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ボックスアート ゲームボード デザイナーは「スラヴィカ」のMarcin Welnicki(こちらがデビュー作だが)。パブリッシャーは「メタルム」「キング&アサシン」のgalakta。好きな人にはたまらない、アトランティス脱出ゲーだ。 栄華を極めたアトランティスが、ついに予言の通りに災害に見舞われ、滅亡しようとしている。残された人々は力を合わせ、アトランティスからの脱出を試みる……アトランティスものでこれ以外の設定のゲームがあったら見てみたいものだw 同テーマのゲームに「アトランティス・ライジング」があるが、あちらが協力ゲーであるのに対し、こちらは競争ゲー。プレイヤーはアトランティスを担う貴族の家長となり、できるだけ多くの身内を脱出させようとする。ひどいゲームだよw 各プレイヤーはついたて、影響力駒20個、政略カード7枚、スペシャルカード2枚を持ってゲームを開始する。 ゲームは4フェイズに分かれており、円形のゲームボードの下から上へと処理を進めていくようになっている。このゲームボード設計はなかなか親切で分かりやすい。 まずは一番下の広場を使っての上院フェイズ。プレイヤーは自分のついたての内側から影響力駒をこっそりと何個か握り、同時に公開して広場に置く。この数によってそのターンの手番順が決まる。また、何らかの引き分けが発生したとき、駒数が多いプレイヤーは少ないプレイヤーに勝つことができる。このシステムから分かるように、先手が非常に有利だ。しかしそのために多くの影響力駒をここに突っ込むと、以降のフェイズで使える駒が減ることになるわけだ。 こんな感じなら青が1番手、赤が2番手となる。黄と緑の順番は次の派閥フェイズでのマーカー順(1ラウンド目はマーカーの初期配置順)によって決まる。 次は派閥フェイズ。広場の上側に7枚の派閥トークンが置かれており、プレイヤーはこれを手番順に1枚取る。派閥には「裁判官」とか「職人」とか「扇動者」といったものがあり、それぞれゲーム中に役立つ特殊能力を持っている。派閥トークンは7枚あるので何枚か残ることになるが、そのトークン上には勝利点トークンが1枚置かれ、以降のターンでその派閥を選んだプレイヤーはその勝利点も得るという「プエルトリコ」方式。また、プレイヤーは選んだ派閥トークンがあった場所にマーカーを置き、上院での駒数が同じ場合は、ここでより左側にマーカーを置いているプレイヤーが先手となる(または引き分けに勝利する)。言うまでもなく、右側にある派閥ほど強大だが、それを選ぶと引き分け判定などで若干不利になる。 こうやって選んでいく。マーカーは次ターンの派閥フェイズ中に移動するまでこのままなので、このターン中は黄が3番手、緑が4番手となる。また、次ターンの上院フェイズ中に握った影響力駒数が同じ場合、青、黄、緑、赤の順で引き分け判定に勝つ。 その次がメインの投票フェイズ。各プレイヤーは手札の政略カード7枚から5枚を選んで手元に伏せ、全員同時に全部公開する。ここで全プレイヤーは自分が出したカードに投票していく。まず全員が自分の左端のカードに投票し、その処理が終わったら左から2番目のカードに投票し……と進める。投票の仕方は、影響力駒を握って同時公開する方法と、手番順の逆順に投票していく方法があり、どちらになるかはそのターンのイベントカードによって決まる。 こうして投票を行い、票数1位と2位のプレイヤーだけが自分のカードの効果を解決することができる。政略カードの効果によって自分の身内(=影響力駒)を船に乗せたり、その船を避難地に向けて進めたりすることになるので、ここで勝たないと親族一同アトランティスで滅ぶことになるw だがカード5枚に対して影響力駒は20個しかない。せいぜい1枚、よくて2枚解決できれば御の字だ。しかし2位でも解決できるというのがミソで、うまく3~5枚解決できれば大躍進することができるだろう。 政略カードの例。左下なら自分の避難民駒2個を1隻の船に載せることができる。右下は「王室の船」カードで、船1隻を移動させることができ、それでもし避難地に到着した場合には(一緒に王族が乗っていたので)追加点を得ることができる。 最後は破滅フェイズ。ここは事務処理で、避難地や上院にある各プレイヤーの駒数を比較して勝利点を得たり、港にある船を移動させたり(政略カードによっても移動するが、何隻かは自動処理で移動する)、イベントカードを公開してその効果を適用したりする。最後に、船に乗っているものを除いてすべての影響力駒を回収する。そう、船に乗っているあいだはそのままなので、早く避難地に到着させないと使える駒数が減るのだ。このため、闇雲に多くの避難民を船に乗せると次の投票で勝てなくなる=船が進まなくなるという悪循環に陥る可能性がある。 イベントカードの例。中央のカードが出ているあいだ、プレイヤーは避難民駒を1個余分に船に乗せられる。右のカードが出ると海が荒れて船の航行が困難になり、次ターンの破滅フェイズ中にすべての船が港に戻ってきてしまう。さらにその上にあった避難民駒も全部回収になってしまうという鬼畜仕様だw 色付き隕石が描かれているカードが出るとボード上から破滅マーカーを1個取り除くことになり、そういうカードが3枚出たらゲーム終了となる。 その他、特定のタイミングで使えるスペシャルカードがある。たとえば一番手前のカードを使うと、すでに船に乗っている中立の市民駒(というのがあるのだ)を3個まで自分のものに置き換えることができる。新たなシンパを得たということだなw 強力なものが多いが、入手手段が限られているので計画的に使う必要があるだろう。 ポーランドのパブリッシャーということで流通が弱いらしく、BGGではほとんど採点されていない。しかしルールを読んだ限り、つまらなそうなところは1つもない。特に限られた影響力駒に何通りかの使い道があり、ギリギリを狙ってうまく配分する必要があるところはかなりシビれそうだ。また、説明は省いたが、避難民が乗る船にも個性があり、乗員数は少ないが高速で移動する「飛行船」、警備が堅いので「裏切り」「破壊工作」といった政略カードの標的にならない「戦艦」などがある。どの船に避難民を乗せても同じというわけではないので、もうそこから悩まなきゃならないw 自分1人の避難民を満載して避難地に到着できれば最高だが、なかなかそうもいかないので、他プレイヤーの避難民と同乗し、協力して船を進めた方がいいこともあるだろう。 何よりこのアートワーク! ちょっとくせはあるが実に美しい。カードの効果はすべてアイコン表示なので言語依存もなく、4~6ターンで終わるように調整されているので超長時間かかることもないだろう。いけると思うよ、これ。 BGGの和訳ルール
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