2006/12/01(金)01:43
彼女の『赤の物語』 後編
さて、先日前編からの続きです。
(前編をお読みになっていない方は、まずはこちらをクリックして前編へ!)
「この事も、関係しているのかしら。私が幼かった頃の事なのだけれど・・・・」
前夫の『赤』の部分に惚れ、
そして『赤』のもうひとつの部分に疲れてしまった彼女の記憶の海に
ひとつの出来事が浮かんで来たようです。
「それは、幼い私の、誕生日の出来事よ。」
彼女は、親戚のお姉様から
丈の短い、とてもキュートなスカートをプレゼントされたそう。
その色は、鮮やかな赤。
子供ながらに、嬉しくて嬉しくて気分を高揚させながら、
彼女は早速そのスカートを履いてお父様に見せに行ったそうです。
「パパ~!見て見て!こんなに素敵なスカートをもらったの!」
「なんというスカートを履いているんだ!!派手すぎる!
もっとおしとやかなものを着なさい!!」
彼女の頭の中は、一気に真っ白になりました。
はしゃいだ気分はどん底まで落ち、どうして良いかわからなかった・・・
お父様は、とても厳格且つパワフル、そして支配的な方。
子供とは言え、浮ついた洋服を着る事をお好みにならなかったようです。
「いつも、その出来事を思い出してしまっていたの。」
「そうなのね・・。では、今横にある赤い薔薇の花を買ったときは、
もう思い出さなかったの? 今は赤を見てどう感じる?」
「思い出さなかったわ。純粋に美しいと思って魅かれて買ったの。
赤をとても好きな気分よ。」
ここで又、私は前夫との関係性を訊いてみました。
「前の旦那様、お父様と重なる所があったりする?」
「ええ。とっても!」
これで、全ての事がつながりました!
ドミナント、支配的な元のご主人と、お父様の言葉。
赤。
あらゆるネガティブな部分や記憶が全て『赤』の負のエネルギーに重なって、
彼女の中で『強すぎて』『受け付けない』色になってしまっていたのですね。
その関係性が、『離婚成立』という形でピリオドを打ち、
新しい男性とハッピーになった今、
『愛』 『情熱的』 『フェロモン』 『積極性』 『行動』
という、全ての赤の正のエネルギーが心地良くなり
今まで避けていたその赤を、
両手を広げて自分に迎えてあげる準備が整ったのです!
「オレンジが大好きといったけど、今『赤』に魅かれ始めたら
オレンジが少し、気にならなくなってきたの。遠のいてきたという感じかしら。」
前向きさ、勇気と元気と幸せを与えてくれる色。
それがオレンジ。
そのオレンジを
求め、欲し、
無意識のうちに自分の周りに沢山用いていたのでしょう。
そしてオレンジのパワーを充分もらった今、
彼女の中にその効能が既に蓄えられ、充電され、
本当は、幼い頃に着たかった、鮮やかな『赤』を取り戻したのです。
そして