正直この手に疎い私としては、
映画の「カイジ」も「ライアーゲーム」も「インシテミル」も
似たように思えちゃうんですよね。
元々謎解きを楽しむより、謎解きで進むストーリーを楽しんでるので、
トリックとか計算とか理屈あんま気にしてないのですよ残念ながら。
(外海良基の「Doubt」や「Doubt」も一緒にしたいとこだけど、
あれは本格的に面白くなかったので一緒に出来ない)
ミステリはわからない私ですが、
それでも素人なりに期待どおりの展開になっていって、にやにや。にやにや。
切なさ絡む殺人エピソードにもキュンとさせていただきましたし、最後もにやにや。
最後まで読んで内容がわかった上で、もう1回読み直すと伏線もよくわかって楽しさ倍増。
(久しぶりに読み直した本でした)