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《櫻井ジャーナル》

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2013.10.26
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 正確な情報なしに適切な判断はできない。正確な情報が庶民へ届かず、支配層の悪事に気づかないようにすることが「特定秘密保護法案」の目的だ。10月25日に安倍晋三首相はこの法案を国会へ提出している。

 この法案の国会審議を担当するのは森雅子少子化担当相だというが、この人物、法案が国会へ提出される3日前に興味深い発言をしている。この法律の処罰対象として、沖縄返還に伴う密約を報じた西山太吉記者の逮捕を引き合いに出したのだ。

 西山が明らかにしたのは、返還にともなう復元費用400万ドルはアメリカが自発的に払うことになっていたが、実際には日本が肩代わりする旨の密約が存在するという事実。後にこの報道を裏付ける文書がアメリカの公文書館で発見され、返還交渉を外務省アメリカ局長として担当した吉野文六も密約の存在を認めている。

 別の密約も明らかになっている。佐藤栄作首相の密使を務めた若泉敬によると、「重大な緊急事態が生じた際には、米国政府は、日本国政府と事前協議を行った上で、核兵器を沖縄に持ち込むこと、及び沖縄を通過する権利が認められることを必要とする」というアメリカ側の事情に対し、日本政府は「かかる事前協議が行われた場合には、遅滞なくそれらの必要をみたす」ということになっていたという。(『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』文藝春秋、1994年)

 要するに、西山記者が明らかにした事実以外にも密約は存在した。両国政府が交わした密約は不問に付されたまま、密約を明るみに出した西山記者は有罪判決を受けたわけだ。マスコミも国民も西山記者を見殺しにした。

 西山バッシングの中核になったフレーズは「ひそかに情を通じ」だ。女性事務官との私的な関係に国民の意識は誘導されていったとも言える。国民全てが関係する「公」の話が、個人的な「私」の問題にすり替えられたのだ。しかも、この「私」の問題もきちんと検証されたようには見えない。

 この事件は、1974年1月の一審判決で西山は無罪、事務官は有罪ということになる。すると2月から事務官の夫も現れ、夫妻で週刊誌やテレビへ登場して「反西山」の立場から人びとの心情へ訴え始めた。このキャンペーンにマスコミも協力する。

 こうしたキャンペーンが毎日新聞の経営にダメージを与え、倒産の一因になったと見る人もいる。この推測が正しいなら、政府の情報統制という点でもこの事件は大きな意味を持つ。

 ちなみに、これは密約の事件と関係のない話だが、当時、自衛隊の某情報将校は工作用のエージェントを抱えていたという情報がある。ターゲットを操るため、その性格に合わせ、カネなり趣味なり女性なりを利用していたというのだが、その最終的な目的は日本の進む方向をコントロールすることだった。






最終更新日  2013.10.27 01:34:27

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