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《櫻井ジャーナル》

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2013.10.22
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 情報を統制するため、安倍晋三政権は「特定秘密保護法案法案」を成立させようとしている。日本を植民地化するためには、どうしても必要な法律のひとつだ。

 日本国憲法は「主権が国民に存することを宣言」、行政など「公」に関する情報は主権者である国民のものであるはずなのだが、この宣言は無視されているのが実態。情報は官僚が独占し、民主主義国の基本が日本ではないがしろにされている。国の政策、あり方、進むべき方向などを議論するために必要な基本的な情報が官僚に囲い込まれているため、国民は闇の中で議論するか、議論自体を放棄するしかない。

 このところ情報統制を強めているアメリカに比べても日本の秘密度は高い。人生をかけて内部告発する人が出てくるアメリカと違い、沈黙を守るのも日本人の特徴。内部告発者が袋だたきにあう環境では仕方がないかもしれないが。

 日本の秘密主義を象徴する人物がチャールズ・ウィロビーだろう。この人物はドイツ出身で、占領時代の日本でGHQ/SCAPのG2(情報担当)を統括、ダグラス・マッカーサーから「かわいいファシスト」と呼ばれるような親ファシスト/反コミュニスト派だ。「小ヒトラー」と呼ばれていたとも言われている。退役後はスペインの独裁者でファシストとして有名なフランシスコ・フランコの非公式顧問に就任している。

 秘密工作、破壊活動を実行した人間の中でもウィロビーは大物で世界的に注目されているのだが、その活動の詳しい内容は明らかになっていない。その最大の理由は、アメリカで日本関係の情報公開が遅れていることにある。日本側の要請で公開にブレーキがかかっていると見られている。

 日本時代、ウィロビーの下には旧日本軍の将校が集められ、秘密工作を展開していた。有末精三陸軍中将、河辺虎四郎陸軍中将、辰巳栄一陸軍中将、服部卓四郎陸軍大佐、中村勝平海軍少将、大前敏一海軍大佐ら、いわゆる「KATO機関」は有名だ。

 辰巳を除く5名が拠点にしていた東京駅前の日本郵船ビルには「歴史課」と「地理課」があり、歴史課には杉田一次陸軍大佐、原四郎陸軍中佐、田中兼五郎陸軍中佐、藤原岩市陸軍中佐、加登川幸太郎陸軍少佐、大田庄次陸軍大尉、曲寿郎陸軍大尉、小松演陸軍大尉、大井篤海軍大佐、千早正隆海軍中佐らが、地理課には山崎重三郎陸軍中佐などが出入りしていた。

 服部は市ヶ谷駅の近くに「史実研究所」を作って活動していたが、台湾での秘密工作にも協力している。中国大陸での戦いに敗れて台湾へ逃れた蒋介石は岡村寧次大将と連絡をとり、「台湾義勇軍」を編成することで合意する。その義勇軍を指揮することなったのが富田直亮少将で、「白鴻亮」を名乗るようになる。そこで、この義勇軍は「白団」と呼ばれるようになった。白団は1950年の初頭に台湾へ渡る。この白団へ服部卓四郎大佐、西浦進大佐、堀場一雄大佐、海軍の及川古四郎大将や大前敏一大佐たちは軍事情報を提供したのだ。

 ウィロビーの下で働いた旧日本軍の軍人には「731部隊」の部隊長を務めた石井四郎中将も含まれている。日本が降伏した後、帰国した石井はCIC(米陸軍対諜報部隊)の尋問を受けているが、その過程で親しくなったウィロビーは石井たちを庇護するようになる。

 1946年になると、厚木基地の近くで「406医療一般研究所」というアメリカ軍の部隊が活動を開始、後に丸の内の三菱ビル内へ本部を移した。この部隊には309名が所属していたが、そのうち107名は日本人だったと言われている。

 1950年6月に朝鮮戦争が始まるのだが、52年にアメリカが生物化学兵器を使ったと後にウィリアム・コルビーCIA長官が議会の公聴会で証言した。ただ、関連文書は1972年から73年にかけて破棄されたため、詳細は不明だという。ジョン・F・ケネディ政権時代に統合参謀本部の特殊作戦部長を務めていたL・フレッチャー・プラウティ空軍大佐も朝鮮戦争で生物兵器が使われたと断言している。

 日本人以外でウィロビーと近い関係なのは、例えば、日本の略奪財宝にからんで登場するエドワード・ランズデール、「闇ドル」で名前が浮上したブルーノ・ビッテル神父など。ランズデールは後に情報機関の秘密工作で中心的な役割を果たすチームに所属することになり、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺でも関係者として名前が囁かれている。

 ウィロビーに限らず、日本政府は自分たちが保有している情報を公開しない。全ての情報が明らかになったら、自分たちの悪事が露見するからだ。「30年、50年たっても出せないものが全くないとは断言できない」(石破茂自民党幹事長)どころか、半永久的に出さない(日本の体制が崩壊しないかぎり)ということになるだろう。





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最終更新日  2013.10.23 00:00:41



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