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《櫻井ジャーナル》

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2014.09.15
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 アメリカ政府は「反イスラム国(IS)連合」を結成、自らが作り上げたモンスターと戦うのだという。攻撃に参加するのはアメリカのほか、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、そしてサウジアラビアやカタールを含むペルシャ湾岸の6カ国。さらにグルジアも参加すると言われているが、イランや肝心のシリアも入っていない。(イランは参加を拒否したという。)ISのナンバー2、アブ・オマル・アル・シシャニ(本名はタルカーン・バチラシビリ)はグルジア情報機関のエージェントだと言われている。

 NATOの一員でシリアに対する軍事侵略で拠点になっているトルコは軍事作戦に参加しない意向らしいが、イラクで拘束されたISの戦闘員、ハマド・アル・タミミによると、彼はサウジアラビアからクウェート経由でトルコへ渡り、そこからシリアへ入ったという。トルコは現在でもISの戦闘員がシリアへ入る主要なルートになっている。

 この「反イスラム国(IS)連合」を使い、アメリカ政府はシリアへ軍事侵攻するつもりだと見る人は少なくない。ネオコン(アメリカの親イスラエル派)は一貫してシリアのバシャール・アル・アサド政権を武力で倒そうとしている。昨年の「化学兵器話」が真っ赤な嘘だったことは明確になった現在、ISを新たな口実にしている。そのためにもISは残虐でなければならい。

 昨年の9月末まで駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンは退任前、イスラエルはシリアの体制転覆を望み、アサド体制よりアル・カイダの方がましだとエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている。この「アル・カイダ」を「IS」と読み替えても間違いではない。

 AQI(イラクのアル・カイダ)を核にして2006年に編成されたISI(イラクのアル・カイダ)が2013年4月にシリアでも活動を活発化させ、ISIL、ISIS、最近ではISと呼ばれるようになった。2013年といえば、アメリカ/NATOがシリアへの直接攻撃に向かって動き始め、「化学兵器話」を必死に宣伝していた。

 アル・カイダを動かしてきたのはバンダル・ビン・スルタン。1983年から2005年までアメリカ駐在サウジアラビア大使を務め、12年から今年の4月まで総合情報庁長官。「健康上の理由」で長官を辞職したのだが、今は国家安全保障問題担当顧問に収まっているようだ。

 現在、ISの雇い主として名前が出ているのはサウジアラビアのアブドゥル・ラーマン・アル・ファイサル王子だが、バンダルのアル・カイダ/ISに対する影響力が消えたとは思えない。イラクの前首相、ヌーリ・アル・マリキは今年3月、サウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供していると批判していた。当然、そうした武装勢力の中にはISが含まれる。

 シリアの反政府勢力はアメリカ/NATOとペルシャ湾岸産油国が組織、戦闘員を集め、武器を提供、軍事訓練してきた。2011年の春の段階で、トルコにある米空軍インシルリク基地がシリアの体制を転覆させるプロジェクトの重要拠点になっている。

 つまり、アメリカ政府は「マッチポンプ」という古典的な手法を使っている。例によって「良い反シリア政府軍」と「悪い反シリア政府軍(IS)」という話を流しているが、そうした区別はつけられないというのは常識。そもそも、2012年にはヨルダン北部に設置された秘密基地でCIAや特殊部隊がISの主要メンバーを軍事訓練したと伝えられている。

 例えば、ISに首を切られたフォトジャーナリストのジェームズ・フォーリーの場合、当初は「良い反シリア政府軍」のダウド旅団に拉致されたのだが、今年7月にこの戦闘集団はISへ入っている。フォーリーの家族によると、拉致グループの身代金を支払おうとしたなら、「テロリストを支援した」として起訴するとアメリカ政府から脅されたという。

 アメリカ政府が「反イスラム国(IS)連合」を結成した目的はISを壊滅させることではなく、シリアのアサド政権を倒すことにあると見るべきだろう。それがイスラエル政府やネオコンの願いであり、イランを潰す重要なステップになる。






最終更新日  2014.09.16 10:37:39

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