《櫻井ジャーナル》

2014/09/16(火)13:36

米政府が主導して「反イスラム国連合」が結成されたが、ISの黒幕が米だということは公然の秘密

 IS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)と戦うと称し、アメリカ政府は「反イスラム国(IS)連合」を結成した。攻撃に参加するのはアメリカのほか、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、そしてサウジアラビアやカタールを含むペルシャ湾岸の6カ国。さらにグルジアも参加すると言われている。  バラク・オバマ米大統領はシリアの主権を無視、シリア領を攻撃する姿勢を見せているが、その際、領空侵犯したアメリカ軍機を攻撃するようにシリアのバシャール・アル・アサド大統領が命令したなら、同国の防空システムを破壊してアサド体制を倒すと恫喝している。ロシアがウクライナ問題に対応、シリアには手が回らないと踏んでのことだろう。  しかし、アメリカのプランはイラクのフアード・マアスーム大統領からもクレームが出ている。エジプト、アラブ首長国連邦、そしてサウジアラビアがISを空爆する必要はないと発言したのだ。9月15日にはパリへ26カ国がの代表が集まり、ISへの対応を協議したのだが、この会議にはイランが招待されなかった。この点についてもマアスーム大統領は遺憾の意を表している。ジョン・ケリー米国務長官はイランとも話し合う容易があると言っているが、話し合うためにイランを招待すべきだったとイラクの大統領は主張しているのだ。  前のイラク首相、ヌーリ・アル・マリキは今年3月、サウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供していると批判していた。その戦闘集団の中心にはISが存在する。マアスームもマリキもISに関して基本的に同じ認識を持っているようだ。  サウジアラビアやカタールがISを含むアル・カイダを雇ってきたことは公然の秘密であり、アメリカ/NATOが武器を提供、戦闘員を訓練してきたとも報道されている。このアメリカ/NATOとサウジアラビアなどペルシャ湾岸の産油国がシリアやイランの体制転覆を目指していることも知られている。  「ISとの戦争」はアメリカ政府が演出している茶番劇にすぎない。その茶番劇に世界中の国々はつきあわされているわけだ。つきあわないと何をやらかすかわからないとアメリカは思われている。リチャード・ニクソンが言うところの「狂人理論」が機能しているのだろうが、徐々に脅しはきかなくなり、アメリカ支配層の手は核兵器の発射ボタンに近づいている。

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