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エコすけ@ Re:【ゲーム紹介】ユーフォリア:無知は至福(Euphoria: Ignorance Is Bliss)(05/14) おはようございます! はじめましてなので…
2013.06.03
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カテゴリ:ボードゲーム

ボックスアート
ユーフォリアボックスアート.jpg

ゲームボード類
ユーフォリアボード類.jpg

 Jamey StegmaierとAlan Stoneが2人で設立したStonemaier Gamesから発売した、キックスターター発の2作目。1作目の「Viticulture」はブドウ農園経営ゲームで、なぜかあまり話題にならなかったが、落ち着いたアートワークと見事な造形の駒類(たぶんキックスターターのバッカー限定だが)が目を引き、プレイした人によればゲームとしてもよくできていたようだ。
 2作目になる本作はディストピアをテーマにしており、それが受けたのか、莫大な資金を集めることに成功している。

 ある日突然、自分が暮らしている世界がディストピアであることに気づいたプレイヤーたち。たいていのエンタメでは、こうなった主人公はディストピアからの脱出、またはディストピアの破壊を試みるのだが、このゲームはひと味違う。なんとこのプレイヤーたち、このディストピアの体制内で成り上がることを選んだのだw そのために無知な労働者(かつての自分たちだ)や、高度な能力を持った専門家を使い、ディストピアの発展に貢献する。その過程で、今では所有が禁じられている旧文明の娯楽品(本とかぬいぐるみとか)を発見しては、密かにそれを欲しがっている権力者に貢ぎ、その見返りとして土地をゲットして所有権マーカーを置く(当然だが土地の私有も禁じられているので、公共の土地を私物化することになる。横領だw)。これを繰り返して、手持ちの所有権マーカー10枚を全部置ききったプレイヤーの勝ち。

 専門家カード2枚と秘密の目的カード1枚を持ってゲーム開始。基本的なシステムはワーカープレイスメントで、置いたら即座にアクションを実行するタイプ。ワーカーとしてダイスを使い、ダイスなので当然振る。しかし振ってから置くまでのあいだにタイムラグがあるので、「キングスブルク」「エイリアン・フロンティア」「トロワ」といった“振ってから考える系”ともまた違った独特なシステムとなっている。

 手番にできることは大きく分けて2つだけ。ワーカーであるダイスを1個置き、置いた場所に応じたアクションを実行するか、ボード上にある自分のダイスを好きなだけ回収するか。

 ダイスを置くとき、基本的には1個しか置けないのだが、手元に同じ出目のダイスが複数ある場合、それらのいくつか(またはすべて)を連続して置くことができる。ダイスは最初2個持ちだが、4個まで増やせるので、最大で4アクション連続で実行できるわけだ。このように手元にあるダイスの目が重要になるので、ダウンタイム中に手持ちぶさただからといってダイスや駒類を弄る癖のある人は要注意。出目を変えてしまうとゲームにならないからねw

 ダイスを回収したとき、プレイヤーはコストを払うかどうかを決める。コストを支払った場合、帰ってきた労働者たちに報酬を支払ったことになり、士気レベルが1上がる。士気レベルは重要な娯楽品カードの手札上限枚数に影響するため、高い方がいい。コストを支払わなかった場合は労働者にサービス残業(というか無償労働w)を強いたことになり、士気レベルが1下がる。一度に労働者駒を何個回収してもコストは変わらないので(これもひどい話だw)できればまとめて回収したいところだが、そうしづらい理由がある。

 ダイスを回収した時点で、プレイヤーはそのダイスをすべて振る。これは働いて帰ってきた労働者が、このディストピアについてどれだけ知識を得てきたかを表している。この出目と、まだ手元に残っていた他のダイスの出目を合計し、さらに現在の知識レベルに応じた修正値を加える。この値が18以上になると、「気づいてしまった……俺たちがいるこの街はディストピアだったんだ! これ以上こんなところにいられるか! 俺は逃げる!」と言って、出目が一番大きなダイスが失われてしまうw このルールがあるため、コスト効率を重視してダイスをまとめて回収すると、逆にダイスを失うリスクが増えてしまうのだ。ちまちま回収していればなかなか18以上にはならないので(労働者が集まって知識交換する機会を減らしていることを表している)、持っている資源や手数との兼ね合いを考えて、回収するダイスの数を決めることになるだろう。

ユーフォリアトラック.jpg
 ボード上にある士気トラックと知識トラック。士気トラックの数字は手札上限。知識トラックのダイス目は修正値。ゲーム中に特定のアクションを実行すると、どんどん知識レベルは上昇していくので、後半ほど修正値が大きくなって労働者も逃亡しやすくなる。

 アクションの種類は、まあ大体想像がつくもの。資源を支払ってダイスを置くと労働者が増えたり、資源がもらえたりする。ダイスを置くスペースは「全員が何個でもダイスを置けるスペース」「1個しか置けないが、すでに置かれてるダイスを追い出して置けるスペース」「1個しか置けず、自分で回収しない限り返ってこないスペース」の3種類がある。他の勢力につながる秘密トンネルを掘る(その過程で娯楽品を発掘する)アクションと、そのトンネルが完成したときに解放されるアクションスペースがあるってところはちょっと目新しいかな。

ユーフォリアアクションスペース.jpg
 アクションスペースの1つ「労働者活性化槽」。エネルギー駒3個か水駒3個を支払い、ダイスを1個置くと新たなダイスが1個手に入る。ここは押し出し可能スペースなので、あとから誰でも(自分でも)ダイスを置くことができ、そうしたらすでに置かれてたダイスは所有者の手元に戻る。無償で返ってくるのでありがたくもあるが、これによって知識値が18以上になる可能性もある。なお、エネルギーを払った場合は電気ショックで労働者を覚醒させたことになり、その衝撃で知識レベルが2下がるw 水を払った場合は新鮮な水しぶきでリフレッシュして、士気レベルが2上がる。こんな感じで、各アクションスペースにはメインの効果の他に、ディストピアらしい付加効果が追加されてる。

 建設は「ユーフォリア」の重要なパート。資源を支払ってダイスを置き、すべてのアクションスペースが埋まるとその建物が完成して、アクションスペースが解放される。恐ろしいことに、各建物には何らかのペナルティが示されており、その建物の建設に貢献しなかった(ダイスを置かなかった)プレイヤーにはそのペナルティが適用されてしまう。かなり厳しいものもあるので、できるだけすべての建物の建設に貢献しておきたいところだ。

ユーフォリア建設例.jpg

 こんな感じ。上図左側の4スペースに資源を支払ってダイスを置いていき、途中で誰もそのダイスを回収することなく全部のスペースが埋まったら建設完了。誰かが回収したら、別の(あるいは同じ)誰かが再び資源を支払い、そのスペースを埋めなきゃならない。完成したら建物タイルを表向けて左にずらし(この時点でダイスは回収される)、アクションスペースが解放される。ダイスを置いたプレイヤーは建物タイル上に所有権マーカーを1枚置くことができ、ペナルティを食らわずにすむ。

ユーフォリア建物カード1.jpg
 建物の例。左の「選択的遺伝子研究所」の建設に貢献しないと、手持ちのダイスの数が2個までに制限される。右の「はかない快楽の温泉」の建設に貢献しないと、押し出し可能なアクションスペースから自分で自分のダイスを押し出すことができなくなる。建物名はどれもこんな感じで、実にディストピア的だw

 こうして所有権マーカーをいち早く10枚使い切ることを目指していくが、ゲーム中に1回だけ、ダイスの配置/回収の代わりに秘密の目的の達成を宣言することができる。必要な娯楽品カードを捨て札にして、目的カードの左右どちらかの効果を発動させ、「専門家カードを2枚引いて1枚得る」か「所有権トークン1枚をカード上に置く」ことができる。

ユーフォリア目的カード.jpg
 秘密の目的カード。左上のカードを公開して「本」(または任意の娯楽品カード2枚)を支払うと、本を読んで専門家カードを1枚得るか、逆に本を焼いて所有権トークンをこのカード上に1枚置くことができる。基本的に左側は体制に反逆することを表しており、右側は体制におもねることを表してる。右下の「バット」の選択肢がひでえw

ユーフォリア専門家カード.jpg
 専門家カード。色はその専門家がどの勢力に属してるかを示している。勢力ごとに異なる専門家が何人かいるが、その名前はみんな「アミー」か「トム」か「ジョナサン」なのが実にディストピア的w


 ディストピアをテーマにする、と思いついた時点でデザイナーの勝ちだろう。士気レベルと知識レベルの調整や、建物の効果などに「負の効果」があるため、他のテーマだったらプレイヤーはストレスを感じたかもしれない。だけどディストピアと言われたら、そりゃ自由が制限されたり労働者が逃げ出したりしても仕方ないよねw 細かいルールもいちいちディストピアの再現に貢献しており、特に資源の一種に「幸福」があるのには参った。なんだよ「幸福」ってw どう考えてもアブナイ薬じゃねーかw

 ゲームとしての骨組みもしっかりしているようだから、ただプレイするだけでも充分楽しめるだろうが、やはりディストピアもののエンタメに触れているとより面白いだろう。暗い雰囲気の古典小説を読むのもいいし、比較的ハッピーエンドで終わりがちな映画を見るのもいい。だけど一番お勧めなのは、テーブルトークRPGの「パラノイア」をプレイしてみることかな。ボックスアートから分かるように、ハムスター式人間発電所があるような世界観だから、たぶん「パラノイア」が一番近いと思うよw






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Last updated  2018.02.19 10:04:08
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