米国で不公正な政治経済システムに対する抗議運動が広がる中、レビン、マケイン両米上院議員が米国を軍国主義国家にする法案を提出
1980年代以降、アメリカは富が一部の大企業や富裕層に集中する仕組みを作り上げ、蓄積された資金を投機に回してきた。経済をカジノ化したわけだ。その結果、生産力は落ちて大多数の国民が貧困化している。ウォール街で始まった占拠運動は、そうした不公正な政治経済システムを変えろという意思表示。ロサンゼルスにも抗議の波は伝わっていたのだが、11月30日には約1400名の警察が投入され、拠点を破壊した。その際、150名とも200名とも言われる参加者が逮捕されている。 アメリカやイギリスが推進してきた不公正なシステムに対する抗議は10年以上前から激しくなっている。1999年には、WTO(世界貿易機関)の閣僚会議が開かれたシアトルで約10万人が抗議活動を展開した。2001年9月11日の出来事がなければ、さらに運動は盛り上がっていたことだろう。 アメリカの政治経済システムは完全に行き詰まっている。民主主義を装う余裕をなくしている。9/11の後、アメリカでは1980年代から練られていた国民管理体制を「愛国者法」という形で浮上させたのだが、より露骨な弾圧法案「S. 1867」をカール・レビン上院議員とジョン・マケイン上院議員が作り、提出するようだ。裁判も何もなしに市民をアメリカ内外で逮捕し、軍が管理する収容所で拘束できることにしたいらしい。まさに、軍国主義国家だ。