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《櫻井ジャーナル》

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2011.06.22
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 日本の政治家、官僚、大企業経営者、学者、そして報道機関はこの期に及んでも原子力政策をあきらめていない。事実を直視せず、妄想の世界に浸かっている様子を見ていると、日本の敗戦が明らかになっても戦争を継続しようとした大本営の参謀たちを連想させる。

 自分たちの都合しか考えられないという点で、日本の支配層は今も昔も基本的に同じだ。かつては侵略戦争、現在は原子力政策。個人的な「カネ儲け」と「核兵器」に対する棄てきれぬ思いが原子力政策の原動力なのだろうが、その代償として日本は放射能に汚染され、多くの子どもたちから未来を奪うことになる。そうした政策を推進してきた政官財学報の責任は重く、その罪は万死に値する。

 そうした政策を続けるためには、事故の原因を福島第一原発に特有のものだということにする必要がある。そこで、地震の「揺れ」が事故の原因だと認めるわけにはいかず、全ての原因は「津波」にあると主張するのだが、データはそうした説明と矛盾し、説明に苦しむことになる。そこで、都合の悪いデータを無視したシミュレーションで誤魔化そうとしているようだ。

 地震から間もなくして、福島第一原発1号機では、格納容器の圧力が通常の1気圧から8気圧まで上昇している。このデータから冷却材喪失事故が起こった可能性が高いと推測した専門家がいる。圧力容器の設計に携わっていた田中三彦氏や格納容器を設計していた渡辺敦雄氏らである。

 田中氏は原子炉で何が起こったかを詳しく分析、3月18日に会見で配管が損傷したか破断した可能性を指摘、その後に公表されたデータに基づく分析もしている。「主蒸気逃がし安全弁」が開いて閉じなくなった可能性もあるのだが、問題の時点における原子炉の圧力が弁が開く条件に達していないため、通常なら開かない。(「科学」、2011年5月号)

 田中氏の説明は合理的であり、東電や政府の説明に比べてはるかに説得力があると私は考えている。6月21日にも配信された同氏の分析は次の通り。

福島原発事故シナリオ(田中氏の分析) 1/2

福島原発事故シナリオ(東電のシミュレーション批判) 2/2

 また、渡辺氏は格納容器の圧力が8気圧まで上昇した理由について分析している。配管が破断するような事故が起こったとしても、格納容器の圧力は4気圧に収まるように設計されていたはずで、その設計圧力を大幅に上回った明確な理由は示されていなかった。

 その原因を同氏は毎日新聞の取材に「地震で圧力抑制プールの水蒸気管が水面から露出して格納容器全体の圧力を高めた可能性がある」と答えている。つまり、余震によって、圧力抑制プールが本来の機能を果たさなかった可能性があるということだ。

 日本の政官財学報は一貫して原子力政策を維持し、原発を動かし続けようとしている。そこで、事故に関する情報を隠し、ウソをついてきた。原子炉や使用済み燃料プールだけでなく、放射線の影響についても「安全デマ」を流し続けている。国際的に批判されているデマだが、そのデマを信じている人は少なくない。






最終更新日  2011.06.22 18:07:05

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