|
カテゴリ:和訳
カバーアート 先日紹介した「スチーム拡張マップ#3」に続く第4弾。デザイナーは変わらずMorgan “ルールひどいよ”Dontanville。さすがに息切れしてきたか、今回は3マップではなく2マップ。それでもきっちり2人プレイ用ルールを入れてくるところはさすがだ。1面は2~4人用のポーランドマップ。当然だがマップの大半をポーランドが占めており、西がドイツの一部、南がチェコの一部となっている。 最初の3ターン中、プレイヤーはポーランド内でしか線路を建設することはできない。4ターン目からはドイツやチェコでも線路を引くことができるのだが、ここで問題になってくるのが国ごとの線路幅の違いだ。私は全然詳しくないのだが、どうやらポーランドは広い幅の線路を、ドイツとチェコは標準的な幅の線路を採用しているらしい(詳しくはWikipedia参照)。これを示すため、序盤にポーランド内に置いた線路タイル上には、自分の色のトークンと共に橙色のトークンを置く(このため、プレイヤーは橙色を自分の色として使うことはできない)。4ターン目以降、プレイヤーは広軌線路を引くか、標準軌線路を引くかを選ぶことができる。ポーランド内ではどちらの線路を引くこともできるが、ポーランド外では標準軌線路しか引けない。 ポーランド内で引いた広軌線路は、1リンクごとに3ドル払えば標準軌線路に変更することができる(橙色のトークンを取り除く)。お金がなければ、手番中の線路建設アクションを1回放棄するたびに1ドルだけで変更することもできる。 さて、線路の幅が異なると、当然同じ鉄道車両をそのまま使うことができなくなる。この問題を解決するためにはさまざまな手段があるが(これも前述のWikipediaが詳しい)、いずれにしてもコストがかかる。このため、異なる線路幅の線路を使って貨物駒を輸送した場合、プレイヤーは3ドルを支払わなければならない。線路幅を統一するにも金がかかり、異なる線路幅のままで貨物を輸送するにも金がかかる。もともとカツカツなのにさらにカツカツになるわけだw どの線路を改装し、どの線路を広軌のまま残すかの判断が重要になるのは明らかだ。 ポーランドマップは2人プレイが可能になっている。2人プレイゲームでは特別な「横領」アクションタイル(4ドルを支払えば“複数の”貨物供給スペースから貨物駒を2個取り、そのあと「都市成長」アクションと同じ処理を行うことができる)を使う。 「横領」アクションタイルと手番順マーカー。 アクションタイルの選択ルールが大きく変更され、先手が任意の3枚を選んでそれぞれに1~3番の手番順マーカーを置き、それに「横領」アクションタイル(常に4番の手番順マーカーが置かれていると見なされる)を加える。後手はここからタイルを1枚選び、そのあと先手が選ぶことになる。ケーキ切り分け方式になるわけだ。そのあと、手番順マーカーの番号が小さい方を取ったプレイヤーが新たな先手となる。面白いのは、後手が3番のマーカーが置かれたアクションタイルを取った場合、先手は1番と2番の両方のアクションタイルを取ることが(または「横領」タイルを取ることが)できるというところだ。後手が喉から手が出るほど実行したいアクションが分かっているなら、それに3番のマーカーを乗せれば大きなアドバンテージを得ることができる。相手の動きをよく読む必要があるだろう。 もう1面は3~6人用の南アフリカマップ。ゲームの準備中に、鉱山ヘクスに採掘タイルをランダムに置き、輸出契約ボックスに輸出契約タイルを1枚表向きで置く。 このマップでは「都市成長」アクションタイルを使わない。代わりに「探鉱者」アクションタイルを使うことになる。 「探鉱者」アクションタイル、採掘タイル、輸出契約タイル。 線路の建設フェイズ中、「探鉱者」アクションタイルを取ったプレイヤーは採掘タイルを2枚選び、それぞれについて「採掘調査」か「鉱山開発」のいずれかを実行しなければならない。「採掘調査」は任意の未調査の採掘タイルについて行うことができ、示されている貨物駒2個をそのヘクスに置いて、そのタイルを裏返す。新しい鉱山が発見されたってことだ。「鉱山開発」は自分の線路ヘクス上にある調査済みの採掘タイルについて行うことができ、示されている貨物駒のうちいずれか1個を置いて、そのタイルを取り除く。掘り進んでいってさらに鉱物が出てきたけど、ついに枯渇したことを表している。「採掘調査」についてのみ、「探鉱者」アクションタイルを取らなかったプレイヤーも実行することができるが、その代わりに線路建設アクションを1回放棄しなければならない。 つまり、頻繁にどこかの鉱山(候補地)で貨物駒が沸くわけだ。鉱山にある貨物駒は、近くの町/都市から1リンク離れたところにあるものとして輸送することができる(貨物駒の輸送中に鉱山を通過してもなんの影響もない)。 通常マップでは、輸送した貨物駒はゲームから除外されるが、このマップでは1ドルを支払って手元に残しておくことができる。こうして手元に貯めた貨物駒を支払って、プレイヤーは収入/支出フェイズ中に表向きの輸出契約タイルを1枚得ることができる(当然、示されている色が合っていなければならない)。輸出契約タイルはゲーム終了時に示されている勝利点をもたらす。輸出契約タイルはターンごとに1枚ずつ表向けられるが、履行するかどうかは手番順に決めるので早い者勝ちだ。あまり枚数もないので、所持金が許す限り貨物駒を貯め込んでおきたいところだ……所持金が許す状況などほとんどないのが「スチーム」だけどw どちらのマップも興味深い。広軌/標準軌の問題を扱った鉄道ゲーはこれまでなかった気がするし、南アフリカの鉱山周りのルールも面白そうだ(輸出契約は蛇足っぽいが)。これまで通り、「スチーム」好きなら楽しめるマップだろう。 ルールは安定のひどさで、とにかく解読が困難w 今回紹介した内容も、やはり正しいかどうか自信がない。加えて、拡張マップ#4ではついに「何に使うのかがルール中にいっさい書かれていない内容物」がついてくるw 1~9の番号と、無地と、「Victory」と書かれてる薄茶色のヘクスタイル(大きさは都市成長マーカーと同じくらい)なんだけど……何に使うのかピンと来た方は是非ご一報下さいw BGGの和訳ルール: スチーム 拡張#1 拡張#2 拡張#3 拡張#4 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.06.30 09:22:38
コメント(0) | コメントを書く
[和訳] カテゴリの最新記事
|