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《櫻井ジャーナル》

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2014.01.24
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 民主主義を蝕んでいるとNGOのOxfamから批判された「世界のリーダー」がスイスに集まり、会議を開いた。「ダボス会議」と呼ばれているようだが、この会議に出席した安倍晋三首相は記者会見で日本と中国との関係を第1次世界大戦前のドイツとイギリスに準えるという無神経な発言をして問題になっている。

 記者会見でフィナンシャル・タイムズ紙のギデオン・ラクマンから中国と日本との間で戦争が起こることは考えられるかと聞かれ、安倍は開戦を否定せず、第1次世界大戦前のドイツとイギリスを引き合いに出したという。

 言うまでもなく、回答の第一声は重要。その人物の本音が最も出やすいからで、それに外国のメディアが注目したのは当然のことである。「類似性」という語句の問題ではなく、第1次世界大戦前のドイツとイギリスを引き合いに出したこと自体が大きな問題だ。「首相の発言は全くおかしくない」とは到底、言えない。

 安倍首相は中国の軍事費を槍玉に挙げているが、日本は自国の軍事費を伸ばしているだけでなく、アメリカとの軍事的な関係を強めている。そのアメリカは東アジアへ軍事をシフトさせている。また、第1次世界大戦前のドイツとイギリスとは違い、日本は中国を侵略した過去があることを忘れてはならない。

 言うまでもなく、ラクマンが日中戦争の可能性を質問したのは、ハーバード大学のエズラ・ボーゲル教授も指摘しているように、安倍首相が好戦的な言動を続けているからにほかならない。戦争の放棄を謳った憲法を改めると公言、教科書の中から日本の戦争責任を消し去る方向へ誘導している。

 過去を振り返ると、2001年には「従軍慰安婦」を取り上げた番組について説明を求めるとしてNHKの担当部長と安倍は会談、NHK側は「その意図を忖度(そんたく)してできるだけ当たり障りのないような番組にすることを考えて試写に臨み、直接指示、修正を繰り返して改編が行われたものと認められる」(東京高裁)状況を作っている。

 そして日本の東アジア侵略を象徴する存在になっている靖国神社への参拝。参拝の「心情」を説明しても意味がないことは本ブログでも指摘済み。靖国神社へ参拝すれば、東アジア侵略を正当化する考えだと理解されて当然だ。

 日中間で棚上げになっていた尖閣諸島/釣魚台列嶼の領有権問題。その棚上げ合意を壊し、国有化したのは民主党政権だが、安倍もその立場を引き継ぎ、東アジアの軍事的な緊張を高めてきた。これは2000年にネオコン系シンクタンクのPNACが出した報告書「米国防の再構築」に合致する。日本が国有化する課程で日本は中国との戦争を覚悟したと見られても仕方がない。

 ところで、ダボス会議で安倍首相は法人税率のさらなる引き下げを宣言したようだが、法人所得課税、企業課税、法人が負担する不動産課税、そして社会保険料の事業主負担を加えた額をGDP(国内総生産)と比較すると、日本の大企業が支出している公的な負担は世界的にみて高いとは言えない。法人税だけに限っても日本企業は優遇されていて、企業利益相当額に対する法人税納付額の割合は、資本金100億円以上の企業では15〜16%にすぎない。(富岡幸雄著「税金を払っていない大企業リスト」文藝春秋、2012年5月号)

 金融規制緩和、オフショア市場/タックスヘイブンを利用した租税回避、そうしたシステムの秘密主義、巨大資本の非競争的な商行為、高額所得や投資に対する税率引き下げ、大半の人々のための公共サービスの削減もしくは過少投資などがあるとOxfamは指摘、世界のエリートが自分たちの好きなように法を操って民主主義をむしばみ、世界中の貧富の格差を生んでいると批判している。その結果、世界で最も裕福な85人の資産が世界人口の半分の資産合計に匹敵するという状況になっているわけだ。

 そうした状況にあることをダボス会議を主催した「世界経済フォーラム」も否定できず、貧富の格差拡大に関する警告を発せざるをえなかった。そうした中、消費税率を引き上げ、法人税率を引き下げるという格差拡大をもたらす強者に有利な政策を安倍首相は宣言したのだという。日本政府は自分たちが置かれた状況を理解できていないのだろう。






最終更新日  2014.01.24 16:47:17
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