資金調達法としての金融商品取引法(6)
社債を発行して資金調達をする話の続きです。<社債の種類>社債には、いくつかの種類があります。典型的な分け方は、「普通社債」と「転換社債」といった「株式に関係があるかないか」で分ける分け方です。<普通社債>「普通社債」とは、金利の計算や元本の計算において、株式価格に影響しない社債です。名前のとおり、「普通の社債」です。金銭消費貸借(ローンとかのことですね。)を表示する権利を「有価証券」にしたものです。具体的に言うと、発行者(債務者)が誰で、金利はどのような条件で支払われて、元本はいつまでに返済されるかという金銭消費貸借の債権者の権利を「有価証券」にしたものです。<転換社債>これに対して、「転換社債」は、社債を発行した会社が発行する株券の価格(株価)と密接に関係する社債です。具体的な例を出すと、「いつでも、1株1000円で交換します!」という内容の社債です。この場合、百万円分の転換社債を取得した投資家は、1000株(1,000,000円÷1,000円)の株券と交換することができるということです。株価がいくらであっても1株1000円で交換してもらえるため、株価が900円のときには普通社債と同じ価値がありませんが、株価が1000円以上(例えば2000円)になっても、いつも、投資家は、1株1000円で交換できるので、価値が上がります。1980年代は、「絶対に儲かる商品」と言われ、大量に発行されました。株価が右肩上がりだったからですね。個人的な話ですが、当時、私も何度も申し込みましたが、「当選」した(取得できた)のは1回だけでした。私のような零細投資家の当選確率が低かった理由は、この頃、「抱き合わせ販売」と言って・・・おっと、当時の証券業界の裏事情は、別の機会にお話ししますね(笑)今日は、ここまで。続きは、明日以降お話します。