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カテゴリ:成分:じのほん
さて、2回にわたって1作品をけなしてまいりましたが、
ホントは誰か(何か)をけなすのは、あんまり好きでは なかったりします. …自分で言ってて間違ってる気がしないでもないですが、 そんなワケで今回は、前2回に関連させつつ、オススメの 作家さんをお1人紹介したいなーなんて思います。 その作家さんは乙一(おついち)さんと言います。 前2回に関連ということで、この作家さんもかーなーり グロテスクな描写のある作品を書かれます。 が、甲田学人さんとは違い、しっかりした文章表現の 上に成り立っているグロテスクさです。 そこには甲田学人さんに見られる表現格差はなく、 それゆえに「普通」と「異常」が同一線上に並び、 読者は「きわめて自然に」異常な世界観の中へと 引き込まれていくことになります。 まあ、中には、冒頭から目を覆いたくなるような 作品もあったりしますけどね…w そしてもう1つ、 甲田学人さんの持ち味が、おそらくグロテスクな 表現の上でしか充分には発揮されないのと違い、 乙一さんは、残酷さや凄惨さを基調とした作品と、 切なさや繊細さを基調とした作品の、異なる2つの 作品傾向を持っています。 あるときは息を呑むほどのグロテスクな描写で、 あるときは胸が締め付けられるようなリリカルさで、 読む者に語りかけてきます。 この2つの傾向を指して「黒乙一」「白乙一」なんて 読んだりしますね。 そんな乙一さんの作品の中で、主が特にお気に入りなのが ![]() 角川スニーカー文庫「さみしさの周波数」という短編集です。 乙一さんの本は、他にも何冊かありますが、まずどれを 勧めるかと言われたら、主はこれをオススメします。 写真では何やら仰々しいオビがついてますけど、 全体としては、「白乙一」方面の短編集です。 中でも特にお気に入りなのが「手を握る泥棒の物語」 という作品。 このお話、他の乙一作品とは少々毛色が違います。 読み終わると何となくニヤっとしてしまうような、 そんな感じの作品です。 その他の収録作品も含め、良作ぞろいの1冊かと。 ジャンルとしてははライトノベルの範疇ですけど、 ある程度の年齢に達してる方が、いろんな意味で 面白く読める作品ではないかと思いますね。 購入の指針として、スニーカー文庫のは「白」が多く、 その他の出版社の作品は「黒」が多い傾向があります。 購入時には参考にしていただけたら幸いです。 先に「白」方面を読むと、後から「黒」を読んだときの ショックが大きい感じもしますけど、そのへんも含めて 是非ともオススメしたい作家さんですね。 毎度おなじみ、コチラで購入できますよ('▽')ノ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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