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《櫻井ジャーナル》

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2014.02.24
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 日本では安倍晋三首相が自らを憲法の上の存在だと言っているようだが、ウクライナでは議会で憲法の規定が無視される事態になっている。ビクトル・ヤヌコビッチ大統領の解任が2月23日に議決されたが、ウクライナ憲法の第111条によると:

 「ウクライナ大統領が国家反逆罪又はその他罪を犯した場合、ウクライナ大統領は弾劾により解任される」のだが、そのためには「ウクライナ最高議会の憲法に定める定数の過半数の議員の発案により審議される」ことがまず必要。

 そして「調査を実行するためにウクライナ最高議会は特別弁護士及び特別調査官を含む特別臨時調査委員会を設立」し、「特別臨時調査委員会の結論及び提案はウクライナ最高議会で審議される。」

 その後、「ウクライナ最高議会の憲法に定める定数の3分の2以上の賛成によりウクライナ大統領に対する告訴を決議できる」のだが、「解任は、ウクライナ憲法裁判所の判決及び弾劾に関する調査・考察を行った憲法弁護士の意見、ウクライナ大統領が告訴されている国家反逆罪又はその他犯罪に関するウクライナ最高裁判所の意見を考慮した上で、ウクライナ最高議会が憲法に定めた定数の4分の3以上の賛成で採択できる」ことになっている。

 今回、こうしたプロセスは経ていない。「非常事態」だからという主張も成立しない。つまり、第157条は次にように定めている:

 「人権、市民権および自由を廃止又は制限する、又はウクライナの独立を廃止又はウクライナの領土の不可分性を冒涜するようなウクライナ憲法の改正は禁ず。戒厳令下又は国の非常事態下でのウクライナ憲法の改正はできない。」

 こうした条文を含む憲法を変えるための手続きは、第156条で次のように定められている:

 「基本条理」、「選挙、国民投票」、そして「ウクライナ憲法改正手順」を除くウクライナ憲法改正案は、「ウクライナ大統領又はウクライナ最高議会の憲法に定める定数の3分の2以上の国会議員により、ウクライナ最高議会に提出され、ウクライナ最高議会の憲法に定める定数の3分の2以上の賛成で採択され、ウクライナ大統領の指揮する国民投票で承認される。」ことになっていて、「ウクライナ憲法改正案の同一内容での再審議は、次のウクライナ最高議会本会議においてのみ可能である。」と定めている。

 要するに、今回の大統領解任決議は憲法違反。つまりネオコンをはじめとする「西側」勢力が黒幕のクーデターであり、民主的な手続きを経ているとは言えない。このクーデターを「西側」は「民主的」だと主張、「法治」を否定しているわけだ。ソチのオリンピックが閉幕する前に大統領を排除する必要があり、憲法を無視するしかなかったのだろう。

 このクーデターで主導権を握っているのはネオ・ナチ系の「スボボダ(全ウクライナ連合『自由』)」。2012年に実施された最高議会選挙の結果、この政党は450議席のうち37議席(8.2%)を獲得している。つまり、多数派ではない。統率され、武装していることで主導権を握ることができた。

svoboda

 ちなみに、第1党はビクトル・ヤヌコビッチ大統領が所属する「地域党」で、186議席(41.3%)を占める。ジョージ・ソロスの影響下にあるユリア・ティモシェンコの「全ウクライナ連合『祖国』」が104議席(23.1%)、元ボクサーのビタリ・クリチコが結成したUDARが40議席(8.9%)。

 多数派ではないとしても、少なくともウクライナの西部ではネオ・コンが主役になっていて、ネオコン、つまりビクトリア・ヌランド国務次官補やジョン・マケイン上院議員のような親イスラエル派が後ろ盾になっている。

 ところが、昨年のうちからイスラエルではウクライナでネオ・ナチが台頭している状況を懸念する声も出ていた。ユダヤ系やアラブ系の留学生がナイフで脅されるだけでなく、襲撃され、殺された学生もいるようだ。

 親イスラエル派が支援するグループからユダヤ人やアラブ人が襲撃されていることを矛盾と考えてはならない。イスラエルとは「シオニスト」の国であり、親イスラエル派とはシオニスト。「ユダヤ人」はシオニストが正体を隠すために使っているだけのことだ。この隠れ蓑をウクライナのクーデターは暴くことになるかもしれない。

 ウクライナで憲法が無視されている状況を批判的に報道できないマスコミが存在するなら、彼らは「法治」を否定しているということになり、安倍晋三の「改憲」にも反対しないだろう。






最終更新日  2014.02.24 18:02:31

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