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《櫻井ジャーナル》

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2012.01.19
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 ギリシャの経済危機ではゴールドマン・サックスが黒幕としての役割を果たしている。この金融機関に触れずに危機を説明することはできない。

 2001年にギリシャが通貨をユーロに切り替えた際、財政状況の悪さを隠す手法を教え、債務を膨らませたのがゴールドマン・サックス。その結果として事態は深刻化、少なくとも結果としてユーロ圏を大きく揺さぶっているのだ。ギリシャにおいて、年金制度や公務員の問題などは昨日今日に始まった話ではなく、今回の危機の直接的な原因だとは言えない。

 ゴールドマン・サックスは以前にも経済危機で責任を問われたことがある。例えば、サブプライム・ローン(アメリカの低所得者向け住宅ローン)というマルチ商法まがいの仕組みが破綻、その影響で2008年にはリーマン・ブラザーズが倒産(破産法第11条の適用を申請)した際、アメリカの証券取引委員会(SEC)はゴールドマン・サックスと重役のフェイビリス・トゥーレを証券詐欺の容疑で訴追している。ギリシャのケースでは「スキャンダラスだが合法的」だった。

 ギリシャの危機で混乱が続く中、ヨーロッパ中央銀行に新しい総裁が就任している。昨年11月のことだ。この新総裁、マリオ・ドラギは2002年から2005年までゴールドマン・サックスの副会長を務めた人物。

 ドラギ以外にもゴールドマン・サックスの人脈はEUに浸透している。例えばアイルランドのピーター・サザーランド元司法大臣はゴールドマン・サックス系列のゴールドマン・サックス・インターナショナルの会長であり、1998年から2006年までヨーロッパ中央銀行役員会メンバーだったオトマール・イッシングはゴールドマン・サックスの顧問である。

 ギリシャに次いで財政危機が叫ばれているイタリアで新しい首相に選ばれたマリオ・モンティはビルダーバーグ・グループ(アメリカとEUの利害調整機関)のメンバーとして有名だが、ゴールドマン・サックスの顧問でもある。

 こうしてみると、EUにとって最大の問題は経済自体というより、ゴールドマン・サックスの影響力、いや支配構造だと言えるだろう。EUを攻撃している勢力がEU経済の根幹を動かすという構造だ。

 ギリシャの問題では3月までに処理方法を決めなければならないらしいが、そうした中、ヘッジ・ファンドだけでなく、ゴールドマン・サックスも目一杯の利益を維持しようと蠢いているようだ。リーマン・ブラザーズが倒産した際、AIGも事実上、破綻していたことを思い出す。

 言うまでもなく、最終的に負担を押しつけられるのは庶民だが、世界の庶民は自分の意志を持っている。強うそうな人間の命令に唯々諾々と従うのは日本人くらいだ。「1%」の思惑通りになるとは限らない。





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最終更新日  2012.01.20 13:15:43



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