【プレイ日記】映画原作ゲーム会
「映画原作のゲームが2つあるからやろうぜー」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。●SPECTRE: The Board Game 本命の映画ゲーの1つ目。旅団長さん持ち込み。タイトル的には「ジェームズ・ボンド」シリーズ第24弾「Spectre(邦題は「007 スペクター」)」を元にしているように見えるが、別にそういうわけではない。デザイナーが8人もおり、そのうち1人は何とAntoine Bauzaだが、まあ名前を貸しただけかなーという感じ。 プレイヤーはMI6側ではなく、過去のジェームズ・ボンドシリーズの悪役が勢揃いしている謎の組織「Special Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge」、略して“スペクター”の幹部となる。当然悪いことをするのだが、悪は自らを滅ぼすので、お互いに足を引っ張り合って組織のナンバー1になろうとする。そのためなら他プレイヤーの活動現場にジェームズ・ボンドを押しつけることさえいとわない……これヴィランものの皮を被った「ダンジョン・ロード」だなw 残念ながら、システム的に見るところはない。2種類各1個ずつしかないワーカーを、それぞれの種類を置けるところに置いてアクションして、資源を集めて能力を解放していく。ラウンドごとの得点順で手番順が決まったり特殊能力もらえたりちょっぴり得点をもらったりする。 資源を使ってボスから与えられた任務をこなすこともできるが、1人ではとうてい実行不可能な難易度のくせに、他プレイヤーと協力しても褒められるのは一番貢献した人だけなので、基本的に誰も協力しないw そして失敗すると「おしおきだべー」と言われてろくでもないことが起こる。もう完全に破綻してるだろw キャラごとの能力もバランスを考えているとはとうてい言えず、上記のように任務を達成するのがとても難しいのに「任務が失敗するとなぜか点が入る」とかいう頭のおかしいキャラまでいる始末。こいつが協力するわけねーだろw ということで、ゲームとしてはダメダメなのであえてやる意味はない。007シリーズの側をかぶったものなら何でも手に入れなければならないというコレクター以外は買わなくていいよ。●Fast & Furious: Highway Heist 続いて映画ゲーの2つ目。日本では「ワイルド・スピード」の邦題で知られてる映画シリーズがテーマ。最初の数作はカーレースもので、近年は自動車で宇宙に行ったりするトンデモSFとなってる本シリーズだが、このゲームではその中間くらい。レースはせず、戦車や超大型トラックやヘリコプターで悪事を働いて逃走している悪い奴らを一般車両で追いかけてやっつけようという協力ゲーだ。いや無理だろw シナリオが3本あり、今回は戦車を相手にした。時間制限内に戦車の耐久力を削りきれば勝ち。 こんな感じでキャラクターボードと車ボードを組み合わせてプレイヤーボードとする。アクションに応じてアイコンで示されてる数のダイスを振り、成功の目が出れば成功。足りない場合、ブーストトークンを支払えば成功にできる。簡単ルールだ。 できるアクションは移動したり車ぶつけてはじき飛ばしたりは当然のこととして、自分の車をほったらかして敵の車に飛び乗ったり、飛び乗ってきた敵をたたき落とすために自分の車の屋根に上ったりする。そのあいだ自分の車はどうなるかというと、速度は落ちるがちゃんとまっすぐ進んでくれる。有能w このゲームではプレイヤーが脱落することはあんまりない。自分の車の耐久力が0になるとクラッシュするのだが、その直前に脱出したことになり、最も近くにある他の車に(どれだけ離れていても)飛び乗ったことになるのだ。それが敵の車なら、ドライバーを放り出して乗っ取って、普通にゲームを続けることができる。敵の車は能力的に少々見劣りはするが……超人過ぎるw そんなこんなで手に汗握るカーチェイスの結果……主人公たちは全滅したw ぎりぎりの勝負だったけどねー(左側にあるヘリは別シナリオの敵で、今回は登場していない)。 言うまでもなく、完全にバカゲーである。だがそれがいい(ニヤリ)。戦車の主砲で吹き飛ばされても大してダメージを受けない車に、決して死なないキャラたち。きっと特殊カーボン製の砲弾なんだろうw 頭空っぽにして楽しめるゲームが欲しいなら、今はこいつがお勧めだ。●Northern Pacific こちらで和訳ルールが公開されています↓ボードゲーム和訳「Northern Pacific(ノーザンパシフィック鉄道)」 - 狂人にょっき 旅団長さんが早退されたあと、3人でこれ。簡単短時間の鉄道ゲーということだったが、あまりにシンプルすぎて完全にアブストラクト。そして多人数アブストラクトに当たりなし。この格言はこのゲームにおいてもやはり真実だった。 手番でやることは、まだミネアポリスにつながってない都市に投資駒を置くか、ミネアポリスから線路を延ばしてシアトルに到達する1本の分岐しない線路を作るかのどっちかだけ。線路を延ばして投資駒がある都市に到達したら、その駒を回収すると同時にストックからももう1個得る。つまり2倍になって返ってくる(大きい駒を置いてた場合は2個得るので3倍になる。スーパーひとし君みたいなやつ)。どうやっても線路が届かない位置に投資しちゃった駒はラウンド終了までそのまんまになるので丸損だ。 これを完全に3ラウンド繰り返す。前ラウンドから持ち越すのは投資に成功した駒数と失敗した駒数の記録だけ。完全に1からやり直す。3ラウンドやっていっぱい投資に成功した人の勝ち(同数なら失敗が少ない人の勝ち)。 あまりにも……あまりにもガチンコ勝負すぎるw 3人戦というのも一番紛れがなくてよくなかったかもしれない。3人戦だと各都市に2個しか駒を置けないので、基本的には1人しか置いてない都市を路線からはぶりつつ、全員が均等に2個ずつ駒を置いた都市を通っていき、最後の最後でほんの駒1個分だけ出し抜く(出し抜けるとは言ってない)という勝ち筋しかないだろう。4人以上ならもうちょっと紛れが生まれるというか、誰かのボーンヘッドを期待するとかできるかもしれないが、3人では誰が見ても盤上の形成が明らかなのでまったく気が抜けない。いくら何でもきつすぎるw さすがに最後までやる気にならなかったので1ラウンドだけやって協議終了。最大人数で酒飲みながら1手2秒くらいでやるならいいかもね。●Ruthless こちらで和訳ルールが公開されています↓Ruthless: Japanese Rules 最後にこれ。海賊テーマのデック構築。金貨カードをプレイしてディスプレイに並んでる海賊カードを買ったり、海賊カードをプレイしてその効果を適用したりする。このへんはごくごく普通のデック構築。全員共通のディスプレイから買って、1つの山から補充していくタイプなので、「ドミニオン」型ではなく「クランク!」型といえば分かるだろうか。 珍しいのは、手札の補充が手番終了時ではなくラウンド開始時であること。つまりラウンド制なのだ。で、買ったカードもいったん手元に置いておき、ラウンド終了時(全員が何もできなくなったとき)に、そのラウンド中にプレイした海賊カードと勝った海賊カードすべてを参照して、ポーカーみたいな役を作って強さ比べをし、強さ順にそのラウンドの得点タイルを得られる。ここが(おそらく)唯一無二で面白いところだ。規定ラウンドプレイして、いっぱい点取った人の勝ち。 思ったより面白かった。面白かったが……序盤に無理して買った強カードは何度も回転するので、自分のデックを引き切るような構成にできると、もう強い人がひたすら勝ち続けるだけになりそうな気はする。バランス的にどうかなー。これは数回やってみないと分からないが、少なくとも1回やる分には面白いよ。