【ゲーム紹介】探検隊:有名な探検家たち(Expedition: Famous Explorers)
ボックスアートゲームボード(プロトタイプ) デザイナーはWolfgang Kramer。ボードゲーマーで知らない人はいないだろう。2012年のエッセンシュピールでは「長年ボドゲ業界に貢献したで賞」的な特別賞を取った超ベテランデザイナー。パブリッシャーは8th Summit。2012年設立なのでまだあまり数出してないが、6月発売予定の「Ace Detective」は、すでに日本語版の発売が決定しているようだ。本作は過去に著名な賞を取ったゲームのリメイクになる。 テーマは探検。まあこのタイトルなら当たり前w と言っても、プレイヤーは特定の探検家や探検隊を担当するわけではなく、ゲーム中に3つ登場する探検隊すべてを共同で操る。スポンサーみたいな立場なのかね。で、いずれかの探検隊を自分の目的地に到達させることができたら得点。誰かが自分の全目的地(9カ所か12カ所)に探検隊を到達させたらゲーム終了で、最多得点プレイヤーの勝ち。もとが古いドイツゲームだけあって非常にシンプル。 ゲーム開始時に配られる個別の目的地カードのほか、共通の目的地として6枚の目的地カードが表向けられる。手番中にここに到達すれば誰でも得点でき、新たなカードが補充される。また、手札の目的地カードのうち4枚を「重要な目的地」として選び、ボード上にマーカーを置いてそれを示す。スタート地点から近すぎたり、目的地同士が固まってたりすると有利不利が大きくなりすぎるので、互いにある程度離して置かなければならない。他プレイヤーにばれてる重要な目的地には到達しづらいので、その分得点が高くなる。 目的地カード(このゲームでは探検カードと呼ばれる)の例。ボード上にある目的地には地名ばかりではなく、有名な遺跡や、その場所にゆかりのある著名な探検家の名前が記されていることもある。左はドイツの探検家、ヘンリヒ・バルトで、アフリカのあたりに目的地がある。右はフランスの洞窟探検家、エドワード・アルフレッド・マーテルで、目的地はフランスのあたり。 手番プレイヤーができることは、基本的に1つだけ。3つ(3色)の探検隊のうち1つを選び、その色の矢印をボード上に置く。これだけ。最初はすべての探検隊がスタート地点(なぜか北欧のあたりにある)にいるので、そこから伸ばす。以降は最後に置かれた同色の矢印の先端から伸ばす。 バックはできない(同色の矢印を平行しておくことはできない)が、ループを作ることはできる。その場合、即座にそのループ内にある任意の地点から次の矢印を伸ばすことができるので、意外な1手で目的地に到達できることもあるだろう。大きなループができると地球の端から端に移動することだってできそうだ……まあ難しいだろうけどw マップ上には79カ所の目的地のほかに、緑の点と赤い点がある。緑の点に到達した場合、即座に追加の矢印を置くことができる。これは同色でも別の色でもいい。緑の点に到達し続ける限り、手番中に何本でも矢印を置けることになる。 赤い点に到達した場合、ストックから“チケット”を1枚得る。手番中にチケットを支払うと(最大2枚まで)追加アクションを実行することができる。追加アクションは「矢印を1本置く」「最後の矢印を1本取り除く」「目的地カードを交換する」の3通り。最初に配られた目的地カードだけで戦うと運ゲー要素が高まるので、ちょっとでも到達が難しいと思ったらがんがん交換していく感じになるんじゃないかな。 そうして目的地に到達したら、手札を公開して得点する。共通目的地には自分の手番中に到達しなきゃ得点できないが、手札の目的地には他プレイヤーの手番中でも到達可能。なので相手の動きから目的地を推測し、そこを避けて移動する必要がある……これも相当難しいんじゃないかw 基本ルールはこれだけ。誰かが全部の目的地に到達したらゲーム終了。得点計算を行うが、他プレイヤーは到達できなかった目的地カードの分だけ失点するので、よほど多くの共通目的地に到達していない限りは勝てないだろう。実質的にゲームを終わらせたプレイヤーの勝ちだ。 さすがに今どきこれじゃ退屈すぎる。BGGで旧版に低得点つけてる人たちも「地味」「盛り上がりどころがない」ってコメントしてるくらいだし。そこで現代でも通用するよう、2つの上級ルールが追加された(基本ルールの細かい変更もある)。 1つ目は探検家カードとイベントカード。共通目的地のようにゲーム開始時に探検家6枚が表向けられ、手番中にチケットを2枚支払うことで購入できる。探検家カードはこの6枚しかなく、購入されたら代わりにイベントカードを補充する。こっちはチケット1枚で購入することができる。データが公開されてないので詳細は不明だが、どうも何らかの特殊能力をもたらしたり、ゲーム終了時に追加得点をもたらしたりするものらしい。 2つ目は秘密の目的地。6枚の共通目的地カードのうち、2枚を裏向きで置く。ゲーム中に緑の点に到達したとき、追加の矢印を置く代わりに裏向きのカードを1枚見ることができる。他の共通目的地と同じように自分の手番中にしか到達することができず、到達したら表向け、通常の1点ではなく2点を得る。手札と表向きの共通目的地の中間的な扱いかな。 その他の探検カードとか、探検家カードとかイベントカードとか。隠れてしまってよく分からないが、「Score 3~」と書いてあるカードがあるので、何か条件を満たしたときに3点得られる、みたいな効果なんだろう。 このゲーム、実は3回目のリメイクになる。大元になったと言われてる「Legemax」の発売が1974年だから、およそ40年前のゲーム。現在の形になった「Wildlife Adventure」でも1985年発売だから、およそ30年前のゲームだ。さすがに古い。大きなジレンマも、難題を突破したときの達成感もなさそうなルール。はっきり言って私好みじゃないw でもこれくらいのゆるめのゲームが好きという層も確かにいるんだろう。内容は全然違うが、ゲームの軽さやプレイ感は「チケット・トゥ・ライド」っぽいんじゃないか。私にはあれも軽すぎて面白いとは思えないが、好きだという人はたくさんいて、その証に拡張もたくさん出てるわけで。そういう人たち向けのゲームなんじゃないかな。それに、未知数の探検家/イベントカードの内容次第では一気にヘビーゲーマー向けに化ける可能性もある。ちょっと率先して入手する気にはなれないが、どこかで上級ゲームをやってみたい気はする。なんと言っても「エルグランデ」や「ティカル」のクラマー作だしね。 余談だが、キックスターター(すでに終了している)に出資してればこういうフィギュアがついたらしい(一般流通分にもつくのかもしれない)。探検隊の位置は矢印の先端で示すので、これを何に使うかというと、なんとただの重要な目的地マーカー。無駄すぎるwBGGの和訳ルール