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《櫻井ジャーナル》

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2014.07.26
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 国連人権理事会の非難決議をあざ笑うかのようにイスラエルはガザでの住民虐殺に拍車をかけている。25日までに830名以上が殺されたと伝えられていたが、その翌日には960名以上だという。イスラエルは「ユダヤ人」を隠れ蓑に使い、「ナチス」と同じことをしている。

 建国前からシオニストはアラブ系住民を殺害していたが、世界の人びとを気にせずに虐殺を始めるようになったのは1980年代になってからだろう。シオニストの中でも戦闘的な「修正主義シオニスト世界連合」を結成したウラジミール・ジャボチンスキーにつながる人びとが1970年代にアメリカのキリスト教系カルト(原理主義者、聖書根本主義派、あるいは福音派と呼ばれる)と手を組み、リクードを創設してからだ。

 1981年6月30日にイスラエルでは選挙が予定されていたが、春の段階では労働党がリクードを引き離していた。形勢を逆転させたのは6月7日に実行されたイラクのオシラク原子炉爆撃。これでリクードの支持率は一気に上昇、選挙で勝利している。

 7月に入るとベイルートにあったPLOのビルを空爆、この時は国連のブライアン・アークハート事務次長の説得で停戦するが、戦争を継続するだけの準備ができていなかったことが大きい。

 翌年の1月にアリエル・シャロン国防相はベイルートを極秘訪問し、キリスト教勢力と会ってレバノンにイスラエルが軍事侵攻した際の段取りを決める。その2週間後にはペルシャ湾岸産油国の国防相が秘密裏に会合を開き、イスラエルがレバノンへ軍事侵攻してもアラブ諸国は軍事行動をとらず、石油などでアメリカに敵対的なことを行わないと言う内容のメッセージをアメリカへ送った。

 6月に駐英イスラエル大使をアブ・ニダル派が暗殺を試みている。このグループはPLOを率いるヤセル・アラファトと対立、しかも内部はイスラエル人エージェントの巣窟。暗殺計画もそうしたエージェントが提案したと言われている。この暗殺未遂を口実にしてイスラエルはレバノンへ軍事侵攻、1万数千人が殺されたと言われている。

 アメリカ政府の仲裁で停戦が実現、8月21日にイスラエル軍が撤退、21日にはPLOも撤退を始めて9月1日には完了、12日には国際監視軍も引き揚げるのだが、14日にイスラエルと手を組んでいるマロン派キリスト教徒の中核的存在、ファランジスト党のバシール・ジェマイエル党首が爆殺される。

 その報復だとしてファランジスト党のメンバーがイスラエル軍の支援を受けながら無防備のサブラとシャティーラ、両キャンプを制圧、その際に数百人、あるいは3000人以上の難民が殺されたという。

 それまで親イスラエルだったイギリスの労働党もこの虐殺でイスラエルを批判しはじめるのだが、そこで登場するのがトニー・ブレア。1994年1月にブレアは妻と一緒にイスラエルを訪問、その2カ月後にロンドンのイスラエル大使館で富豪のマイケル・レビーを紹介される。それ以降、レビーはブレアのスポンサーだ。

 その2カ月後、労働党のジョン・スミス党首が心臓発作で急死、新たな党首としてブレアが選ばれ、党の政策を大きく変更する。イスラエルを後ろ盾にしている強みから労働組合との関係を弱め、「ニュー・レーバー」と呼ばれるようになった。

 2001年にアメリカではジョージ・W・ブッシュが大統領に就任するが、この人物を担いでいたのはネオコン、つまり新イスラエル派。イラクへの先制攻撃などでブレアがアメリカを支援する理由は言うまでもないだろう。現在、ブレアはエジプト政府の顧問になっている。

 2008年12月から09年1月にかけてもイスラエル軍はガザに軍事侵攻、その際に化学兵器の白リン弾やGBU39(スマート爆弾)も使用している。こうした兵器を使った攻撃で住民が殺され、住宅が破壊されただけでなく、学校、救急車、病院、そしてUNRWA(国連難民救済事業機関)の施設も攻撃された。この軍事侵攻で1300名以上が殺されたと言われている。

 イスラエルが周囲に軍事侵攻する理由のひとつは「大イスラエル構想」、つまり南はナイル川から北はユーフラテス川まで、西は地中海から東はヨルダン川までをイスラエルの領土にするというプランだが、2000年代に入ると別の意味が強まる。地中海の東側に湾岸なみの天然ガスや石油が存在していることが明らかになったのだ。

 2001年にイスラエルの沖で調査が始まり、2009年に天然ガスが発見された。その発見に関係した会社のひとつ、ノーブル社のロビイストとして仕事をしているひとりがビル・クリントン元大統領だ。USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。

 イスラエルの好戦度が大きく高まった理由のひとつは、ボリス・エリツィン時代のロシアで不公正な手段で巨万の富を築いたオリガルヒがウラジミール・プーチン時代に入ってから国外へ逃亡、イギリスとイスラエルへ逃げ込んでいる。イスラエルにはロシアの巨大石油企業だったユーコスの幹部も亡命している。

 こうしたロシアからの亡命者は財産をロシアの外へ隠していたので、資金力がある。彼らも地中海東岸の天然ガスに興味を持っているだろうが、それだけでなく、ロシアを再占領しようと考えているはずだ。

 2000年代の半ばからイスラエルはアメリカやサウジアラビアと手を組み、イラン、シリア、レバノンを乗っ取る秘密作戦を開始した。サウジアラビアが雇っている武装集団のISIL(またはISIS、IEIL)が油田地帯を占領しているのも偶然ではないだろう。ロシアではキエフ政権の攻撃で多くの住民が避難したドネツクやルガンスクの地下にも天然ガスが存在、アメリカの石油企業が狙っている。IMFが融資の条件に東部や南部の制圧を提示した理由も同じだ。

 ウクライナ最大の天然ガス製造会社で、ジョー・バイデン米副大統領の息子が重役として名を連ねるブリスマも東部の天然ガス地帯に利権を持っている。キエフ軍の攻撃で住民が非難してくれれば、彼らを排除する手間が省ける。ロシアとの戦争を望んでいる勢力とエネルギー利権に目が眩んでいる勢力がアメリカを動かしているわけだ。






最終更新日  2014.07.27 13:08:21


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