【ゲーム紹介】ファイブ・トライブス:ナカラの職人(Five Tribes The Artisans of Naqala)
ボックスアート内容物 多人数ゲーは共作が主で、単独では2人専用ゲーを多く出しているデザイナー、Bruno Cathala。「ファイブ・トライブス:ナカラの魔人」は、そんなCathalaが単独で作った多人数ゲーにして、BGGランキング自己ベスト(現在37位)の高評価を得ている。近年の人気作の例に漏れず、このゲームにも拡張が出た。それがこの「ファイブ・トライブス:ナカラの職人」だ。追加要素の中には単独で利用できるものもなくはないが、基本的には全部まとめて基本ゲームに追加するようデザインされている。 まずは天幕駒。各プレイヤーはラクダ駒に加えて天幕駒を1個持つ。タイルを支配してラクダ駒を置くことができるとき、代わりに天幕駒を置くことができる。ラクダ駒を置いた場合、ゲーム終了時にそのタイルの勝利点を得ることができるが、天幕駒を置いた場合にはそれに加えて、周囲8方向(および天幕駒を置いたタイル自身)にある赤タイル1枚ごとに1勝利点を得ることができる。基本ゲームの大工駒に似た効果だ。 この例では、中央に置かれた天幕駒はゲーム終了時に8勝利点(タイルそのものの勝利点)に加えて4勝利点(このタイルと周囲8方向にある赤タイルの枚数分)をもたらす。並びによってはかなりの高得点をもたらすタイルが生まれるので、激しい天幕駒の配置競争が繰り広げられることになるだろう。 新たな紫色のミープルは、この拡張のタイトルにもなっている職人駒だ。ミープルアクションとして、プレイヤーは取った職人駒を手元に置いておき、その数に等しい枚数のアイテムトークン(後述)を引いてそのうち1枚を得ることができる。また、新たなタイルの「工房」上で職人駒を支払い、さらにアイテムトークンを得ることもできる。しかし、ゲーム終了時に最も多くの職人駒を持っているプレイヤーは1個ごとに3勝利点を得ることができるが、他のプレイヤーは1個ごとに2勝利点しか得られない。駒数で1位を維持しつつ、超過分は「工房」で効率よくアイテムトークンに交換していきたいところだ……むろん、そんなうまくはいかないだろうがw そして新たなタイル。6枚追加されるので、基本ゲームでは5×6の形だったスルタン領が6×6の正方形になる。何となく気持ちいいが、より広いテーブルが必要になったとも言えるw 種類は3種類。前述した「工房」は職人たちが暮らしてる場所で、職人駒1個か行者カード(初版では奴隷カード)2枚を支払えばアイテムトークンが1枚手に入る。また、「職人は山奥に暮らしてる」という設定があるため、「工房」タイルの2辺には山脈駒が置かれ、ミープルの移動時に通過できなくなる。 ゲームの準備時にこんな感じで置く。この「工房」タイルと、上や左にあるタイルのあいだを行き来することはできない。ゲーマーなら、これだけでいかに「工房」アクションを実行するのが大変かが分かるだろう。秘境に暮らしてるだけあって、なかなかたどり着けないのだ。しかも「工房」タイルは新タイル6枚中3枚もある。「工房」を利用するかしないかにかかわらず、極めて邪魔だw 「専門品市場」では、4金で資源カードの列から1枚を取ることができる。取れる枚数は基本ゲームの「小市場」と変わらないが、選択肢の幅が広い分だけ1金高くなってる。そして「亀裂」。領土内に開いた大穴で、ミープルを置くことも通過することもできない。山脈駒よりさらに邪魔だ……さっさと埋めればいいのにw アイテムトークンは「貴重品」と「魔法のアイテム」の2種類に大別される。貴重品は特殊効果を持たないが、ゲーム終了時に勝利点となる。最低でも5勝利点になるので、可能な限り職人駒から交換しておきたいところだ。 そして魔法のアイテム。魔人カードに加えて、さらに特殊効果が追加された。任意のタイルからミープルを2個除去できる「燃え盛る三日月刀」、山岳駒を無視して移動でき、最後のミープルにいたってはボード上の任意のタイルに置くことができる「空飛ぶ絨毯」など、テーマに則したイラストと効果を持つアイテムが7種類ある。特にミープルに絡むものは他プレイヤーの計画を根底から覆すこともあるから、相当強力だ。しかしもちろん、すべては使い方次第だ。職人駒のミープルアクションでは、駒数分のアイテムトークンを引いてから1枚を選ぶので、使い方をミスれば「あのとき5勝利点トークンを取ってた方がましだった……」と嘆くことになるだろうw 残念ながらルールライティングが甘く、BGGの質問/回答スレを見ても不明な点が残る。たいした数はないので、そこら辺はプレイするメンツで効果を規定しておく必要があるだろう。 当然、魔人カードも追加された。と言っても、新規カード2枚、旧カードをこの拡張の職人駒に適応させた改訂版カード2枚の計4枚だけ。新規カードは職人駒や貴重品アイテムの勝利点を増やすものなので、それほど目新しくもない。まあここまでの新要素を加えた上で、魔人にもとんでもないのがいたら収拾つかないからなw マップが広くなり、職人駒の分だけミープルが増え、天幕駒の配置もゲーム終了条件に含まれるため、当然プレイ時間は延びる。けど間延びするってほどではないんじゃないかな。どの要素も考えどころを増やすのに貢献しており、余分な感じはしない。アイテムトークンは裏向きで保持なので、突然のマジックアイテムにひっくり返されることがあるから、そこは好き嫌いが分かれるかもね。気になるのはそのくらいで、基本ゲームが好きなら持ってて損はないだろう。