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《櫻井ジャーナル》

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2013.03.27
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 アメリカで包括予算割当法案が成立、その中に遺伝子組み換えに関する重要な条項が潜り込ませてあると問題になっている。573ページという法案の78ページから79ページに書かれている第735条。人びとに知られると反対されるので、議会で議論されないまま、静かに書き加えられていた。バラク・オバマ大統領もこの条項を入れたまま、署名したようだ。

 この条項は「モンサント保護法」と皮肉られているもので、消費者の健康を害する懸念がある遺伝子組み換え作物の種子でも、法的に植え付けや販売を差し止めることができないと定めている。危険だと証明されない限り、モンサントなどの会社は遺伝子組み換え作物を生産し、売り続けることができるということになる。

 言うまでもなく、作物の安全性を調べるためには長い期間が必要。厳密に言うならば、何世代にも渡る調査が必要だ。その結果、危険だとわかっても、人びとが食べ、環境中にばらまかれていたならば、手遅れである。企業の経営者や投資家にしてみれば、その間に大儲けできるので問題ないのかもしれないが。

 巨大企業の過去を振り返れば、危険だとわかってもカネ儲けを優先し、事実を隠してきたことがわかる。例えば水俣病も早い段階でチッソ水俣工場の廃液が原因だということを会社は突き止めていながら廃液を海へ流し続けて被害を拡大させた。しかも、こうした行為を政治家や官僚は支援、マスコミや学者もチェックしていない。「原発安全神話」と構図は基本的に同じだ。福島第一原発のケースでも、今後、「被害隠し」が始まるだろう。

 内分泌攪乱物質、いわゆる「環境ホルモン」でも似たようなことがあった。おそらく、一般に知られるようになったのは『奪われし未来』という本が出た1997年だろうが、遅くとも1976年には化学業界の常識だった可能性が高い。測定限界ぎりぎり、おそらく測定限界以下の微量でも人間の生殖能力に致命的なダメージを与える物質が次々に見つかっている、と個人的に大学院の学生から聞いたのがその年だ。学部の学生も耳にする程度の常識だったということである。

 アメリカ農務省の関係では、BSE(牛スポンジ様脳症/狂牛病)でも情報がきちんと伝えられていない。羊のスクレーピー(羊海面状脳症)やミンク脳症、人間のクールーやCJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)も基本的に同じ病気だが、それだけでなく、少なくとも一部のアルツハイマー病患者はBSEである可能性が高い。

 例えば、1989年に発表されたエール大学の調査では、アルツハイマー病と診断された患者46名のうち6名がCJD、同じ年に発表されたピッツバーグ大学の調査では、54名のうち3名だったという。一般の患者の場合、わざわざカネを払って解剖する人は少ないので、より詳しい数字は不明だが、アルツハイマー病の数%から十数%がBSEだとしても驚きではない。

 そのアルツハイマー病だが、患者数は急速に増えている。アメリカのCDC(疫病管理センター)の記録によると、1979年に653名だったアルツハイマー病による死者数は、1991年になると1万3768名、2002年には5万8785名へ増えている。診断技術の進歩が理由だとされているが、それだけなのだろうか?

 日本でも「食の安全」に問題はあるが、それ以上に酷い状態なのがアメリカ。そのアメリカの「安全基準」に合わせろと求めることになるのがTPPだ。すでに、日本政府は「食の安全」をアメリカ並みに低めようとしている。遺伝子組み換え作物だけの問題ではない。






最終更新日  2013.03.28 02:53:43


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