カテゴリ:PCハードウェア
以前からやりたかったA-DATA SSD S592シリーズの速度回復テストをようやく実施しました。そのために32GB版買ったわけですし。まあ、他の人もたくさん試していてWebに情報があるわけですが、自分で実験しないと気が済まない体質的な。
まず、初期状態です。FAT32フォーマットになってます。 ![]() いったんパーティションを削除してNTFSフォーマットでパーティションを作成し直した後です。 ![]() FAT32のときとほぼ変わりません。 ここから、一気にデータを書き込んで速度低下させます。データはdd for windowsを使ってバッチファイルで16MBのファイルをディスクがいっぱいになるまで発生させました。 ファイル名をAxxx.binとBxxx.binみたいに交互に付けて(xxxは数字の連番)、Bxxx.binをまとめて削除して空き領域を断片化させた状態にします。 作成するファイルサイズをもっと小さくしてSSDのブロックサイズより小さくしたほうが素敵なデータが取れそうですが、面倒なので16MBで手を打ちました。 この状態で測定すると・・・ ![]() このように大幅に速度低下しています。 ここから速度回復テスト開始です。 「S592はFill0で回復する」というウワサがあるので、とりあえずdd for windowsを使ってファイルレベルで0埋めしてみました。 ![]() 特に変わりませんね。。。 次、Aの連番で若い番号から順に半分削除します。これでディスクの前半に連続空き領域ができるはずです。 ![]() 変わりません。SSDですから、PC側からみたアドレス(論理アドレス)レベルで断片化があっても、物理アドレスとは別ですから、SSDの消去単位ブロックサイズより小さい断片でなければあまり関係ないでしょう。本格的に断片化させるなら、ページサイズより小さい断片を生じさせると面白いかと思います。 この次のデータがなんだったか忘れてしまったんですが、Diskeeper 9(新しいのは買わない)のディレクトリデフラグを実施した後だったでしょうか。 ![]() なぜか極端に数字が落ち込みました。何した後だったかちゃんとメモしておくんだった。。。 上記で連続空き領域を作ったわけですが、そこにファイルレベルで0埋めを実施してみます。 ![]() 少し、回復しましたね。 残っていたファイルも削除してみます。 ![]() さっきよりも若干落ち込みました。 さらにファイルレベルで0埋めします。 ![]() こんどは特に変わりませんでした。 パーティションにクイックフォーマットをかけてみます。 ![]() 少し遅くなりました。 パーティションをいったん削除して再作成してみます。 ![]() また少し遅くなりました。 今度はパーティションレベルで、0埋めしてみます。パーティションは壊れるので再フォーマットが必要です。 ![]() また少し回復しました。連続空き領域を作ってからファイルで0埋めしたときより少し効果が大きかったみたいです。 「ゼロ埋め」という行為に意味があったのか見たいのでランダムデータで埋めてみます。 ![]() 0埋めと変わりませんね。これで、Fill0を特別扱いしているという仮定は崩れました。 次にディスクレベルで0埋めしてみます。MBRも消えるのでディスクの初期化からやり直しです。 ![]() パーティションレベルで0埋めした後と特に変わりません。 と、ここまではdd for windowsを使ってきたのですが、この先はWebなどでも良く紹介されているソフトを使ってみます。 まず、DBANというソフト。データ消去用のツールです。MethodをQuick Eraseにすると0フィルをしてくれます。 ![]() ddでゼロ埋めしたときと変わりません。まあ、やってることが同じですから。。。これで、S592が0フィルでは回復しないことがわかりました。古いファームウェアとかだと違ったのかもしれませんが。。。 たぶん、よく言われる「空き領域のデフラグ」と同じようなことだと思います。パーティション消しちゃってまでやることかどうか疑問です。 最後に、HDD Erase 3.3を使ったSecure Eraseを試してみます。何度も確認されて鬱陶しいですが、それだけデータ消失リスクがあるということで。ただ、Eraseの処理はあっという間でした。まあ、HDDと違って電圧かけるだけですからね。。。 ![]() 結果、見事に速度は回復しています。 でも、このツールを使うにはFD起動でIDE互換のHDDとして認識させる必要があって、最近のメインボードだと使えないケースが多々ありました(これについてはDBANなど他のDOSモード用ツールも同様ですが)。そのためPen4マシンを使いましたが、面倒というか。 データ取るのはここまでです。気に入らない人もいるかもしれませんが、今回の検証は0フィルでS592が回復するのかというのが私的にメインテーマでしたので、これで十分です。専門家ではありませんので、細かいことは他の人に任せます。 で、最後に、このSSDの使い方を考えてみます。 まず、SSDですから、結局書き込みをするほど遅くなるし寿命が縮むものであって、普通に使う分には、何もしないのが一番ということですね。遅くなった状態でも、シーケンシャルの読み出しは100MB/s以上、書き込みも2.5インチHDDの標準レベル程度は確保できているので、気にしないのが吉でしょう。半年とか使ってある程度断片化してきたところで、空き領域のデフラグをする程度でいいと思います。だいたい、このSSDを買うような人は、メイン用途で2年は使わないんじゃないでしょうか。 消去をするとしたらSecure Eraseがいいわけですが、いったんデータを退避してそれを書き戻すならそれだけの書き込みが発生するわけで、あまりいいとは思えませんね。特にファイル単位で書き戻すのはナンセンスでしょう。やるとしたらHDDに書き込んでデフラグして、ギリギリのサイズにパーティションをリサイズしてからパーティションコピーでSSDに書き戻してパーティションを再度広げるとかでしょうか。面倒くさすぎです。 さて、SSDは結局書きこまないのが一番というありきたりの結論なわけですが、そこで注目したいのがSSD快適化ツールです。現在、プチフリバスターというのに注目しています。f2dというSDカードをHDDとして認識させるソフトにも同梱されているようで、500円しか違わないのでそちらの購入を考えています。SSD革命やWindows EmbeddedのEWFは書き戻しの問題がありそうですし、FlashPointは未完成っぽいですし(追記:FlashFireになって再公開されたのがすぐにまた公開終了してるみたいですね)。 もっとも、こういうツールで改善できる余地があるっていうのも、そもそもWindowsのキャッシュ機能やディスクIO待ち時の挙動とかに大きな問題があるからだと思っていますが。
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