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今日もプレイミス

今日もプレイミス

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和訳

2021.06.14
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カテゴリ:和訳

ボックスアート


初期内容物。タイルが異常に少ないぞw


プレイ風景。



 筆頭デザイナーはRob Daviau。さまざまなゲームをレガシー化してきたデザイナーが、ついに自身の最高傑作をレガシー化した。他に共作者が5人いるが、おそらくはシナリオを数本ずつ担当しているんだろう。今回が2作目となるデザイナー(兼ディベロッパー)もいれば、「Tyrants of the Underdark」の共作者などもおり、幅広い才能を集めた感じがある。パブリッシャーはアヴァロンヒル。

 すでにプレイ日記でも述べたが、 2004年に初版、2010年に2版が発売された「Betrayal at House on the Hill(丘の上の裏切り者の館)」のレガシー版だ。もともとシナリオ式で1回性の強いゲームなので、レガシーシステムと相性もよく、本作が出るのは当然の流れと言えるだろう。

 主な要素は元ゲーと変わらないので、まずはこちらの紹介記事を読んでいただきたい。とても詳しく書かれているので、これ以上つけ加えることは何もない。

ある元心理カウンセラーのボードゲーム日記:ボードゲーム 丘の上の裏切りの館(Betrayal at House on the Hill) リプレイ!

 ルールブックの冒頭に元ゲーとは異なる点が列挙されているので、「丘の上の裏切り者の館」の経験者ならそこだけ読めばだいたい理解できるようになってる(やり直しがしづらいので、さすがにプレイ前にルール全部に目を通した方がいいが)。レガシーなら当然ある要素(数ゲームに渡るキャンペーン制だとか、カードやタイルに書きこみしたり、それらを破棄したりすることがあるとか)を除くと、大きな違いはほとんどない。怪異の発生チェックが「バルダーズゲートの裏切り者」と同じ方式(出てる前兆カードの枚数分だけダイスを振る)になって超序盤で怪異が発生する事故を発生しにくくしたり、カードの使用に関するルールを整備したり、アクション回りのルールを明確にしたりといったプレイアビリティの向上に関するものが大半だ。



 各プレイヤーが持つ一族ボードが大型化して、よく使うアクションのサマリーがある。ちなみにクリップはいつも通りきつかったり緩かったりするw

 明白に違うのは、アイテムとイベントカードもタイルと同様に領域(1階と地下と上階と屋外)に属し、対応する領域にあるアイテム/イベントタイル上でしか得られなくなったところくらいだ。今のところ、これにどれほどの意味があるのか分からないが、たぶん何かあるんだろう。繰り返しプレイするのが大前提だから、覚えてれば狙ったアイテムを取りやすくなるかもね。

 あとはもう、レガシーなんで大して言えることもない。最初に必ずプレイすることになる序章の導入くらいは紹介してもいいかな?














 時は17世紀後半。所は新世界。ある館に住んでた一家が天然痘で全員死亡したが、1人の遺体は見つからなかった。生前から、この一家は館を建てたときに貴重なお宝を見つけたという噂があった。今、この館に主はいない。お宝は置きっ放しかもしれない……となればやることは1つ。忍び込んで家捜しだ! 死人の持ち物をもらっても悪くないよね(悪いです)。だけどそう考えたのは自分1人だけではなく、他のプレイヤーも集まってきた。急げ! 他の奴らにめぼしいものを奪われる前に自分の取り分を確保するのだ! ……もうこいつら全滅してもいいんじゃないかなw

 その後、怪異が始まったらどうなるかはぜひプレイして確認して欲しい。












 いろんなところに貼るシールシート、その名も“地獄の紙片”!



 スペースが空いてるルール!



 おなじみ英雄用と裏切り者用の怪異の書に加えて、ゲームブックよろしくパラグラフがびっしり書かれてる「陰鬱な日誌」もあるよ!



 初期デック、レガシーデック(パート1)に加えて“煉獄”デックもあるよ!



 キャンペーン終了時まで空けちゃいけない観音開きページ。普通にプレイしてても勝手に開きがちなので要注意w

 また、これまでのレガシーゲーにもあったかもしれないが、「裏切り者レガシー」はキャンペーン終了後も繰り返しプレイすることが想定された作りになっている。「パンデミック・レガシー:シーズン1」のように「がんばれば普通の『パンデミック』として遊べなくもない」というレベルではなく、もう普通に繰り返しプレイするためのルールが用意されてるので、「キャンペーン終わっちゃったけど、この粗大ゴミどうしよう……」と困る心配は無用だ。もうプレイをためらう理由は何もない。骨の髄までしゃぶり尽くせ!

ルールブックとキャンペーン全13章をプレイするのに必要なすべて(パス付きzip)

更新履歴/解凍パスワード







Last updated  2021.06.14 13:31:28
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2020.05.14
カテゴリ:和訳

ボックスアート


 基本ゲームの紹介はこちら↓
【ゲーム紹介】ユーフォリア:よりよいディストピアの建設(Euphoria: Build a Better Dystopia)
 ※キックスターター版の画像を使っての紹介しているので、ルールなどが異なっているところがあります。

 まだキックスターターというものがあまり知られていなかったころ、目標額$25,000の「Viticulture」で$65,980を集めて大いに話題になったStonemaier Games。このパブリッシャーのゲームの第2弾がこの「ユーフォリア:よりよいディストピアの建設」だ。ユーフォリアに見せかけたディストピア世界でヒーローになるのではなく、そこでのし上がる小悪党になるという設定もウケたようで、こちらも目標額$15,000に対して$309,495を集めた。今でこそ10億円集めるようなボドゲもあるが、これは当時としては破格の集金額で、キックスターターで成功するのがうまいパブリッシャーとして一躍有名になった。幸いにも人気先行ではなくゲームとしてもいい出来で、この「無知は至福」はその拡張となる。





 まず個人用のプレイヤーマットが追加された。いろんなものをここで管理するわけだが、特に基本ゲームではボード上の共有トラックで管理していた士気と知識も個別に管理するようになった。まあその方がやりやすいだろう。

 また、割と大きめな基本ルールの修正が2つ入った。まず、1手番で同じ出目の労働者を複数置くときには、2個目以降の労働者1個ごとに-1士気することになった。そして建物の建設からハブられて影響力トークンを置くことができなかったプレイヤーは、その建物に労働者を置いたときに、星形区画ではなくその建物上に影響力トークンを置けるようになった。基本ルールでは思い建物ペナルティーを除去する手段がなく、1つでも喰らったらそのまま敗北一直線気味だったので(そして必ず誰かが喰らうルールになってる)、これは近年のボドゲの傾向を考えても妥当な修正だろう。



 そして新たな建物と専門家。完全差し替え型なので基本ゲームと同じだけの量があるが、混ぜては使えない。こちらの建物/専門家セットを使うときのみ、娯楽品カードの獲得が山引きではなく、娯楽品バザーから選んで得ることになる。↑はバザーでの購入コストが高くなる「贈賄規則省」と、労働者を全回収したときに両隣のプレイヤーも1個回収できるようになってしまう「ジレンマの刑務所」。バザーで娯楽品を得るためにコストがかかるようになったので、建設後の建物への配置コストは若干安くなっている。



 娯楽品バザーボード。獲得コストに傾斜がついており、長くバザーに残ってるものほど安くなるという、いわゆる「スルー・ジ・エイジズ」方式だ。



 一番(というか唯一)目新しいのは、無勢力の専門家が追加されたことだ。何しろ無勢力なので勢力トラックのボーナス獲得には貢献しないし、ゲーム中に新たに活動中になることもないが(ゲーム開始時に持ってたら必ず無勢力の専門家を活動中にしなければならず、ゲーム中に倫理的ジレンマによって無勢力の専門家を引いた場合には引き直しになる)、その分ユニークで爆発的な能力を持っている。



 最後に、ソロプレイか2人プレイで使うことができるオートマルールが追加された。システムは手番ごとにカードを2枚使い、片方がアクションカード、片方がサポートカードになるという「ガイアプロジェクト」方式。あれが遊べるならこれも問題なく遊べるだろう。



 さて、ここまで紹介が淡々としていたことからもお分かりいただけるかと思うが、あんまりお勧めの拡張ではないw 何しろ最も大きい要素である建物と専門家が差し替え式だ。「ヴィティカルチャー」の拡張にもあったが、差し替えちゃったら“拡張”ではないんじゃないか? ラーメン屋で「あと250円出してくれたら餃子つけますよ」って言われたら一考の余地もあるだろうが、「あと250円出してくれたらトッピングのネギをほうれん草に交換しますよ」って言われたら「え……じゃあネギでいいわ」ってなるだろw

 プレイヤーマットにしろ、基本ルールの変更にしろ、それは基本ゲームのテストプレイ中に追加したり変更したりすべきものであって、拡張でやられてもなあ……「追加で250円出してくれたらラーメンの出汁の取り方もよりよいものに変更しますよ」って言われたら「それはラーメン単品でもよりよいものにしとけや!」ってなるからなw

 まあそういうことで、「ユーフォリア」を持っていない人はまず基本ゲームだけ買えばいい。すでに持ってる人も、相当遊びこんでるか、無勢力の専門家だけでも新要素が増えてくれれば嬉しいか、パブリッシャーに貢ぎたいか、ネギが嫌いな人以外はしばらく買わなくていいだろう。私はネギが嫌い派だよw

BGGの和訳ルール

カード/タイルシール(かなり使いにくい)

用語参照用の非公式基本ルール







Last updated  2020.05.14 10:40:19
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2020.05.05
カテゴリ:和訳

ボックスアート



 大きさは「グレンモアⅡ」と同じくらいかな。厚みも同じくらい。



初期内容物。奥の方にあるけっこう分厚い「秘密の書」! 丈夫な封筒に封印されてる隠し要素! なんか宝箱っぽいやつ! 少々見にくいが、マップの手前の方では道が途切れてるのが分かるだろうか。当然キャンペーン中にここからいろいろ伸ばしていくわけで……もう見るだけで脳汁あふれちゃうねw プレイヤー駒とドラゴンマーカーはプラ製フィギュアとなった(土台に自分の色のリングを付けて見分ける「ゾンビサイド」方式だ)。

 元ゲーの「クランク!」については今さら語るまでもないだろう(まったく知らないという希有な人はこちらを参照)。デック構築とダンジョン探索を組み合わせたまったく新しい傑作ファンタジーボードゲームで、日本語版も出てる。

 さて、「パンデミックレガシー」に代表されるレガシーシステムは面白いゲームをより面白く(面白くないゲームはそれなりに)する。この時点で「クランク! レガシー」は約束された傑作なのだが、今回はさらにTRPGの「D&D」とコラボし、海外(主にアメリカか)で有名なセッション配信動画の「Acquisitions Incorporated」のガワをかぶせてきた(設定ガイドも出版されてるようだが、邦訳版が出てるかどうかは知らない)。これは日本ではあまりなじみがないので(たぶん)マイナス要素になる可能性もあったが、実際には元ネタをまったく知らなくても問題なく楽しめるので心配は無用だ。

 “Acquisition”とは、ここではおそらく獲得とか収集とかいった意味。アクイジション株式会社はファンタジープレーン(“次元”という意味。「D&D」や「マジック:ザ・ギャザリング」でオリジナル世界やネタ世界を出したり、他ジャンルとコラボしたりするときによく使われる便利な言葉)での冒険を商業化した会社で、プレイヤーはそのフランチャイズとなって利益を上げ、会社内でのてっぺんを目指していく……世知辛いなあw

 基本的なシステムは「クランク!」で、ちょいちょい新ルールもある。レガシー部分はゲームブックのようなパラグラフで管理されてる「秘密の書」を読むことで進展する。「シーフォール」や「裏切り者レガシー」と似た感じだ。

 もちろん追加内容物や、ルールやカードに貼って修正するシールもある。だがここはちょっと残念なことに、「パンデミックレガシー」のシールシートや小箱のように必要なものだけ取り出せるようにはなっていない。シールもカードも(その他の追加内容物も)まとめてしまわれているところから指示されたものを取りだして使うようになってるので、ネタバレを厳密に避けるためには薄目で探すスキルが必要だw

 キャンペーンを記録するミッションレポートにはゲーム10まで書きこむところがあるが、ルールには「“最低”10回プレイする」と意味深なことが書かれている。何が起こるのか、ゲーム10に到達するのが楽しみだ(まだ1回もプレイしていないが)。





 「クランク! レガシー」の名を冠して、これら2つのキャラクターパックも発売されている。先に少し触れた「Acquisitions Incorporated」のセッション配信で使われているキャラで、初期デックのカード数枚が差し替えられ、唯一無二のものとなっている。だが、「クランク! レガシー」と同時に購入することを考えているならちょっと注意が必要だ。何しろ箱に「クランク! レガシー」とでかでかと書かれてるくせに、キャンペーンが終わるまでは使わないことが推奨されてるからね! 無印「クランク!」ではすぐにでも使うことができるので、そのつもりで買うなら問題ない。

 気になるキャンペーン後のプレイの可否だが、「クランク! レガシー」は終了後も通常の「クランク!」としてプレイできるタイプ。一部の用語を読み換えたり、レガシーのマップ特有の要素を参照するカードを抜いたりすれば、レガシーのカードを使って他の「クランク!」のマップで遊ぶことも(カードを混ぜて使うことさえ)可能だ。つまり購入をためらう理由は何もないということだ。「クランク!」ファンなら絶対外さないよ。

BGGの和訳ルール

解凍パスワード

ゲーム1、および最初のゲーム以降で必要になる全要素の和訳(パス付きzip)

上級管理職パックルール  カードシール

“C”チームパックルール  カードシール







Last updated  2020.05.07 19:58:04
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2020.04.27
カテゴリ:和訳

ボックスアート


 春の「赤竜亭」シリーズ紹介強化運動の最後を飾るのはこの寄せ集めボックス。原題の“Smorgasbox”はスウェーデン語を語源とする“smorgasbord”のもじりで、意味はバイキング料理。今はビュッフェと言う方が通りがいいかもしれないが、そんなおしゃれなイメージではなく、家庭や飲み屋なんかで雑多な料理をテーブル一杯に並べる感じのようだ。その名の通り、本作は今までの単体キャラ拡張や2キャラ拡張とは異なり、少し大きめの(ぶっちゃけ中途半端な大きさw)箱にさまざまな要素がごちゃ混ぜになっている。



 一番驚きなのは、かつて単品で発売されていた「The Red Dragon Inn: Gambling? I'm In!(邦題は「レッドドラゴンイン拡張 ギャンブルゲームの手引き」)」がまるまる入ってるってところ。これは「赤竜亭」の世界で遊ばれているカードゲームという設定の、「赤竜亭」自体とはまったく違うカードゲームセットで、なんと15種類のゲームが遊べる。しかもそのうち5種類は、特殊ルールを追加して「赤竜亭」内で賭博の代わりに遊ぶこともできる(たぶんすごい短時間で終わるんだろう)。旧版のカードは単色刷だったが、今回は↑の通りフルカラーなので完全上位互換だ。残念ながらルールが44ページもあって手をつけてられないので詳細は割愛。



 こちらは「赤竜亭」のスピンオフ作品である「グレイポート防衛戦」用の追加カード。プレイヤーキャラとしてコックのロクサーナが追加される。



 その「赤竜亭」の料理長、“冒険好きの”ロクサーナが本作のメインだ。酒場で毎日冒険者をあしらってるだけあって、防御・反撃・対いかさまカードがやや多いかな。そして一部のカードには、↑のように左下に食材アイコンがある。これらはプレイすると捨て札にならず、プレイヤーマットの上側に置かれて食材となる。


 で、各手番開始時に1枚、専用のデックからレシピカードが公開される(前ラウンドから残ってる場合はどちらかを選ぶので、最大1枚しか公開されない)。↑左は「コカトリスの丸焼き」、右は「ファイア・サラマンダーのフランベ」だ。焼きすぎだろw

 ロクサーナはこのレシピのコスト(右上)を支払ってこれらの料理を作ることができ、作った料理は手札となる。手札のレシピカードは通常のカードとまったく同じ扱いになり(つまり使って捨て札になってもリシャッフル後に戻ってくる)、どれも強力な効果を持っているので、プレイが長引いて多くの料理を作るほどロクサーナに有利になるだろう。


 たまには貯めこんだ食材とレシピがなかなかかみ合わないこともあるかもしれない。食材カードは使わない限り戻ってこないので、あまり貯めこみすぎるとデックが腐ることもある。そんなときのため、ロクサーナはレシピカードの他にバイキング料理タイルも持っている。これは常に(そして何度でも)使えるレシピみたいなもので、任意の食材を3つ払えばデックからカードを1枚引くことができる。有用なカードが長いあいだ食材のままになってる場合、これを使って捨て札にすることも考えるべきだろう。



 最後に、先日紹介した「赤竜亭の仲間たち:スパイク&フラワー」で導入された2人プレイ専用ボット、オットーの職業カードがさらに4種類追加された。今回増えたのは吟遊詩人、呪い師、機械好き、聖騎士。いずれ他のキャラの職業もどんどん追加されていくだろう。



 これで現在までに発売されているすべてのセットを紹介し終えたが、むろんこれで終わりではない。情勢が落ち着けばすぐにでも次の拡張、「赤竜亭の仲間たち:パイパー対リップスナール」が出るだろうし、栄えある50キャラ目となる「赤竜亭の仲間たち:邪悪なプーキー」も予約受付中だ。オレたちはようやくのぼりはじめたばかりだからな……このはてしなく遠い「赤竜亭」坂をよ……!

BGGの和訳ルール







Last updated  2020.04.27 10:13:07
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2020.04.22
カテゴリ:和訳

ボックスアート


 春の「赤竜亭」シリーズ紹介強化運動第3弾。タイトルに“対(vs.)”と入ってることから分かるように、2人のキャラのうち1人はボスカードを持ってる悪漢だ。



 1人目はグレイポート(「赤竜亭」がある町の名前)の大神殿における最高位の僧侶、オハヴァ。エルフのお婆ちゃんなので、大半の冒険者が生まれる前から大僧侶だった。この世界では“すべての母”と呼ばれる主神のリーンと、その4人の子供たちが信仰の対象になっているが、この4柱の神々がしょっちゅう機嫌よくなったり悪くなったりする(多神教の神様はだいたいそうだが)。この神々のご機嫌を保つのがオハヴァの主な仕事であり、それに成功すると主神リーンから恩恵を得ることができる。


 オハヴァのカードの多くには、このように1柱の神に対応したアイコンが左下にある(同じ効果のカードでも異なる神に対応しているものが何枚かある)。これらをプレイすると、対応する神の機嫌が“変わる”。よくなるのではなく変わるので、機嫌が悪かった場合はよくなるが、よかった場合は悪くなってしまう。なお、このカードは「私たちは高齢者割引を受けられるんじゃないかしら?」というもので、自分の金の代わりに赤竜亭の金を使って支払いを行える。聖職者が言っていい台詞じゃねーw


 神々の機嫌はこれらの4枚のカードで管理する。このカラフルな面が表向きになっていると機嫌よし。裏向き(モノクロ)になってると機嫌悪しとなる。4柱のうち3柱が機嫌よくなっていると、オハヴァの手札上限が1枚増える。4柱すべて機嫌よくなっていると、オハヴァのカードの数値的効果(「気力を1減らす」とか)が“全部”+1される。この状態を維持できれば相当強いが、まあたいていのカードをプレイするたびに機嫌が変わってしまうのでなかなか難しいだろう。


 多くの神の機嫌をよくしておくのは難しいが、これらの4枚は特定の1柱の機嫌さえよければ追加効果を得ることができる(その結果として、必ずその神の機嫌が悪くなってしまうけど)。多くの神をうまくコントロールして前述のボーナスを狙うか、神々の機嫌を順番に操ってこれらのカードを適宜使っていくかで戦術も変わってくるだろう。



 2人目は“祝福された者”マーガス。なんか善玉っぽい二つ名だが、ボスカードを持つれっきとした悪漢だ。善人である英雄が呪いのアイテムを装備して外せなくなり、大変な目に遭うという物語はよくあるが、マーガスはその逆。悪党である彼はうっかり聖剣ベインフォールを手にしてしまい、“祝福されて”外せなくなってしまったのだ……そんな馬鹿なw



 マーガスのカードの例。左の「ハッ! それがお前の全力か?」は反撃で4ダメ与える。真ん中のカードは普通に4ダメ与える。右のカードは2人までのプレイヤーに3ダメ与える。もう恐ろしく強い。これらはボスカードではなく通常カードだということを考えるととんでもない。これまでの火力最強だったゴグをはるかに上回っている。

 これだけじゃただのバランスブレイカーだが(デザイナーがバランスを考えてるかどうかは怪しいところだが)、これらのカードを含めて、マーガスのカードのほぼすべてには「こうして気力を減らしたプレイヤーは祝福を1枚得る」などと書かれている。要するにマーガスが攻撃した相手を少しでも助けようとして、聖剣ベインフォールが祝福を授けてくれるのだ。



 祝福の例。左は標的に3ダメ与えて別の祝福も与える「力の祝福」。真ん中は1金を得る「富の祝福」。右は2点回復する「健康の祝福」。なお「力の祝福」のように左上にハートマークがあるものは、特殊効果の代わりにこのハートを使ってダメージを回復させることもできる。ちょっとマーガスの火力に対して祝福の効果が弱いようにも見えるが、マーガスは他のキャラなら普通にできること(賭博ラウンドを無視したり、お酒を他のキャラと分け合ったり)でも祝福を与えなければならないので、かなりの枚数をばらまくことになる。



 なお、イラストから分かるように聖剣ベインフォールには女性型の精霊が取り憑いており、意思を持っていて会話もできる。カード名のフォントが異なっているものはベインフォールの台詞ということだ。賭博中のいかさまを許さないベインフォール。マーガスととっくみあいの喧嘩をして賭博を無視するベインフォール。邪悪アレルギーでくしゃみをするベインフォール……くそ、かわいいなw


 マーガスのボスカードからも1枚。「悪事で何より大切なこと:弱点に……そして聖なる剣に近づかないこと」だそうだ。いやそれで困るのあんただけだよw



 今回の景品は「薔薇色の眼鏡」。次に自分のキャラクターカードを引くとき、追加で3枚引けるという優れもの。



 連続で紹介しているとまとめで書くこともなくなってくるが、「赤竜亭6」のボス戦ルールで使えるキャラが増えるんだから買わない理由はない。いつも通りマストバイだ。

BGGの和訳ルール







Last updated  2020.04.22 20:10:04
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2020.04.20
カテゴリ:和訳

ボックスアート


 春の「赤竜亭」シリーズ紹介強化運動第2弾はこちら、初のスタンドアローンミニ拡張となる「スパイク&フラワー」だ。キャラクターは2人しかいないが、スタンドアローンなのでドリンクデックも同梱されており、これだけ買えば「赤竜亭」2人プレイができる。また、これは他のゲームとの初のコラボ作品でもある。

 私と同じくらいに元ゲーについて知らない人に軽く説明すると、「マンチキン」とはスティーブジャクソンゲームズから発売されてる人気カードゲームだ(いっぱい拡張とかスピンオフ作品とか出てるから人気なんだろう)。デザイナーはもちろん、テーブルトークRPG「GURPS」を作ったスティーブ・ジャクソン。タイトルの“マンチキン”とは、TRPGの本場アメリカでは「自分のPCが有利になるように周囲にワガママをがなりたてる、聞き分けのない子供のようなプレイヤー。『オズの魔法使い』シリーズに登場する小人国およびその住人の名に由来している」を指すそうだ(wikipediaより)。ゲームはこのプレイスタイルをモチーフにしており、あらゆる手段を使って自キャラを強化し、他プレイヤーの足を引っ張って(パーティーメンバーなのにw)勝利を目指す内容になっているらしい。ずいぶん前に日本語版も出てたが、たぶん今は絶版でプレミア価格になってる。おそらくそんな高値を払ってまでやるようなゲームじゃないがw

 で、おそらくそのゲームに登場するキャラクターがこのスパイクとフラワーだ。この2人は当然マンチキンなので、手に入れた財宝(後述)を装備してどんどん強くなっていくし、もちろん博打でいかさまもするw



 スパイクのカードの例。なおマンチキンに必要なのは強さだけであって個性は必要ないので、ルールブックにも箱裏にもキャラ解説はないw 集めた財宝を使って要塞を作って身を守ったり、他プレイヤーに殴られた仕返しをするために財宝を得たり、とにかく財宝を2枚引いて1枚得たりする。火力とズルで言ったら火力寄り。



 フラワーのカードの例。拾った斧で殴ったり、クロスボウで撃ったり、金をふんだくったりする。真ん中のカードは後述するレベル依存カードで、レベルが上がるほど効果が高くなる。これだけ見るとガチ脳筋だが、どちらかと言えばズル寄りで、反撃したりする対抗カードもやや多めだ。



 そしてこれが2人の生命線、財宝カードの例。財宝デックはスパイクとフラワーの2人で共有して使う。前述のスパイクのすべてのカードや、フラワーの右のカードなどをプレイすると「財宝を得る」と指示され、このデックから1枚公開して得ることができる……が、なんとこいつら、そんなカードを使わなくても各手番開始時にも1枚得ることができるので、もうがんがん強くなっていくw ただし装備部位(頭とか足とか胴体とか)ごとに1つ(手には片手装備2つか両手装備1つ)しか持てないし、↑の真ん中のカードのように「呪い」カードを引くとろくなことが起こらないので注意が必要だ(注意してもどうしようもないが)。

 もちろん、これらの装備カードの多くには特殊能力がついてるが、↑の左や右のカードのように何もないのもある。これらはまったく無意味かというとそうではなく、右下の数値の分だけ装備したキャラのレベルが上がる。2人のキャラカードの中には、フラワーの真ん中のカードのように自分のレベルに応じて追加効果が発生したり、基本効果が強化されたりするものが多くある。フル装備のスパイクとフラワーは「赤竜亭3」のゴグの火力に加えて特殊能力を使ってくるので手に負えないw





 これはこのセットに含まれてる景品「酔った勢いの護符」。次に飲んだドリンクのアルコール量のうち3までを気力に変換するという優れもの。





 本作はコラボ作品なので、「マンチキン」側でも「赤竜亭」キャラを使った「Munchkin: The Red Dragon Inn」という拡張が発売されてる。これはそれに含まれてる「赤竜亭」用のプロモ景品「六本指の手袋」。次の手札補充フェイズ中だけ手札上限が+2される。これも充分に有用だ。



 最後に、本作では2人プレイに一味添えるNPCとして、ウィズジルとレンチが作った自動人形「オットー」が追加された。



 こんな感じの戦士、盗賊、僧侶、魔術師に分かれたカードが5枚ずつあり、ゲームごとにそのうち2職業分を使ってオットーデックを作る。で、オットーのアクション時や賭博ラウンド中の手番時や攻撃の的になったときなどに1枚公開し、対応するボックス内の指示に従う。正直言って、私はどんなゲームでもNPC入れてゲームする気になれないのでこれにもあまり興味はないが、そうでない人は試してみるのもいいだろう。なおルールにもあるとおり、「赤竜亭」はオットー抜きの2人プレイでもまったく問題なく機能する。



 キャラデザの方向性も全然違うし、元ゲーの「マンチキン」を知らないとちょっと手を出しづらいかもしれない。カード名も英語のだじゃれが多くて超翻訳しづらいしな(“ass(ケツの穴)”と“arsenal(武器庫)”をかけてたりするし、↑のフラワーのカードでも“axe(斧)”と“ask(尋ねる)”がたぶんかかってる)。でも「赤竜亭」を好んでやるようなゲーマーにはTRPG経験者も多いだろう。そしてマンチキンなプレイヤーに会ったこともあるはずだ(あるいは自身がマンチキンだったとか)。そんなTRPGあるあるネタを笑える人ならこの拡張もマストバイだ。

BGGの和訳ルール








Last updated  2020.04.20 20:08:32
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2020.04.17
カテゴリ:和訳

ボックスアート


 全国1億2千万人の「赤竜亭」ファンのみんなー!

 待たせたな!

 「赤竜亭」(2007年)、「赤竜亭2」(2008年)、「赤竜亭3」(2011年)、「赤竜亭4」(2013年)、「赤竜亭5」(2015年)、「赤竜亭6」(2017年)に続く第7弾。ストレージボックス兼用の「赤竜亭5」を除き、海賊(赤竜亭4)、悪漢(赤竜亭6)ときて、今度は「赤竜亭」そのものの従業員たちにスポットライトを当ててきた。

 夜も更けて、冒険者たちもようやく酔っ払って(あるいはすかんぴんになって)全員いなくなり、「赤竜亭」は本日看板。片付けと仕込みが終わって、一息つくときにやることは……酒をついでダイスを握り、冒険者どもから巻き上げた金を賭けての博打だ! つまりいつも通りだw

 さて、もうボードゲーマーなら基本システムは知ってるに決まってるので割愛して、各キャラを簡単に紹介する。


 ついに登場した「赤竜亭」の主人、ドワーフのウォーソーン・レッドベアード(レッドベアードは“赤ひげ”というあだ名かもしれないが、この書き方だと名字かなあ)。“Warthorn”は“ウォー・ソーン”と発音するが、初見の客が“ウォート・ホーン(こぶのついた角)”と発音するとおもしろがって大笑いする……という、実に翻訳者泣かせの設定があるw 元冒険者でいろんなことを知っており、そんな昔話をするのが何より好きという、まあ現実にもけっこういるめんどくさいお爺ちゃんだw



 カードの例。全体的な方向性は、同じドワーフだけあって「赤竜亭2」のディムリに似ているが、これらのカードのように右下にパイプアイコンがあるカードをプレイした場合、追加で専用の物語カードデックからカードを1枚引き、その効果も合わせて適用することになる。



 物語カードの例。「赤竜亭」の厨房が爆発したときの話をすると、ちょっと実演しすぎてダメージを与えることができるが、自分も少し巻き込まれる。グレイポートの歴史を一晩中話すとのどが渇いて酒を飲むことになり、自分のアルコール量が増えてしまう。つきあわされる方もうんざりだがw 棚卸しの話をすると(誰も聞いてないが)どこかに落ちてた1金を拾える。酒の席でそんな話するなよw




 馬丁のモリー。ハーフリング。客が乗ってきた動物の世話をするというのは「赤竜亭」では比較的堅実な仕事だ……冒険者が乗ってくるのが馬だけならw 残念ながら、知性の高い乗騎たちはおとなしく馬小屋につながれてなどくれず、普通に「赤竜亭」に入ってきて暴れ回ってしまうw



 カードの例。こちらも全体的な方向性は同族である「赤竜亭」のゲルキに似ているが、各手番開始時に馬小屋から乗騎が1頭ずつ脱走して「赤竜亭」に入ってくる(最大3頭まで)。また、右下に蹄鉄アイコンがあるカードをプレイしたときにも入ってくる。



 乗騎カードの例。登場しているあいだは手札を捨てて気力を回復したり、プレイしたカードの数値的効果を増やしたりとさまざまな使い道があるのだが、たとえばこのユニコーンとナイトメアは犬猿の仲なので、両方同時に登場した場合、あとから来た方のライバル効果(ろくでもないのしかない)が発動してどちらかがいなくなってしまう。なおプーキーにとって他の乗騎は餌と同義なので、プーキーが登場すると全乗騎がいなくなるw




 用心棒のジャスパー。引退した元冒険者の魔術師だが、ちょいちょい腕力にも訴えてくるじいさん。日本一有名なボドゲ住職にちょっと似てると思うのは私だけだろうかw



 カードの例。最近の各「赤竜亭」セットに1人はいる初心者用のプレーンタイプキャラで、追加デックを持たない。しかし真ん中の「お前さんには新鮮な空気が必要なようじゃ」では、他プレイヤー1人の次の手番開始時まで、2人とも一時的にゲームから離脱することができる。アストロンみたいなもんだなw ぎりぎりの攻防下での時間稼ぎはときに戦局を左右するので、使いどころによっては切り札になり得るだろう。




 最後に女中。そう、みんなのアイドル女中さんがついにプレイヤーキャラに!


 こちら、「赤竜亭」のディアドラのデックにいたころの女中さん。



 こちらが本作の女中さん……
君なんか写真と(いい意味で)違わない?

 どちらかというと腕力型で、「赤竜亭」のフィオナに似てるが、さすがに本職の戦士より多少弱い。ではただの劣化キャラかというともちろんそんなことはなく、↑の左と真ん中のようなカードをプレイしたとき、女中さんは戸棚に隠していたとっておきのお酒を出してきて飲ませてくれるのだ!(大迷惑)



 秘蔵のドリンクの例。左は飲んだあとで捨て札にならずに手元に残り、追加効果を発動させることができるエリクサーのうちの1本。真ん中はどっかで見たことのあるエナジービールw そして右はついに登場、チェイサー付きのドラゴン・ブレス・エールだ! 秘蔵のドリンクは常に「飲んで!」デックの一番上にあり続けるという特殊ルールがあるので、チェイサー付きドリンクの威力が半端ない。対処しなければあっという間に酔いつぶれることになるだろう。



 そして本作から(正確にはスピンオフ作品の「赤竜亭:スパイク&フラワー」の方が先かもしれないが)、博打をさらに面白くする選択ルールとして景品カードが用意された。博打で勝ったプレイヤーは賭け金だけでなく、そのとき賭けられた景品も得ることができるというものだ。もちろん各景品には役に立つ特殊効果がついてる。



 「赤竜亭7」に同梱されてる景品はこの「吸収性タオル」。次にドリンクを無視したとき、そのドリンクを捨て札にする代わりに、任意の他プレイヤーの「飲んで!」デックに加えて混ぜることができる。さすがに景品の効果は非常に小さいが(そうでないと博打系キャラが強くなり過ぎちゃうからね)、アクセントにはなるだろう。また、こいつに限っては、女中の秘蔵のドリンクを無視したときに使うと(相手の「飲んで!」デックに混ぜるのではなく、一番上に置くことになるので)かなり強力だ。


 さすがにシリーズもここまで続くと独自メカニズムを追加し続けるのは難しいようで、デックの名前こそ変わってるが、ほぼ既存のシステムの流用と言っていいものばかりだ。だがそんなことはどうでもいい。「赤竜亭」ワールドに新キャラが追加される……それだけでマストバイだ。つーか2018年に出てるから当然みんなもう買ってるわな。まだまだ拡張は出続けてるし、みんなどこまでもついて行こうぜ!

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Last updated  2020.04.17 09:51:22
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2018.04.15
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ボックスアート


 右下に燦然と輝く10周年記念表記……え、10年? もうそんなになるのか。「ホームステッダーズ」も10周年版が出るし、月日の経つのは早いのう……。

 「赤竜亭」(2007年)、「赤竜亭2」(2008年)、「赤竜亭3」(2011年)、「赤竜亭4」(2013年)、「赤竜亭5」(2015年)に続く第6弾。超大箱でストレージボックスを兼ねていた「赤竜亭5」を除き、「赤竜亭4」からは収録キャラにテーマを持たせる方向で行くつもりなのかな。「赤竜亭4」では、プレイヤーは「クリムゾン・ドレイク」号の船員となり、海を渡ってるあいだに船室で酒盛りしてた。この「赤竜亭6」では、プレイヤーはなんと冒険で倒される側の悪漢となり、グレイポート(「赤竜亭」シリーズの舞台である都市)の地下墓地にある「黒竜の奈落(Black Dragon Depth)」で酒盛りし、博打を打ち、喧嘩することになる……つまりやることは一緒だw

 ↑のボックスアートで卓を囲んでいるのがプレイヤーキャラ。中央奥で酒を運んでいるのが、いつも通りゲーム中最強の女中だ。まあゴルゴーン相手じゃそうそう悪さもできんなw



 この女中さん、キックスターターで出資募集してたときのコンテストでファンによって選ばれた。この中からならゴルゴーンかなあ……1人だけトーン貼ってあるしw

 さて、この「赤竜亭6」では新たな選択ルールがいくつか導入されているが、まずは熱烈な「赤竜亭」マニア(つまりすべてのボードゲーマー)向けに各キャラを簡単に紹介する。


 “精神破壊者”ダーレカ。種族はディープワンだが、この世界ではタコ人間みたいな感じらしく、ときどき墨を吐く。特殊ルールは何もないが、他人の心を読んだり、操ったりする能力を持っており、他プレイヤーのカードを見たり、破棄させたり、さらには自分のために使わせたりすることができる。方向性としては「赤竜亭2」のイブに近いが、彼女よりさらにユニークなカードが多い。



 カードの例。他プレイヤーのカードで博打を打ったり、他プレイヤーの気力を減らした上で、そのプレイヤーの手札からアクションカードを捨て札にさせることができたらまた別のプレイヤーの気力を減らしたり。やりたい放題w ところで、先日紹介したリッチキングを含め、悪漢キャラは全員が「悪事で何より大切なこと:」で始まるカードを持っており、それぞれが格言めいたことを述べている。リッチキングは「一番大きな呪文書を持つ」だったが、ダーレカは「脳は筋肉より強し」だ。



 ヴラズロ男爵。見ての通りの吸血鬼で、種族は人間。ヴラズロは最初にキャラクターカードを30枚しか持っておらず(通常は40枚)、その効果もあまりぱっとしないが、それとは別に、それぞれカード8枚からなるコウモリデックとオオカミデック(および、通常ゲームでは使わない怪物デック)を持っている。ヴラズロのカードの中には、プレイすると通常の効果に加えて血液トークンをもたらすものがある。手番開始時にいらないカードを捨て札にしたあと、新たなカードを引く前に、ヴラズロはこの血液トークンを支払ってコウモリカードやオオカミカードを手札に加えることができる。いったん獲得したカードは、以降は通常のキャラクターカードと同じように扱われる。



 カードの例。左上がコウモリカードで、下段左が怪物カード、右がオオカミカード。この画像では分からないと思うが、効果欄の地にうっすらとコウモリ、オオカミ、怪物が描かれてる(裏面でも見分けられる)。カードをプレイしたとき、そのカードの右下に示されてる数の血液トークンを得ることができる。上段中央のカードのように、プレイするときに血液トークンが必要になるものもある。ヴラズロにとって「悪事で何より大切なこと」は「空腹のまま戦わない」。

 コウモリカードには打ち消し/無視/賭博回避/支払い回避系が多く、逆にオオカミカードには他プレイヤーの気力を減らすものが多い。つまり、対戦相手や自分の状況によってキャラクターデックの中身を最適化できるわけだ。ついに「赤竜亭」にもデック構築の波がw



 呪われたアムンディ。エルフのマミー。何しろマミーなのでしわくちゃ(つーか骨と皮だけ)だが、たまにどこかから生気を吸い取っては往年の美しさをよみがえらせている。エルフが非常に長寿であることを考慮すると、薄目で見ればロリババアと言っていいのではなかろうか(どうでもいい)。

 アムンディはカード効果によって他プレイヤーにスカラベトークンを与えることができる。手番開始時にスカラベトークンを持っているプレイヤー(アムンディ自身を除く)は、アムンディにトークンを1枚返して気力を1失わなければならない。これはアクションカードによる効果と見なされるので、軽減/無視することができる(反撃はできない)。これだけ見るとあまり強くなさそうだが……何しろ「スカラベトークンを与える」効果を持つカードが尋常じゃなく多い! もうほとんど何をしてもばらまく感じ。ダメージを与えてはスカラベを与え、いかさましてはスカラベを与え、いかさまを見破ってはスカラベを与え……もうそこら中スカラベだらけw 遅延効果とはいえ、何をしても気力を1減らす効果がついてくると思うと相当強いな。



 カードの例。くしゃみをして全員にスカラベをばらまくのはもうホントにひどいw そしてもちろん、通常の効果とは別に、スカラベを持ってるプレイヤーにダメージを与えるカード効果もある。アムンディにとって「悪事で何より大切なこと」は「敵の防御を弱める」。



 最後にトーグレスナーフ・ダンクルトン。以前紹介した「赤竜亭:グレイポート防衛戦」にもボスキャラとして登場したゴブリンの王(自称)だ。この僭称している地位をどうやって守っているかというと、金をばらまいているのだw 今までいそうでいなかった、複数のパラメータを1つのパラメータで代用する系。「ガイアプロジェクト」でいうハッシュ・ホラ人。最初の所持金が2金多く、金さえあれば(そしてもちろんカードさえあれば)ダメージも酒も無視できるし、他プレイヤーの気力も減らせる。これだけだとあっという間に金が尽きて負けそうだが、支払いを無視したり、金を得たりするカードも豊富にある。

 また、トーグレスナーフは特殊な手下カードというものを持っている。これはプレイすると手元に残り、常動効果か、アクションフェイズごとに1回使える効果を持っている。後者の能力はキートのアーティファクトなどとは異なり、手番中にプレイした通常のアクションカードに加えて発動させることができるので、もうこれだけで破格に強い。ただし、手下はダメージを受けるたびに賃金を要求し、支払えない(または支払わない)と捨て札になってしまう。手下は範囲攻撃に巻き込まれるので、ずらりと並べてぶいぶいいわせてるときにアムンディがくしゃみしたりすると、それだけで10金近い支払いが発生して血反吐を吐くことになりかねないw



 カードの例。右のカードでは1金払えば2点、2金払えばなんと4点の気力を回復できる。左の「用心棒 ブリックス」は手番ごとに他プレイヤー1人の気力を2減らすことができるが、ダメージを受けるたびに2金の支払いを要求してくる。トーグレスナーフにとって「悪事で何より大切なこと」は「トロールを雇う」。身も蓋もないw


 続いて選択ルールを紹介しよう。1つ目はダンジョンイベント。これは「赤竜亭4」で追加された海イベントと本質的には同じもので、数手番ごとに1回ダンジョンイベントカードが公開され、それを適用するというもの。



 ダンジョンイベントカードの例。上の「意志力比べ」では全プレイヤーがアルコール量を賭けて競りをし、落札者はその分だけアルコール量を増やさなければならないが、手札が9枚になるまで補充することができる。下の「にらめっこ」では、各プレイヤーは1金を支払ってアルコール量を2減らすか、手札を山札の上に戻して“ゲーム外”にいる扱いになることができる。石化したってことだなw

 望むなら、このダンジョンイベントと海イベントを両方採用してプレイすることもできる(「赤竜亭5」のヨランのテレポート魔法が暴発したって設定らしいw)。両方を混ぜるのではなく、それぞれ独立したデックとして使うので、にらめっこしているあいだにリヴァイアサンに襲われたりする。カオスw


 そしてチーム戦ルール。各チーム内で気力とアルコール量を共有して、他チームと戦うことになる。この中にさらにいくつかヴァリアントがあり、「二頭のドラゴン」は一般的なペア戦だが、「ボス戦」は一対多戦になる。このとき、ボス側はボスカード(カード名の左右にドラゴンが描かれている強力カード)をデックに入れて使うことができる。ボスは手札枚数も増え、プレイできるアクションカードの枚数も増えるが、それでも多人数を相手に勝つのはなかなか難しいだろう。

 そのほか、ボスカード入りデックを使うプレイヤー1人+通常デックを使うプレイヤー1人でペアを組む「リーダーと追従者」、チーム戦ではなく、全員がボスカード入りデックを使って通常通りにプレイする「ボス対ボス」などがある。ボスカードはとにかく強力なので、激しい応酬を楽しみたいプレイヤーにお勧めだ。

 長々と紹介したが、まあ理由はどうでもいい。マストバイだ。すでに「赤竜亭7」(今度は酒場の従業員が閉店後に騒ぐ)や、スティーブジャクソンゲームズの「マンチキン」シリーズとコラボした「赤竜亭の仲間たち:スパイクとフラワー」も発売が決まっている。みんなどこまでもついて行こうぜ!

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Last updated  2018.04.27 12:38:36
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2018.04.14
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ボックスアート




 SlugFest Gamesの看板ゲーム……というか、もうこれ一本でやってく気満々の「赤竜亭」シリーズのミニ拡張。これまでのキャラ単体拡張は1セット1キャラで販売してたが、さすがにコスパが悪く、おそらくは熱心なファンからも文句が出たのだろう。これ以降は1セット2キャラでいくようだ。あくまでミニ拡張なのでドリンクデックは同梱されておらず、プレイするには「赤竜亭」1~5のいずれかが必要なのは変わらない。

 「赤竜亭」がどんなゲームかは、田中よしひさ先生による記事を見てもらうのが一番分かりやすかったのだが、残念ながらウェブ上から消滅したようだ。幸い日本語版もすでに2まで出ており、3の発売も決定してるので、ググれば詳しく説明してるところがたくさんヒットする。詳細はそれらを参照していただくとして、ここでは熱烈な「赤竜亭」マニア(つまりすべてのボードゲーマー)向けに各キャラを簡単に紹介する。


 まずは「キートとニトレル」。2人は兄妹で、キートが兄、ニトレルが妹。緑の肌から分かるように人間ではなく、種族はゴブリン。「なんでゴブリンがプレイヤーキャラクターなんだよw」などと思うのは「赤竜亭」の素人。これまですでにハーフオーガ、トロール、オーク、ダークエルフ、コボルド(この世界では竜人を指す)が登場してるので、むしろ遅すぎるくらいだw 2人は共に世界中の遺跡を渡り歩き、遺物を見つけて生計を立てている。

 アーティファクトを見つけ、管理するのはキートの仕事。ゲーム開始時、キートは金貨を一切持たず、本来持つべき金貨の枚数(通常は10枚)に等しい枚数のアーティファクトカードを裏向きでランダムに引いて持つ。まだ鑑定してないので、どんなアーティファクトかは自分にも分からないというわけだ。で、金貨をやりとりする必要があるとき、キートは代わりにアーティファクトカードをやりとりする。「赤竜亭」に支払った場合は基本的に捨て札になるだけだが、他プレイヤーに裏向きのアーティファクトを支払った場合、それは表向きとなり、即時効果や常動効果が発動する。また、受け取ったプレイヤーもそのアーティファクトを金貨として使うことができる。



 キートのキャラクターカードの例。このような「アーティファクトを1つ公開する」と書かれているカードをプレイすれば、まだ手元にある裏向きのアーティファクトを表向きにしてその効果を発動させることができる。それ以外の能力は平均的(むしろやや弱め)なので、できるだけ早くアーティファクトを発動させたいところだが……。



 アーティファクトの例。なにせ古代の遺物なので、そりゃ呪われてるものもたくさんあるよねw 左端の「輝く酩酊の宝石」を持っていると、ドリンクから得るアルコール量が常に1増える。右端の「呪われた破滅の偶像」を持っていると、気力を減らすときの減少量が常に1増える。両方持ってたら、まああっという間だわなw 真ん中の「サソリのブローチ」は当たりの部類で、アクションとして他プレイヤー1人の気力を3減らすことができる。残念ながらこの手のアーティファクトは使い捨てなので、使うことは1金を失うことと同義だが、強烈な効果を持つものが多く、勝利の決め手となることもあるだろう。

 「負の効果を持つアーティファクトを1金としてやりとりできる」ため、キートがいるとゲームががらっと変わる。何せ博打に勝ったり、他プレイヤーから金を巻き上げることにリスクがつきまとうからね(どのアーティファクトを支払うかは払う側が決めるのだ)。しかもアーティファクトは18枚あり、各ゲームではその半分ちょいしか使わないから、その組み合わせによっても大きく展開が変わるだろう。


 じゃあニトレルは遺跡発掘において何をするのかと言うと、爆弾で壁やら床やらを吹っ飛ばして進路を切り開くw カード裏面には「Sapper(地雷工兵)」と書かれてるが、軍属というわけではなさそうだし、どちらかというと爆弾魔の方が近いなw


 ご想像の通り、爆弾カードをたっぷり持ってゲームを開始する。このように「そのプレイヤーは爆弾を1つ得る」と書かれてるカードをプレイして、対象プレイヤーに爆弾カードを渡してその効果を即座に適用する。何せ爆弾なので十中八九ダメージを受けることになるが、中にはニトレルにもダメージを与えるものもある。幸い、爆弾なので1回爆発したら捨て札になる。



 爆弾カードの例。3ダメージを受けるか、カードを捨て札にしてそのダメージを軽減できる「三頭のヒドラ」、相手とニトレルが2ダメージずつ受ける「ゴブリンの蝋燭」、3ダメージを受けるか、1金払って他プレイヤーに押しつけることができる「轟音の壺」……実に迷惑千万。たまにこの爆弾が賭け金に混ざることもあるので、ほんとしゃれにならないw

 火力特化の強さを持っていると言えるが、爆弾はニトレルによるアクションと同様に扱われるので、結構打ち消したり無視したりできる。なにより反撃される可能性があるのには注意が必要だろう。


 続いて「アドニス対リッチキング」。“対”となってるが、別に二者のあいだに強い因縁があるわけではなく、単に善玉キャラと悪玉キャラがセットになってるという程度の意味のようだ。

 アドニスの二つ名は“素晴らしき”(自称)であり、世紀の吟遊詩人(自称)だ。吟遊詩人キャラといえば、すでに「赤竜亭2」でハーフエルフのフレックが登場しているが、こちらは筋骨隆々の人間。吟遊詩人なので、どちらもうぬぼれ屋なのは同じだけどねw



 アドニスは竪琴、縦笛、太鼓の3枚の楽器トークンを持っており、これらを使うことでカード効果を高めることができる。上が正常面で、下が壊れている面。



 アドニスのカードの例。左端の「この波打つ筋肉はただの飾りではないぞ!」は反撃系カードで、通常は相手の気力を1減らすが、何らかの楽器を1つ壊すと気力を3減らすことができる。楽器でぶん殴るわけだな……それが吟遊詩人のやることかw 逆に右端の「リズミカルな連打」は他の各プレイヤーの気力を1減らすが、壊れていない太鼓を持っていれば2減らすことができる。このように壊れていない楽器を持っていると効果が上がるものもあるので、どのタイミングでどの楽器を壊すかの判断を迫られることになるだろう(壊れた楽器を新品に交換するカードもあるが、枚数は少ない)。


 そしてリッチキング。さすがにいいわけのできない、完全に邪悪なモンスター的存在。こんなのが酒飲みに来るんだからすげえ世界観だよw

 このリッチキング、半不死のくせに気力が最大で13しかない。その代わり、プレイヤーマット上に指トークンを5本置いてゲームを開始する。リッチキングは自分の片手を切り落としており(と言ってもすでに骨だけになってるが)、その手の方に自分の生命力とか魂みたいなものの大半を封じているので、実はこの手の方が本体なのだ。



 で、気力やアルコール量に影響を与えるようなカードがプレイされたとき、リッチキングはこんなふうに指を1本外し、その効果を無視することができる。いつでも使える無視系カードを5枚持ってるようなもんだから、これは相当強い。ただし、無視効果を持つ「特定」カードをプレイしたと見なされるので、「そんなはずはない!」みたいなカードでさらに打ち消されることもあるから注意が必要だ。

 また、指輪をはめている3本の指は1金として使うこともできる。まだつながってる指を1金として支払ってしまうと、無視効果が使えなくなって損なので、無視効果を使うときは指輪をはめてる指から外すのがいいだろう(外した指も、指輪をはめているものは1金として使える)。



 そして当然、つながっている/外している指の本数に応じて効果が変わるカードが何枚もある。ゲーム序盤、つながってる指が多いうちは右端の「儂の指を引っ張ってみろ!(つながってる指1本ごとに相手の気力を1減らす)」を使い、終盤に多くの指を外したら左から2枚目の「前ほどうまくは握れんな!(外した指1本ごとに、飲もうとしてるドリンクの数値的効果を1減らす)」などを使うというプレイングが理想だが、それには熟練を要するだろう。



 さらに、リッチキングはこれらのようにカード名の横にドラゴンが描かれてるカードも持っている。左端の「これは儂の体をすり抜けてしまうな」はドリンク1つを無視し、たとえ打ち消されてもそのドリンクの効果を半分にする。真ん中の「最大の防御はよい防御」はカード2枚ドロー+自分のアクションフェイズなら(たいていはそうだ)追加のアクションカード1枚プレイ。さらにこのカードを手元に残し、次の手番までにダメージを受けたら気力2回復+カード1枚ドロー。右端の「カウンタースペル!」はカードの数値的効果を2(つながってる指が4本以上あれば4)減らす。「強すぎでは……? さすがにキャラバランス崩壊しすぎでは……?」と心配になる人もいるだろう。でも大丈夫。これらのカードは通常ゲームでは使わない。ではいつ使うのか? それは次回「赤竜亭6」の紹介で説明しよう。


 長々と紹介したが、キャラゲーでキャラが増えて困ることは1つもないので、「赤竜亭」ファンならマストバイだ。我々が買う限り、SlugFest Gamesは出し続けてくれる……どうせなら100キャラくらい目指そうぜw

BGGの和訳ルール:
 キートとニトレル
 アドニス対リッチキング







Last updated  2018.04.23 10:09:18
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2017.10.04
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ボックスアート


プレイ風景


 デザイナーは「ゾンビサイド」シリーズでおなじみのRaphaël Guiton、Jean-Baptiste Lullien、Nicolas Raoult。パブリッシャーも同じくGuillotine Games(CMON Limitedかもしれない。両者の関係はよく分からん。Guillotine Gamesのサイトトップで「ゾンビサイド」選ぶと自社のサイト内で移動するが、「マッシヴ・ダークネス」選ぶとCMONに飛ばされる)。

 現代を舞台にしたゾンビゲーの至宝「ゾンビサイド」。そのファンタジー版である「ゾンビサイド:ブラックプレイグ」シリーズも大成功を収め、2018年にはその独立拡張である「ゾンビサイド:グリーンホード」も予定されてる。しかし、ここで3人のデザイナーたちは気づいてしまったんだろう……「ファンタジー世界を舞台にするならゾンビにこだわる必要なくね?」ということにw そうしてできたのがこのゲームだ(個人の妄想です)。

 CMON扱いのゲームといえば、その魅力は何といってもフィギュアの造形(そしてゲームによってはその数)だ。まずはKickstarter経由で何も追加せずに入手した場合に得られる内容物を見て欲しい。



 ばっかじゃねーのwwwww

 なお、一般流通後に基本セットを買って手に入るのは「HEROES」の上に示されているものだけ。それより下は拡張を買う必要があるし(ゴブリン系とドワーフ系は基本セットに入ってるかも)、「KICKSTARTER EXCLUSIVE!」とあるものはもう入手不可能だ。これだけのおまけを基本セットの値段だけでつけてくれるんだから太っ腹だな!(ぼられてる送料から目を背けつつ)。



 私が出資する決め手となったのは、この「ゾンビサイド:ブラックプレイグ/マッシヴ・ダークネスクロスオーバーカード」。双方のゲームの英雄をもう一方のゲームでも使えるようにしたり、ゾンビを「マッシヴ・ダークネス」で使えるようにしたりするカード。これだけでバリエーションが実質無限にw

 ここで内容物について紹介したいところだが、すでに優れた記事を書かれてる方がいらっしゃるので、詳しくはこちら↓をご覧いただきたい。

ぼっちのホビーBlog[暫定版]:
【ボードゲーム】遂にあの「Massive Darkness」が届いたよ!豪華なミニチュアにテンションがヤバい事になっているファーストレビュー:前編がこちら
【ボードゲーム】「Massive Darkness」ファーストレビュー:後編 いささか冷静さを取り戻しつつ、巨大な暗闇に思いを馳せるオトナな夜。


 肝心のゲーム内容はハック&スラッシュ。シナリオが用意されてて、それに示されてるとおりにマップタイルを配置し、その上に扉とかアイテムを示すトークンを置いて、シナリオの目的を果たすために敵をちぎっては投げ、ちぎっては投げる。ここまでだと「『ゾンビサイド』と同じじゃね? 『ゾンビサイド』持ってたらいらなくね?」と思うかもしれないが、さすがに細かいルールの大半が異なっているので、まったくの別ゲーとなってる。

 まず移動。「ゾンビサイド」では1アクションごとに1ゾーン移動するだけだったし、トークンを拾うにも扉を開けるにも別のアクションが必要だったが、「マッシヴ・ダークネス」では1移動アクションごとに2移動ポイントを得て、それを移動/扉の開放/物品の拾い上げに割り当てて使うようになった。1アクションで2ゾーン移動できるようになったのは大きいが、代わりに同じゾーン内に敵がいる場合には(何かしら技能を持ってない限り)いっさい移動できないようになったので、白兵戦を得意とする敵に近づく場合は充分な注意が必要だ。

 視線のルールも異なる。「ゾンビサイド」では暗い建物内は1部屋目しか見ることができなかったが、「マッシヴ・ダークネス」では物理的障害に突き当たるまでどこまででも見ることができる。さらに射程のルールも変わっており、攻撃タイプによって一律で攻撃範囲が決まっている。白兵戦武器が同じゾーン内のみというのは「ゾンビサイド」と同じだが、魔法武器は1-2ゾーン先だけ。そして射撃/投擲武器は1ゾーン以上離れている視線上のどこまでも届くようになった。誤射のルールもないので、攻撃しやすさだけ見れば射撃/投擲武器が相当強くなってる。ただ、前述のように接敵したら離脱できないので白兵戦武器がないと攻撃できないし、戦闘の要素は射程と攻撃力だけではないので、一概に弓一強とは言えない。

 その戦闘では、敵も味方も攻撃/防御時の両方でダイスを振るようになった。そして何より、敵も武器/防具を装備するようになったw



 戦闘で使う特殊ダイス。攻撃側は赤か黄色、防御側は緑か青のダイスを振る。剣アイコンの方が盾アイコンより多く出たら、その差分だけ相手にダメージが通る。爆発シンボルとダイヤモンドシンボルは一部の特殊能力の発動に使う。



 こんな感じで、敵も固有の能力値を持っているほか、登場したときにアイテムを1枚持つ。それが使えるタイプのものだった場合、そのアイテムのダイスもプラスされる。たとえば左の「ゴブリンの射手」は弓を使う能力を持ってる(最初から射撃能力に赤ダイス1個がある)ので、「コンポジット・ボウ」を使って黄ダイス2個と赤ダイス2個を追加で振ることができる。対して右の「リリアーチ」は魔法を使えない(自分の魔法能力値のところにダイスの数が示されていない)ので、魔法武器であるオーブを使うことができない。まさに宝の持ち腐れだ。

 そして「マッシヴ・ダークネス」の大きな特徴の1つが“シャドウモード”という概念だ。基本的にどのクエストでも地下に潜ることになるのだが、そのためたいまつなどの明かりがあるところ以外は暗いゾーンということになってる。そういった暗いゾーン(シャドウゾーン)にいる場合に限り、英雄たちは自らが持つシャドウモード技能を使えるようになるのだ。シャドウゾーンにいると敵に見つかりにくくもなるし、基本的に悪いことは1つもないので、英雄はできるだけ影から影へとこそこそ移動することになる。うむ、実に英雄らしいなw



 2枚並べられたマップタイル。見るからに暗いところがシャドウゾーン、明るいところがライトゾーン。これらのタイルだけだとシャドウゾーンだらけに見えるが、中には逆のタイルもあり、全体としてはだいたい半々だと思われる。

 もう1つの大きな特徴はクラス(職業)ルールの導入だ。「ゾンビサイド」ではキャラを選べば習得できる技能も自動的に決まり、選択肢はせいぜい2択か3択だったが、「マッシヴ・ダークネス」ではキャラと共にクラスを選び、技能はそのクラスシート上から習得することになる。キャラごとに推奨クラスが示されてはいるが、別にそれに従う義務はないので、屈強なドワーフのソーサラーとか、魔力の強いエルフのアサシンとかを作ってプレイすることもできる(むろん、キャラ固有の能力とクラスの噛み合わせが悪いとプレイ難易度は上がるが)。



 クラスの1つ、バトル・ウィザードのシート。経験値を支払って6種類の技能を習得していくことで、最大ヒットポイントを増やしたり、白兵戦武器を使って魔法を唱えたり、使ってる魔法武器の効果を高めたりできる。各段ごとに左から右の順で習得しなければならないが、どの段から習得するかは自由だ。


 「ゾンビサイド」と比べて、より「戦闘だけするテーブルトークRPG」に近づいたと言えるだろう。ゲームマスター不要なので「ディセント」とかの方がもっと近いかもね。Kickstarterで出資せず、これからの購入を考えてる人は、基本セットの内容物だけだと敵の種類が少なくて変化に乏しいので、大量に予定されてる拡張もいくつか買った方がいい。どれも魅力的だが、やはり雑魚敵だけが増えるものよりは強大なモンスター(そして巨大なフィギュア)が増える「エレメンタル」と、使えるクラスが増える4つの「ヒーロー&モンスターセット」、そして何よりマップタイルが増えてシナリオも追加される「水晶と溶岩の探索」がいいだろう。出費を抑えたいなら、敵の種類の少なさは我慢して、新クラスは公式ウェブサイトにあるダウンロードデータを自分で印刷するとして、「水晶と溶岩の探索」だけ追加すればいい。

 「ゾンビサイド」に比べると難易度が低いという声もあるが、まあ無双ゲーなんて多少難易度が低い方がいいんだよw 難しくしたければいくらでもハウスルール思いつくだろうし(クリアするまでのラウンド数に制限つけるとか)、ぱっと見で気に入ったなら間違いなくお勧めよ。

BGGの和訳ルールと和訳クラスシート







Last updated  2017.10.08 09:49:29
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