【プレイ日記】セレニッシマ(新版)会
去年のお盆に旧版をプレイさせてもらった「セレニッシマ」。すぐに新版が出る予定だったのだが、遅れに遅れて今年の2月にようやく発売。どうしても同じメンバーで比較プレイしてみたかったので、つなきさんに無理を言って開催していただいた。●セレニッシマ(新版) プレイヤーは1都市の支配者となって貿易を行い、中立の都市を支配し、ときに他プレイヤーの船や都市を攻撃して略奪する。ゲーム終了時に一番お金を持っているプレイヤーの勝ち。 大まかな流れは旧版と同じだが、大小の変更点がいくつもあり、その結果としてかなり違ったプレイ感になっている。 一番大きいのは手番の概念。旧版では競りによって手番を決め、各プレイヤーは自分の手番中に自分の船すべてを任意の順番で移動させた。しかし新版では、プレイヤーの手番というものはない。ガレー船に1~15の番号が振られており、この番号順に1隻ずつアクションしていくのだ。番号が小さい船ほど先手番なので、限りある商品を購入したり、目的地に売却したりするときには有利だが、報復攻撃を食らいにくい後手番の船に多くの水夫駒を積んでいると相当な抑止力となり、これはこれで大いに役立つ。 戦闘/港の支配と商品の売却が同じフェイズになり、しかも排他になったのも大きい。即座に現金を得るには商品を売却するしかないのだが、そうするとその港を支配できない。かといって先に港を支配してしまうと、「自分の港で売却した商品からは現金を得られない」というルールがあるので、貴重な運転資金を得る手段がなくなってしまうのだ。理想的には、ある港で売却できるだけの商品をすべて売却し、そのあと支配すべきなのはいうまでもない。しかし、ここで「手番順は船ごと」というルールが効いてくる。一生懸命商品を売却して、さていよいよ支配するかというときに他プレイヤーの船がやってきて、獲物をかっさらっていくこともあるのだw 得点計算がゲーム中に3回あり、このとき“支配している港”に売却された商品の数に応じて収入が得られる。もちろん多くの商品が売られた港の方が、より多くの収入をもたらす。このことからも、育てた港を他プレイヤーに取られるのがどれほど痛手かが分かるだろうw このほか、旧版での商品は単なる種類の差でしかなかったが、新版ではワインと香辛料に特殊効果がつき、各港に地政学的な意味以上の差が生まれた。また、ラウンドの進み方が一定ではなく、ゲームがいつ終わるか、得点計算がいつ発生するかが多少不透明になったため、ラウンド制のマルチにありがちな「裏切ってもデメリットがない最終ターンに大戦争発生」とはなりにくい(もちろん、やっぱりそうなることもある)……などなど。全体として、旧版でいたずらに時間のかかる原因となったルール(特に競りと交渉)を排除し、商品の特色やラウンドカードシステムといった、現代風の味付けを加えてある。リメイクゲーの中では大成功の部類に入るのは間違いないだろう。 この日は初期配置でつなきさんがアレクサンドリア、いたるさんがヴェネツィア、タムラさんがコンスタンチノープルを選び、私はジェノヴァ。当然、タムラさんとつなきさんは近くにあった稀少な金と、高く売れる香辛料を確保。私はシチリアで沸く金を押さえるつもりだったが、いたるさんに先を越され、重要な港を1つも押さえられない形となった。 何とか対岸のワイン港だけは押さえたものの、ガレー船確保競争で1歩出遅れ、1人だけ1隻少ない3隻体制に。その分運搬力に劣るため、第1決算では頭1つ分少ない収入しか得られなかった。 その後も香辛料で即物的な利益を得続けたつなきさんは、いたるさんの船を落としてそれを購入し、5隻体制に。タムラさんは早期に金を得た利を生かし、港の収入を増やすバジリカ聖堂を3つも建設。全部で4つしか建設できないので、これは相当な脅威。いたるさんはつなきさんの香辛料港の奪取を視野に入れつつ、サルディニアにも拠点を築いて私にプレッシャーをかける……そして私は「私の港は確かに無防備ですけど、ドベを叩いてる暇あるんですかー? そのあいだに他のプレイヤーがトップに立っちゃいますよー? それよりお互いの港にない商品を売却しあった方がいいんじゃないですかー?」というノーガード外交で、緊迫する地中海事情をいっさい考慮せずにひたすら商品を運び続ける日々w しかも支配を重視せず、中立のままで商品売却を続けたので、第2決算ではタムラさんの収入50金に対し、私の収入30金というていたらくw とはいえ、いたるさんが育てた港を横からかっさらったりしたため、他の2人とは横並びだった。 さて、普段ならここら辺で諦めるところだが、この日は珍しく、まだ勝利を目指していた。充分勝ち目があると踏んでいたからだ。何しろこのゲーム、最後の持ち金がそのまま得点だ。収入が少なければ、その分支出を抑えればいいのだ。率先して軍拡したつなきさんに対し、直接隣接しているタムラさん、自国の港が育ちきってしまって伸びしろがないいたるさんも合わせて軍拡せざるを得ず、血を吐きながら金を払って水夫駒を購入していく。私はいたるさんが征服を諦めるぎりぎりのラインを見計らって最小限の防備を固め、唯一余っていた大都市であるヴァレンシアを占領し、第3決算に突入。持ち金を数えた結果、2位のタムラさんにわずか1金差で勝利することができた。 最終盤面。左上でつなきさん(赤)とタムラさん(橙)の大艦隊がにらみ合ってる中、私(黒)はまだ船に商品を積んでいた……手番終わってるのになw 勝つには勝ったが、得点だけ見てもぎりぎりだし、そもそも何もかもが私に有利なように働き過ぎた。4人プレイで隣のヴァレンシアが空いたため、スタート時点から広々としてたし。第2決算後にワインカードが出なければその分の収入もなく、1ターン早くゲームが終了しているため、20金以上の差をつけられていただろう。最後に守りを固めるとき、水夫駒を8個ではなく10個買っていたら、1金差で負けていたのは私の方だった。最終ターンでいたるさんが攻め込むのは、つなきさんの港でも私の港でも得点は変わらなかった。あそこで私の港が落とされていれば、当然勝利はなかった。日頃から「マルチでこいつ叩くと、すぐふてくされるからめんどくせーんだよな」と思われておくのは大事だねw 劇的な展開になったこともあって印象がいいが、それを差し引いても傑作だろう。マルチなので好き嫌いはあるだろうし、出遅れてるプレイヤーを救済するようなルールはないので(ほんのちょっとだけあるが)、展開によっては早期に脱落することもあるかもしれない。そのへんを踏まえて、自分たちでバランス取れるプレイヤーならお勧め。いいよこれ。●エイリアン・フロンティア つなきさんが「iPadでプレイしたら面白かったのでアナログでもやってみたい」とのことだったので、持ち込んでみた。そろそろ細かい解説はいらないよねw たぶんうちにあるゲームでは一番回ってる(と言っても5回くらいだけど)。拡張は追加の異星人技術カードのみ採用して、課題カードと派閥ボードはなし。 船を1個増やしたあと、大人げなくアシモフクレーターにコロニー設置。出目操作用に「ステイシス・ビーム」を取り、拡張セットの「ソーラー・ハーベスター」を取って燃料をコンスタントに得られるようにして、鉱石確保に注力。残りコロニー3個の時点で、1個を入植拠点で4スペース進め、出目6の船を惑星改造ステーションで使ってコロニー設置。これで残り2個。材料を確保しておいて、次の手番で6が1個出れば勝ちという状態にして、出たので勝利。最後の手番で2個置くのが定石だろうから、ほぼ理想的な形にできたのがよかった。とはいえ、上家のいたるさんもリーチかかってたので、手番の綾で他の2人はいたるさんを絞らざるを得ず、その結果棚ぼた的に勝利を拾っただけなんだけどw 安定の面白さ。しかしダイス振ってから考える系なので、ダウンタイムの長さはいかんともしがたい。比較的短い方ではあるけど、iPadでのプレイと比べればやはり長いだろう。また、課題カードなしだと得点が完全公開なので、やはり終盤がやや冗長になるか。1回基本でやったら、あとは拡張アリアリでやった方がよさそうだ。 いいゲームを2つもできて素晴らしい1日だったが、時間がちょっと押し気味だったため、うっかり他プレイヤーの手番中に「時間内に終わるかな」などと呟いてしまったのはまずかった。猛省。またお誘い下さい。