矛盾する考え方を一番良い所で解決するのが経験と技術だと思う。
・浸水したくないので接道部の一番高い地盤より玄関は高くしたい。
・玄関へのプローチは出来ればフラットにしたい。階段<スロープ
・無駄な工事費削減で、擁壁、階段は減らしたい。
質疑内容:土留め擁壁工事について
こんにちは。
現在、新築中で来週から外講工事に入るのですが、隣の土地との段差が50センチほどになってしまい、擁壁工事が必要だと言われました。
私が購入した土地は前横ともに傾斜のある土地ですが、基礎工事の際にはそのような工事は必要ないと言われていたのでこの時点での追加料金に困っております。
見積もりはまだ出ていませんが、数十万円から百万円くらいになる予定。
基礎工事が始まる時点で予定していればローンの組み方を変えることも出来たのに。。。
前方にも傾斜があるので、基礎をかなり高くしてるため、リビングの窓から外に出る縁側のようなものから地面にも飛び降りるほどの段差があり、こちらも階段をつけなくてはいけません。
ちなみに土地は建設業者さんが個人の方の土地を見つけてくれて、地主さんから直接購入したものです。
何の知識もなく、このような傾斜のある土地を購入した私がやはり全額負担しなくてはいけないのでしょうか?
応答:緩やかな傾斜と建物の断面計画で解決
どう敷地の高低差を吸収するか?は
着工時に「地縄、ベンチマーク設定」を施工会社と打ち合わせます。
「地縄(じなわ)」は地面に建物の壁芯を出し、北側斜線、道路斜線、居室採光距離など
法規的に守らなければいけない厳しい境界からの距離を確認するためです。
「ベンチマーク設定」は道路や隣地からの高さを確認し、建物高さを近くの基準となるマンホールや縁石などを「ベンチマーク」として、設計GLを決めます。
設計図と実際の敷地の微妙な「高さ」や「寄り」の相違を解決します。
測量をしっかりし、設計段階で、傾斜にするのか?階段にするのか?隣地や道路とは、擁壁や塀にするのか?決め、「地縄、ベンチマーク設定」で微調整するのが一般的です。
大怪我はありません。
東京都の安全条例の第六条の二で
「擁壁の基礎の底部は、がけの下端を過ぎるこう配30度以内の良好な地盤に達しなければならない。」とあります。他の都府県でも同じだと思います。
横浜や川崎の崖地で、設計する場合、毎回つきものです。
2mを超える用壁は工作物申請がいり、ちゃんと検査済を取っているか?いないか?で、
自分の建物の基礎を深くするかしないか?で揉めます。
工事費がかなり違います。
だけど、今回の場合、50cmですから、敷地に余裕があれば30度以下の傾斜地で吸収したり、建物の基礎を深くして、外とはステップなど、階段をつけるか?
設計段階なら、いくらでも、解決したと思います。
隣地と建物が近い場合、問題ですね。
ただ、50cmなので、なるべく、30度以下の傾斜地にして、また、土が流れないように、グランドカバーや潅木など植栽をするといいと思います。
そして、建物際で階段で吸収できればと思います。
どうしても、吸収しきれない部分を
最小限、部分的にブロックなど3段積んで、対処するかです。
ただ、上記の30度以下に基礎が無い場合、擁壁も、しかたないのかもしれなせん。
あと、審査機関の完了検査も気になります。
確認図と整合しないと、「検査済」が取れないかもしれません。注意です。
たぶん、設計をちゃんとしても、なんらかの対策は必要だったと思います。その部分については、払うべきかと思います。ただ、同義的責任や、段取りが悪く、本来、そこまで、必要がないのに余計に掛かった分に関しては、交渉する余地はあると思います。
捕捉
段差50cmは少し大きいですが、一般的に敷地は平らに見えても、
20~30cm敷地の高低差があるのはザラです。
少し、敷地中心や奥を高めにして、水没を避け、
雨水を道路に流したいのが人情だからです。
ただ、建物は平らです。
大きな建物を建てる場合、測量屋さんに
「敷地測量」「隣地境界立会い」だけでなく、「真北測定」「敷地現況図」
「高低差測量図」も御願いします。
設計時にシビアな数字があれば、それだけ有効に空間が使えるからです。
敷地に余裕があったり、一見、平らに見える敷地で「高低差測量」まで、
しなくともいい敷地は、隣地のブロック塀の水平の目地などから、高さが推測できます。
また、確かに、住宅など小さな建物の場合、
そこまで、しなくても、問題ない場合が多いかもしれません。
ある意味、基礎工事の時、言っている事も正解です。
『敷地調査』
http://www.piso.co.jp/toti-site/index.htm
土地と建築関係の法規等を解説したサイトです。
評価・御礼
ご回答ありがとうございます。
敷地に余裕もなく、隣の建物とも近いため、傾斜を緩やかにするのは難しいです。
そのままでも問題ないのかも知れませんが隣人から「土砂が流れてくるのでは?」とクレームを言われているそうです。
コンクリートの擁壁を作るとしても、家が建ってしまっているので狭くて機械が入れず手作業になるので割高になるとのこと。
その分の金額差額の交渉はしてみようと思います。
ちゃんとした知識も得ずに購入した責任と、今後のメンテナンス等で業者さんとのお付き合いのことも考えてうまく話し合ってみたいと思います。
アドバイス、ありがとうございました。
評価・御礼応答
評価ありがとうございます。
機械が入らず手作業になった分は、段取りミスだと思います。
その分はサービスの交渉余地があります。
また、土砂が流れるのを防ぐなら、今回、高さが50cmって事もあり、玉石や瓦などを手積みし、たぶん、狭いところなので、東京だと、耐陰性のある「ヒイラギナンテン」や「タマリュウ」など植えても面白いかもしれません。
但し、北海道なので、耐寒性は配慮しないといけませんね。
まあ、趣味と実益を兼ね、ホームセンターに行って、自分で、やるのも、逆に面白いかもしれません。
発想を変えて、災い転じて、「懐かしい思い出」と「自分らしい外構」が出来るかもしれません。
新居でのご多幸をお祈りいたします。
コルピソス 伴場
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