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《櫻井ジャーナル》

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2012.11.27
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 大学の就職内定率が10月1日の時点で63%だと文部科学省が発表した。厚生労働省の発表では、就職を希望する高校生の就職内定率は41%だという。いずれも相当の厚化粧をしているのだろうが、それでもきわめて悪い数字だ。

 大企業でなく中小企業に就職すれば良いと言う人もいるようだが、1980年以来、特に1990年代から日本では中小企業が潰されてきた。これは、アメリカの命令に基づく「国策」だ。そして現在、大企業も潰れようとしている。

 優秀な下請け企業をこき使い、搾り取ることで無能な大企業が儲けていたのが1980年代まで。いわば「生かさぬよう殺さぬよう」だ。ここに日本の大企業が儲ける秘密があると考えたアメリカは「ケイレツ」を批判、経済の「構造」を問題にしてくる。そして1990年代の銀行による「貸しはがし」で優秀な中小企業が潰されていった。

 大企業の内部で技術が軽視されるのは昔からで、営業の時代はまだしも、今は財務の時代。つまり帳簿上のカネ勘定しか能がない輩が会社を経営しているのが実態。熟練労働者が減少しているだけでなく、エンジニアや研究者も十分なスタッフがいないために心身が疲弊してリタイアする人が多いという。

 通常、人が減れば補充するのだが、補充しないのが今の日本企業。生産現場は崩壊寸前、あるいは崩壊しはじめていると様々な企業のエンジニアや研究者が随分前から語っている。

 しかも、日本は教育を飼育と区別せず、予算を削って知的水準を「国策」として下げている。当然、学生の質は低下する。そこで経営者はインドや中国での採用を増やそうとしているのだという。ほかの国の教育にただ乗りしようということなのだろう。

 が、そうした国の学生を甘く見てはいけない。必要な技術、ノウハウを獲得したなら、条件の良い会社へ移っていくだろう。日本企業が切り捨てた職人、エンジニア、研究者を好条件で雇う企業もあるようだ。

 日本の経営者が崇拝してきたアメリカでも公教育が崩壊、企業の技術力は低下しているが、ソフト面は今のところ、高い水準を維持しているようだ。その典型的な企業がコンピュータ会社のアップルだろう。が、日本にはソフトの技術もない。研究開発を軽視してきたからだ。

 研究開発にも投資していると肩書きのある人から聞かされ、信じている人もいるようだが、実態は違う。日本人は「応用」や「改良」が得意だという話もあるが、これは商品化の確立が高くなければカネを出してもらえないからにすぎない。

 日本の政策、特に1990年代以降、大企業は労働者や下請け企業(実質的に労働者だが)を使い捨てにしてきた。政治家や官僚はそうした仕組みを作り上げ、マスコミは肯定している。彼らのやっていること見ていると、庶民の寿命は40歳でかまわないと思っているような気がする。福島第一原発の事故に対する政府や東電、そして財界の言動を見ても庶民の命を何とも思っていない。そうした意識が就職内定率にも表れているのだろう。






最終更新日  2012.11.28 05:22:14

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