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《櫻井ジャーナル》

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2011.12.09
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 ジョージ・W・ブッシュ政権の時代、ドナルド・ラムズフェルド国防長官たちがイラク攻撃を決定してから実際の攻撃まで約1年半を要したのは統合参謀本部の内部に反対意見が多かったからである。サダム・フセイン体制を崩壊させてもゲリラ戦が続き、戦費も膨らみ、中東全域を不安定化させることは明らかだった。

 2008年に経済学者のジョセフ・スティグリッツらは、アフガニスタンやイラクでの戦費が3兆ドルをはるかに超えるとする分析しているが、陸軍のデビッド・ハックワース退役大佐は開戦前、同じような主張をしている。

 つまり、イラクを安定させるために少なくとも30年間はイラクにアメリカ軍を駐留させておく必要があり、月に必要な戦費は60億ドル、合計すると2兆ドルを突破すると推定していたのである。バラク・オバマ政権はアメリカ軍を撤退させつつあるが、イラクは安定からほど遠く、しかも傭兵を増強しているのが実態で、泥沼から抜け出せそうにはない。

 イラクへの軍事侵攻が事前の宣伝通りにならないことを懸念する声があがっても、AEIのダニエレ・プレッカは「うまく進んでいる」と主張していた。すぐに安定化すると本当に信じていたのか、実際は混乱を望んでいたのかは不明だが。

 現在、アメリカはトルコを使ってシリアを攻撃する一方、パキスタン軍を攻撃、イラン領の内部に無人の偵察機を飛ばしている。今回、イランはCIAが飛ばしたRQ-170が墜落して回収されたのだが、勿論、故障してのことではない。察知されず、少なくとも4年間にわたり、何十回と偵察飛行を行ってきたと言われている。イランに対する敵対行為であることは間違いない。

 11月26日にパキスタンの検問所を攻撃したのはアメリカの特殊部隊だとも言われているが、故意と言うだけでなく、事前に練り上げた計画に基づいているとパキスタン側は主張、パキスタン国内におけるCIAの活動を調査するともしている。

 アメリカの特殊部隊は核戦争計画の中で成長し、カルト的な精神風土がある。アメリカをベトナム戦争に引きずり込む切っ掛けになったトンキン湾事件で主役を演じたのも特殊部隊であり、住民皆殺しを目的としたフェニックス・プログラムも彼らの仕業だ。

 勿論、特殊部隊の人間全てがカルト的だと言うわけではない。例えば、イラクに先制攻撃した直後に特殊部隊を指揮していたチャールズ・ホーランドは、確かな情報に基づかない作戦を拒否していた。こうした人物を嫌ったのがブッシュ政権のネオコンたちで、2003年10月に退役させられている。替わって特殊部隊を指揮するようになったのがウィリアム・ボイキン。

 この人物、筋金入りのカルト信者で、自分たちの敵はオサマ・ビン・ラディンでもサダム・フセインでもなく、宗教的な敵だと教会で演説している。彼はソマリアで戦った経験があるのだが、そこで撮影した写真に「奇妙な暗黒の印」があることに気づいたと主張、「これがあなた方の敵の正体です。あの町にある邪悪な存在、暗黒の遣いルシフェルこそが倒すべき敵なのだと神は私に啓示されました。」と発言している。

 現在、アメリカの共和党は大統領選挙の候補者選びをしている。その有力候補者はボイキンやダニエレ・プレッカと同類の人間。バラク・オバマの再選が阻止されたとき、こうした人間がアメリカを率いるわけだ。背筋が凍る。






最終更新日  2011.12.10 01:37:31

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