2019/10/04(金)22:00
【ゲーム紹介】2019年エッセンシュピール私的注目作
10月24日~27日にドイツのエッセンで開催される、ボードゲーマー夢の祭典「シュピール」。その前後に発表される注目ゲームのご紹介。
出る数が多すぎる上、幸いにもいろんなところからルールの翻訳を頼まれてて時間がなさ過ぎるため、もうほとんどルール読んでない。選んだ基準は箱絵、テーマ、システム、対象年齢、プレイ時間など。購入するかどうかは自己責任で。
邦題は適当。紹介順も適当。敬称略。画像全部BGGからの借り物で、プロトタイプのものもあるかも。もう発売済みのもあるかも。キックスターターで出資募集してて目新しくも何ともないのもあるかも。タイトルにBGGへのリンクを貼っておく。
●ツンガル
“Tungaru”とはキリバス語(現地の言語)でギルバート諸島のこと。「ダイス・ホスピタル」出したAlley Cat Gamesの来年の新作で、エッセンではデモのみ。このポリネシアの島を舞台にした文明発展ゲーらしい。さすがにまだ情報が少ないが、ダイスプレイスメントと資源変換が主要システムらしいので、たぶん私の好物だろう。
●カーニバル・オブ・モンスターズ
AMIGOにしては珍しい(たぶん)大箱。今「KeyForge」でぶいぶい言わせてるリチャード・ガーフィールド新作。8月くらいに発売済みっぽい。ファンタジーテーマで、カードゲームに定評のあるガーフィールド新作ときたら要注目だろう。言語依存性があるが、AMIGOだと日本語版はないか? どうかな?
●オフショア
スヴェンソン&オストビー+1によるアポルタ新作。北海で石油掘るが、油田開設時に他プレイヤー1人と協力できるらしい。自分だけの利益を追求して一時的に協力するゲーは燃えるよねw
●ムー
たぶん知名度の低いBankiiiz Editionsから出る、アジアンテイスト都市建設ゲー。舞台が海上っぽいのは今年の流行かな。アジア風ってことになってるけど、カードとかタイルの画像よく見ると古代とかではなく、なんかSF風の味付けがされてる。そういうの大好きw
●セーブ・ザ・ミープルズ
2016年に「ミープル・ウォー」を出したBlue Cocker Games新作。テーマ的には続編だがデザイナーは違う。長きに渡るミープル戦争が終わり、ミープルたちは隠れ里で平和に暮らしてたが、ついに人類に見つかってしまった。人類はボードゲームで使うためにミープルを誘拐している。選択肢は2つしかない……物理的にでかすぎる人類と戦うか、ロケットを作って他の平和な惑星に逃げるかだ! うん、もうテーマだけで要注目w
●アルバリ:一杯の美味しい紅茶
インドでの紅茶産業をテーマとした、「スノードニア」シリーズの新作。シリーズと言うからにはどこかしら似てるんだろうけど、どこが似てるのかは不明(ルール読んでないから)。2年前から注目してたが、いよいよ出るらしい。紅茶ゲーにハズレなし(今のところ「セイロン」が当たっただけ)。
●クーパー・アイランド
「ラ・グランハ」「ソラリウス・ミッション」の共作者、Andreas "ode." Odendahlの単独デザイン。探険の時代に公開して入植して発展して……という鉄板テーマだが、ちょっと変わった形のボードが目を引く。ペガサス、キャップストーン、フロステッドゲームズと名の知られたパブリッシャーが扱うようなので、どこかから日本語版出そう。
●ファラオン
「ペーパーテイルズ」とか「サピエンス」のキャッチアップゲームズ新作。もう出てて、国内でもプレイ済みの人がいるようだ。ファラオの子供になり、死後の旅に備えて立派な玄室作ったり、神々の要求を満足させたりする。モジュラーボードにワープレ。このキャッチーな見た目にエジプトテーマなら、大きく外すことはないだろう。
●アクアティカ
「スマートフォン株式会社」のコスモドローム新作。マーマンやマーメイドがいるファンタジー世界の海中で王国を作るデック構築ゲー。デック構築はドミニオン式かアセンション式かで評価ががらっと変わるが果たして。
●ミステリーハウス:アドベンチャー・イン・ザ・ボックス
「バラージ」で(よくも悪くも)衆目を集めたクラニオ新作。「アンロック!」シリーズのような、アプリ併用型の協力・リアルタイム推理ゲー。基本セットにはシナリオ2本入り。箱に場所カードを差し込んで、窓からそのカードをのぞき込んで物品を探したり謎を解いたりするのが斬新。それが面白さにつながるのか、独特の謎の構築に役立つのかはさすがに未知数。未知数ならやってみるしかないわなw「充分に明るいところでプレイせよ」とのことなので、念のため懐中電灯を用意して置いた方がいいかもねw
●コロマ
みんな(=アメリカ人)大好きゴールドラッシュ時代の西部開拓都市建設ゲー。手札管理、同時アクション選択、可変フェイズ順、ワープレ。なかなか盛りだくさんだなw 西部ものはあまりウケない気がするが、この見栄えならいいのでは。
●ブリュッセル1897
「ブリュッセル1893」の深みを損なうことなく簡略化したゲームらしい。1893はパールゲームズから出てたが、デザイナーのEtienne Espremanが自分たちでGeek Attitude Gameを立ち上げ、権利を再取得して(たぶん買い戻したんだろう)これを作ったとのこと。うーん、ゲーム外の余分な要素抜きで面白く仕上がってるといいんだけど。
●アクア・ミラビリス
「エキスポ1906」のGotha Games新作(デザイナーは異なる)。理性の時代(17世紀後半から18世紀)に生きる調香師となり、王や宮廷の人々を喜ばせるような新しく素晴らしい香水を作ろうとする。AP制、エリアマジョリティ、ワープレ。箱絵はちょっとぱっとしないし、ボードも全景を移した画像がないのだが、リンク先にはボードの一部をクローズアップした画像が何枚かあり、結構いけてるように見える。どうかなー。
●ニューデイルへの遠征
「オー・マイ・グーッズ!」と同じ世界観を持つボドゲ。デザイナーはもちろんAlexander Pfister。今年は「マラカイボ」と共にキャンペーンゲームを2つ出してきた。超人かw シナリオがあり、ストーリー的には「オー・マイ・グーッズ!」の第2ストーリー拡張「ブルック峡谷への逃亡」のあとの時代ということになってるので、可能なら全部知ってるとより楽しめるだろうが、ルールブックの冒頭にこれまでのあらすじが書かれてるので「オー・マイ・グーッズ!」シリーズを1つもプレイしてなくても(そして持ってなくても)遊べる。逆にいきなりネタバレかましてくるので、旧作をネタバレなしに遊びたい場合は要注意だw
●クランク!レガシー:お前のものは俺のもの有限会社
「クランク!」をレガシー化したもの。「クランク!」は傑作。レガシーは(プレイする時間があってメンバーがいて1回ごとのプレイの面白さが保証されていれば)ゲームをより面白くする。ゆえに「クランク!レガシー」はマストバイ。証明終了w ただ、どうも私の知らないD&Dの海外配信だかコミックだかが元ネタになってるらしいので、そこが心配だ。知らなくても楽しめるのかしらね。
今年はこんな感じ。あとは既存ゲームの拡張で以下のものが気になる。
●電力会社:中東/南アフリカ
いつもの。といってもマップ拡張は6年振りだが……6年振り!? まあいい、とにかく即買いだw
●サンタマリア:探険デック
初期資源などを個別に変更する国カード6枚と、ゲーム開始時にドラフトしてゲーム中に達成するとボーナスと得点をもらえる偉業カード20枚のミニ拡張。
●パースート・オブ・ハピネス:体験
たぶんなんかいろいろ増えるんだろう。
●ダイスセトラーズ:西の海
基本も未プレイだけど。
●ニュートン:偉大な発見
天地があって差し込むときにアクションシンボル側か収入シンボル側かを選べるアクションカードと、いろんなところで獲得できてボーナスか最終勝利点をもたらす偉大な発見タイルからなるミニ拡張。
●スルー・ジ・エイジズ:新たな指導者と驚異
新たな指導者と驚異。あれ以上要素増やされても困るし、これで充分だw これは日本語版来るだろう。
●アンダーウォーターシティーズ:新たな発見
新たなカードが主だが、1つ大きな驚きがあるらしい(BGGの説明より)。これは日本語版来るだろう。
●ヘヴン&エール:ビア樽とその他
作ったエールを地元の宿屋に運ぶ。そのために注文通りの酒作ったり、輸送用のラバを強くたくましく育てたりする。あれ以上悩ましくしてどうすんだって気もするがw これは完全日本語版来るかどうか知らんがそれはどうでもいい。
●ガンジスの藩王:お楽しみボックス1
過去のアドヴェントカレンダーとかに入ってたプロモ3種に新しいモジュール4つを追加したものだそうだ。
●コンコルディア:バレアレス諸島/キプロス
●コンコルディア:バレアレス諸島/イタリア
いつもの。どっち買わないかんのかまちがわんようにせんと。これは日本語版来るだろう。
●フードチェーンマグネイト:ケチャップメカニズム&その他のアイディア
これは日本語版来るだろう。
レガシー/キャンペーン系ゲームを完走するためにリソースの大半をつぎ込み、プレイするタイトル数は減っているというのに、それでも新作を全部チェックしてよさそうなのを見つけては情報を追い続ける日々。まことボードゲーマーとは業の深い生き物でござるw 未開封新品で手放すのだけは避けたいので、「買うなら積むな、積むなら買うな」の精神で入手するゲームを厳選してはいるが、それでも願わずにはいられない。今年もできるだけたくさん日本に入ってきて、できるだけたくさんプレイできて、そのうちできるだけ多くがいいゲームでありますように。