30676702 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2012.08.21
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 かつて、アメリカにはブラック・パンサーと呼ばれる団体が存在した。公民権運動が盛り上がり、泥沼化したベトナム戦争の実態が明らかになって反戦運動が活発化しつつあった1966年に創設されている。

 創設当初は警察の暴力から身を守るというアフリカ系住民の組織だったが、次第に反資本主義、反ファシズム、反帝国主義、反シオニズムというような看板を掲げるようになり、次第に武装闘争へと傾斜していく。

 武装路線へと導いたのは日系のリチャード・アオキなる人物。1982年にブラック・パンサーが解散した後、教育者や大学のカウンセラーとして活動していたようだが、過激派の「元活動家」で武装闘争で重要な役割を果たした人物に対し、FBIやCIAは寛容な姿勢を見せたと言えるだろう。

 しかし、通常、支配グループに睨まれると、社会から抹殺される。場合によっては冤罪で刑務所に入れられ、殺される恐れさえある。例えば、アリゾナ州立大学の講師だったモーリス・スタースキー場合、FBIは彼に関する偽情報を流し、実在しない人物の名前で誹謗中傷する投書をライフ誌に送り、大学上層部にも同じ趣旨の匿名の手紙を送った。結局、彼は大学から追放されてしまう。FBIに批判的だったエドワード・ロング上院議員もライフ誌に彼を攻撃する記事が掲載され、政治的に大きなダメージを受けた。こうした例は枚挙にいとまがない。

 1950年代からFBIはCOINTELPROと呼ばれる国民監視プロジェクトを実行していた。当然、ブラック・パンサーもターゲット。女優のジェーン・フォンダやジーン・セバーグ、あるいはビートルズのジョン・レノンも監視対象だった。

 アオキを支配権力が受け入れた理由を明らかにしたのは、サンフランシスコを拠点とする調査ジャーナリストのセス・ローゼンフェルド。アオキは「T-2」という暗号名で呼ばれていたFBIの情報屋だったというのだ。この事実を示す文書を発見、FBIの元エージェントの証言を得ている。

 アメリカの武装闘争といえば、ウェザーマンを思い出す人もいるだろう。1969年に創設された組織で、爆弾闘争を展開していた。こうした暴力的な運動を支持する環境にないアメリカでは、政府に批判的な人びとへの風当たりを強めることになり、運動に大きなダメージを与えた。日本の場合、爆弾闘争の前に大多数の「活動家」は集団転向してしまったが。

 ウェザーマンの幹部で後に結婚したふたり、ウィリアム・エアーズとバーナディーン・ドールンの場合、今ではエスタブリッシュメントの一員である。

 エアーズの父親、トーマス・エアーズはコモンウェルス・エジソン(電力会社)のCEOを務めるほどの大物で、その影響だろう。単純にふたりは「転向」したのか、あるいは最初から反戦運動にダメージを与えることが目的だったのか・・・。ふたりを疑惑の目で見る人がいることは確かだ。

 捜査機関にしろ情報機関にしろ、支配システムにとって好ましくない団体にエージェントを送り込み、情報を入手するだけでなく、影響力を行使しようとする。場合によっては組織ごと乗っ取ることもある。

 イタリアで爆弾闘争を展開したとされる「赤い旅団」は組織ごと乗っ取られたと考えられている。このグループを作ったのはトレント大学の学生。1969年のことだ。当初は比較的穏健で、理想主義的な雰囲気の漂う集まりだったという。

 そのグループが武闘路線へ大きく舵を切ったのは1974年。創設メンバーでリーダー格だったふたりが逮捕され、替わって組織を率いるようになったマリオ・モレッティの影響だと言われている。ある会議のあと、その出席者が逮捕されるという出来事があったのだが、モレッティだけが逮捕を免れたということもあるようだ。赤い旅団との関係が指摘されているパリの語学学校とCIAとの関係も噂されている。

 1970年代の終わりから1980年代にかけて、アメリカの情報機関と軍はイスラム(スンニ派)武装集団を組織、その中にはアル・カイダも含まれていた。このプロジェクトにサウジアラビアが協力していたことも有名だ。

 アル・カイダの象徴的な存在だったオサマ・ビン・ラディンはサウジアラビア王室とも関係の深い大富豪の一員。一応、王室や一族とは仲違いしたことになっているのだが、これを信じていない人もいる。

 1990年代から昨年まで、アル・カイダはアメリカの「不倶戴天の敵」だと宣伝されてきた。民主主義を破壊する口実に使われてきた「テロとの戦争」もアル・カイダが敵として想定されている。

 ところが昨年、アメリカの支配層はアル・カイダと「縒りを戻した」ようだ。リビアやシリアの体制転覆プロジェクトでは、アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタールなどとアル・カイダは協力関係にある。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.08.22 01:24:23



© Rakuten Group, Inc.
X