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《櫻井ジャーナル》

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2014.04.16
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 キエフのクーデター政権は東部や南部の軍事的制圧を宣言、部隊が派遣されている。急襲されたクラマトルスクの空軍基地では、立てこもっていた「義勇軍」に4名から11名の死者が出たと伝えられている。

 ウクライナ軍のほか、国家安全保障国防会議のアンドレイ・パルビー議長によると、彼の仲間であるネオ・ナチを中心に編成された「親衛隊」の部隊が東部や南部へ向かい、またアメリカの傭兵会社、アカデミ(旧社名はブラックウォーター)系列のグレイストーンから派遣された戦闘員もこの作戦には参加しているようだ。セルゲイ・ラブロフ露外相によると、約150名の傭兵がウクライナのソコル(特殊機動警察)の制服を着て活動、ロシアでの報道によると、ドネツクの近くで20名ほどの傭兵が反クーデター派に拘束されたという。

 制圧作戦を指揮しているというSBU(ウクライナ治安局)のバシリー・クルトフ将軍は記者に対し、降伏しない活動家は「破壊される」と語ったという。そうした活動家はロシア軍の情報機関GRUが派遣した数百名の兵士から支援を受けているとも主張したようだが、EUの情報分析センター(EU INTCEN)のゲオルギ・アラフォツォフ長官は、ウクライナ東部にまとまった数のロシア兵は存在しないとフィンランドのテレビ局に語ったという。

 現在はCIAの下部機関になったと言われるSBU、ネオ・ナチを中心に編成された「親衛隊」、あるいは傭兵などは反クーデター派を「破壊」しようとしているかもしれないが、正規軍は違うようだ。インターネット上にはロシアの国旗を掲げて走る装甲車や、「義勇軍」側についた兵士の様子が流れている。

 擬装帰順だという意見もあるが、「親ロシア」というよりは「反ファシスト」の感情がウクライナに広がっているようで、ネオ・ナチに服従したくないと考える兵士が出てくるのは自然なことだ。こう考えると、全てが擬装だとは考えにくい。今後、IMFの政策など「国境なき巨大資本」の正体が明確になれば、キエフの「親EU派」の中からも暫定政権に反対する人が増えてくるだろう。

 ポーランドのトマシュ・シモニャク国防相はNATO軍を、またネオコン系の中東政策ワシントン研究所(イスラエル・ロビーのAIPACに近い)のジェームズ・ジェフリーはアメリカ軍を派遣しろと主張している。それだけキエフのクーデター政権はウクライナ国内で支持されていないということだろう。ネオ・ナチを使ったクーデターで実権を握った非合法な暫定政権に反発するのは当然だ。

 両者ともロシア軍がウクライナとの国境近くに4万名程度の部隊を集結させている証拠だとしてアメリカ政府が公表した写真を軍隊派遣の根拠にしているが、ロシア政府は昨年8月に行われた軍事演習のときに撮られたものだと反論している。





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最終更新日  2014.04.17 04:00:49



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