全体を観る健康観(健康観)現代医学(西洋医学)の場合は根底に「恒常性」(ホメオタシス)が有り、 正常値を基準に、一定の状態にあることが健康体と考えられています。 しかし、年齢や性別以外にも人間には個人差があり、 血液検査などが基準値を外れていても病気では無い人や、 基準値に入っていても異常がある人など、 数値に置き換えられない状態が、把握出来にくい欠点があります。 その為、自覚症状が無い病気を見つけることが出来る反面、 自覚症状があってもどこも悪くないと判断することも有ります。 それに対して東洋医学では「変化」(常に動いている)が重要視されていています。 停滞やつまりが病気を作り、血液や津液が滞ることが原因で、 痛みや出血、腫瘤、浮腫の症状が出ると考えられています。 (皿回しの棒) 皿を回すのに真っ直ぐに固定しようとしっかり持っても力が要るばかりで、 一度少しでも傾くと修正がきかなくなり、あまり上手く回せません。(西洋的) しかし、握りをゆるくいつでも動くように持てば、 無理なく変化に対応出来、皿は長時間回ることが出来ます。(東洋的) この「ゆるくいつでも動ける=反応する体」が人の持つ自然治癒力であり、自律神経です。 (自然の中に人がいて、人の中に自然がある) 人には、年齢、性別、人種、性格、体質、など様々な違いにより、 それぞれに「健康」の状態を持ち、それは日々変化しています。 その変化にいかに体を合わせていくか、 変化に反応できる体を作るかが東洋的な健康観であります。 (未病=病気になる前の病気の症状) 人には自分の力で異常を正常に戻そうとする自然治癒力というものが有ります。 日常生活において、体になんら異常の無いときは、体は普通に働いています。 しかし一旦異常になれば通常の働きを抑え、異常に立ち向かうことにエネルギーを使い、 その為普段感じないだるさを感じたり、発熱したり、食欲がなくなったりします。 これは、病気に負けたのでなく、病気に立ち向かっている状態なのであります。 これが自然治癒力発動の信号で、このとき、栄養ドリンクで元気を出したり、 解熱剤で熱を下げたり、消化剤を飲んだり、下痢止めを飲んだり 無理やり一定の状態に戻そうとすることは、 せっかく自然治癒力が働こうとしているのに水を差す事に成ります。 この信号が出ている状態が未病で、それに対し自然治癒力が働きだすのです。 変に自然治癒力の働きを邪魔すると、その力が働かなくなったり、弱くなったりします。 |