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《櫻井ジャーナル》

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2013.09.20
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 ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領は今週末に中国を訪問する予定で、その際にプエルト・リコの上空を飛行するつもりでいた。ところがアメリカの当局から領空通過を拒否され、ベネズエラとアメリカとの対立はさらに厳しいものになった。

 プエルト・リコはアメリカの州ではなく属領で、いわゆる自治的未編入領域。内政は認められているが、国防や外交はアメリカが行う。島内にはアメリカ軍の基地がいくつも存在している。

 プエルト・リコをアメリカが支配する切っ掛けになったのは1898年の米西戦争だが、その前からアメリカ資本はカリブ海から中央アメリカに手を伸ばして経済的には支配、さらに南アメリカを狙っていた。その先兵として傭兵が使われている。

 そうした時、キューバなどでスペインからの独立を目指す運動が始まり、この運動を支援するという名目でアメリカ資本は介入し始めた。1898年にはキューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦「メイン号」が爆沈、アメリカ政府はスペインの破壊工作だと主張、宣戦布告して戦争が始まるのだが、実際はアメリカの自作自演だった、つまり偽旗作戦だと考える人は少なくない。

 この米西戦争で勝利したアメリカはスペインにキューバの独立を認めさせ、プエルト・リコ、グアム、フィリピンを買収、ハワイも支配下においた。さらにフィリピンを橋頭堡として中国を伺うことになる。1904年から05年にかけて戦われた日露戦争では、「棍棒外交」で有名なセオドア・ルーズベルト米大統領が講和勧告を出している。その背景にはアメリカ資本の中国を狙う目があった。

 1923年の関東大震災を切っ掛けにJPモルガンの影響下に入った日本。その4年後に山東省へ出兵、1931年に柳条湖での爆破事件を口実にして日本は侵略戦争を本格化させている。1933年にフランクリン・ルーズベルトが大統領に就任すると事情は変わるが、それまでの日本がアメリカ資本と連携していた可能性は否定できない。

 第2次世界大戦後にラテン・アメリカでは民主化の動きが強まり、アメリカ資本の利権が脅かされ始めると、1954年にグアテマラのヤコボ・アルベンス政権が、また1973年にはチリのサルバドール・アジェンデ政権が軍事クーデターでそれぞれ倒されるなど、CIAを後ろ盾とする軍事政権が作られ、殺戮と拷問の時代が続く。

 その時代を乗り切り、再びラテン・アメリカでは自立の機運が高まっているのだが、やはりアメリカ政府はそうした動きを潰しにかかっている。2002年にはアメリカのネオコンたちがベネズエラでウーゴ・チャベス政権を倒すクーデターを仕掛けて失敗、2009年にはホンジュラスのマニュエル・セラヤ大統領が軍事クーデターで追放されてしまった。

 最近ではアメリカの電子情報機関NSAがラテン・アメリカの企業や大統領の通信を盗聴していたことが発覚、ブラジルとアルゼンチンはサイバー防御で同盟を結ぶことで合意、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は10月に予定されていた訪米を延期している。

 このブラジルはBRICSの一員であり、ベネズエラのマドゥーロ大統領が訪問する予定の中国もBRICSのメンバー国。BRICS、つまりブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカは独自の通信網を作る計画もあるという。

 ここにSCO(上海合作組織)、つまり中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタンが重なる。インド、モンゴル、パキスタン、イランはSCOのオブザーバー国だ。

 アメリカにとって、BRICS/SCO/ラテン・アメリカは自分たちの支配システムを脅かす存在であり、揺さぶりをかけようとしている。おそらく、狙われている国はインド。日本がインドにアプローチをかけている理由はその辺にあるのだろう。






最終更新日  2013.09.21 01:20:17

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