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《櫻井ジャーナル》

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2014.08.19
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 FSA(自由シリア軍)と行動を共にしていた日本人をIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)が拘束したと伝えられている。FSAもISもアメリカ/NATOやペルシャ湾岸の産油国が支援している反バシャール・アル・アサド政権の武装集団。西側では「良い反政府軍」と「悪い反政府軍」が存在しているかのように宣伝しているが、プロレスのベビーフェイス(善玉)とヒール(悪玉)のようなもので、ひとつの興行を構成する要素にすぎない。

 西側がFSAを編成、支援を始めたのは2011年の春。トルコにある米空軍インシルリク基地でアメリカの情報機関員や特殊部隊員、あるいはイギリスとフランスの特殊部隊員らが戦闘員を訓練し始めた。その後、トルコはヨルダンと同じように反シリア政府軍の拠点になる。戦闘員を雇い、資金や武器/兵器を提供したのはサウジアラビアやカタールだ。

 このFSAをシリア人は侵略軍と認識、アメリカ/NATOや湾岸産油国の思惑通りに事態は進まなかった。その当時、この同盟国はリビアでも体制転覆プロジェクトを実行、同じ年の10月にムアンマル・アル・カダフィを惨殺、体制乗っ取りに成功する。

 反カダフィ軍の地上部隊はアル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団)が主力だったが、カダフィ体制が崩壊すると武器を携えてシリアやイラクへ移動したと見られている。そのときに化学兵器もリビアの兵器庫から持ち出された可能性も指摘されている。

 武器は戦闘員が持ち出しただけでなく、NATOが輸送したとも伝えられている。マークを消したNATOの軍用機がシリアとの国境に近いトルコの軍事基地へ武器と戦闘員を運んだというのだ。必然的にシリアの戦闘員はアル・カイダ系が多くなる。

 その後、シリアではアル・ヌスラ、イスラム戦線、ISが反政府軍の中心になる。アル・ヌスラはカタールに近く、イスラム戦線はサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタン総合情報庁長官、ISはアル・カイダ系のAQIを中心に編成された戦闘集団だという。今ではISへ集中、この組織の雇い主はサウジアラビアのアブドゥル・ラーマン・アル・ファイサル王子。

 ISの主要メンバーは2012年、ヨルダン北部に設置された秘密基地でアメリカのCIAや特殊部隊から訓練を受けたと伝えられている。今年3月、資金はサウジアラビアやカタールから出ているとノウリ・アル・マリキが批判していた。

 中東/北アフリカやウクライナを含む旧ソ連圏の制圧プロジェクトを推進しているのはネオコン(アメリカの親イスラエル派)。その中核グループに属するポール・ウォルフォウィッツは1991年、湾岸戦争でサダム・フセインを排除(殺害)しないまま停戦になったことを怒り、シリア、イラン、イラクを殲滅すると語っていたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官の話だ。

 このウォルフォウィッツを中心とするグループは1992年にDPG(国防計画指針)の草案を作成、潜在的なライバルを力で潰し、資源を押さえ、アメリカの支配する新しい世界秩序を築こうというビジョンを描いていた。これがいわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」。

 2007年になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがニューヨーカー誌で、アメリカとサウジアラビアにイスラエルを加えた「三国同盟」がシリア、イラン、あるいはレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めたと書いている。

 この工作では「イスラム系武装集団」を使うことになるが、この記事が出る2年前に組織されたのがアル・カイダ系のAQIで、2006年にAQIはいくつかのグループを吸収してISが誕生する。アル・ヌスラやイスラム戦線が「ライバル」として存在していたが、サウジアラビアが雇うことになり、事実上、同じ戦闘集団だ。

 2013年にはジョン・マケイン上院議員がトルコからシリアへ密入国、反シリア軍の幹部と会っている。この密入国の御膳立てをしたシリア緊急特別委員会は、イスラエル系ロビー団体AIPACの傘下。だからこそ、ネオコンのマケインが動いたわけだ。シリアでマケインはアル・ヌスラのモハマド・ノウルとも会っている。

McCain-IS

 その時に開かれた会議にマケインも出席しているのだが、その席にはFSAのイドリス・サレム准将やISを指揮していたイブラヒム・アル・バドリー(アブ・バクル・アル・バグダディ)も同席していたとされている。このマケイン、ウクライナではネオコン仲間のビクトリア・ヌランド国務次官補と一緒に政権転覆を画策、つまりロシアとの戦争を目論んでいる。






最終更新日  2014.08.20 00:35:03

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