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《櫻井ジャーナル》

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2014.03.17
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 ウクライナには「西側」が憲法を無視して作った暫定政権と、その暫定政権に国を追われた大統領が存在している。暫定政権はクーデターで誕生したのだが、その実戦部隊がネオ・ナチだということは本ブログで何度も書いたこと。その主要ポストを眺めると、「西側」の「国境なき巨大資本」と結びついたオリガルヒとネオ・ナチで構成されている。

 クーデターの前までウクライナの治安機関SBUの長官だったアレクサンドル・ヤキメンコによると、狙撃や火焔瓶などで市街を火と血の海にしたのはアンドレイ・パルビー。現在は国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)を統括している人物だが、このパルビーはアメリカの特殊部隊に接触しているとヤキメンコは信じている。

 「アノニマス」と名乗る集団がハッキングで入手した電子メールとされるものが公開されているが、その中にはアメリカの駐在武官補佐官ジェイソン・グレシュ中佐とウクライナ参謀本部のイーゴリ・プロツュクとの間で交わされたものがある。この電子メールが本物なら、キエフのクーデターにアメリカ軍が関与していることになる。

 スナイパーを使って多くの人を死傷させたのは暫定政権側だということをEUも認識していることは、エストニアのウルマス・パエト外相とEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)との会話で明らか。2月26日、パエト外相はアシュトン上級代表に対し、次のように言っている:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」としたうえで、「新連合はもはや信用できない」としている。

 このネオ・ナチにはネオ・ナチの思惑があるのだろうが、彼らを使っている勢力の目的は別だ。ズビグネフ・ブレジンスキーは1997年頃からウクライナを制圧することでロシアを潰す戦略を立てていた。

 また、ロバート・ゲーツ元国防長官の回顧録『任務』によると、リチャード・チェイニーはジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領を務めていたとき、ソ連やロシア帝国が消滅するだけでは不十分で、ロシアという存在自体を抹殺するべきだと話していたという。そのためにもウクライナの制圧は重要な意味を持つ。

 こうした地政学的な視点だけでなく、巨大資本のカネ儲けもウクライナ支配の大きな動機だ。その点を露骨に口にした人物がアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補。

 昨年12月13日、ヌランド次官補は米国ウクライナ基金の大会で演壇に登場、1991年からウクライナを支援するため、50億ドルを投資したと発言している。その際、彼女の背後には巨大石油企業シェブロンのマークが飾られていた。

 そのシェブロンは11月5日、ウクライナ西部で石油と天然ガスを50年間、開発することでウクライナ政府と合意している。同社の総投資額は100億ドルになるとウクライナ政府は語っていた。

 現在、ウクライナはロシアの石油に頼っているが、アメリカ企業がウクライナで油田を開発することで、ロシアから自立させようという思惑もあるようだ。これは、ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使の話だ。EUもウクライナ経由でロシアから石油を輸入しているわけで、EUに対するロシアの影響力を弱められるということにもなる。

 ヌランドとウクライナ政府の閣僚人事について話し合った会話が盗聴され、内容が公表されたジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使は、ウクライナのエネルギー自立を強めるため、ウクライナ政府に協力すると固く決意していると語っている。

 エネルギーだけでなく、モンサントカーギルなど、アグリビジネスもウクライナに食い込もうとしてた。

 ところが、11月21日、ウクライナ政府はEUと経済や政治などでの関係を強化する「連合協定」の締結に向けた準備を停止、ロシアとの協議を再開すると発表する。ロシア政府が天然ガスの価格を30%値下げし、150億ドルを支援すると提案、その好条件を受け入れたのだ。EUの実態を見てもわかるように、巨大資本は所詮、ターゲット国を食い物にするだけで、ロシア側の提案に乗ったのは当然だった。

 そして、キエフではビクトル・ヤヌコビッチ大統領に対する抗議活動が始まる。2月21日に平和協定が調印され、事態が収束に向かいそうになったところでネオ・ナチが狙撃を始めて死者が急増、クーデターを成功させたわけである。その「功績」で現在、キエフではネオ・ナチが主導権を握ったようだ。アメリカはアル・カイダに続き、ネオ・ナチというモンスターを育て上げた。






最終更新日  2014.03.17 05:13:13

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