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シリアのパイプライン爆破を考えているとアメリカのジュリエッタ・バルス・ノイス国務次官補は語っている。同次官補によると、アメリカ政府が軍事攻撃を正当化する口実に利用しているIS(イスラム国、ISIS、ISIL、IEILとも表記)は「歴史上、最も豊かなテロリスト」。石油販売で得る収入が1日に200万ドルあり、その資金源を断つことが目的だという。
シリアやイラクで盗んだ石油をISがパイプラインでトルコの港に運んでいると言われているので、ノイス次官補の主張にも一理あるように見える。その港からタンカーでイスラエルへ運び、そこで提供される偽造書類を使ってEUへ売っているという。 しかし、パイプラインを破壊しなくても販売ルートを断つことは可能。実際、1951年にイランがAIOC(アングロ・イラニアン石油)を国有化した際、会社側は石油の生産と輸送を止めることで対抗している。 AIOCをアメリカやイギリスの政府が支援、オープン・マーケットでの売却を阻止、イラン政府がイタリア石油公団のエンリコ・マッティ総裁に接触すると、裏から手を回して交渉を失敗させた。次にイランはソ連に接触するが、アメリカはクーデターで政権を倒している。 シリアの製油施設をアメリカが空爆で破壊したのはシリアの石油生産能力を低下させることが目的だとも推測されているが、パイプラインの破壊は販売能力の低下だろう。そもそも、サウジアラビアやカタールなどペルシャ湾岸の産油国がシリアの体制転覆を目論んだ理由のひとつが競合するパイプラインを壊すことだった。 ISの販売を請け負っていると噂されている会社はARAMCO。つまり、SOCAL(スタンダード石油カリフォルニア)、テキサコ、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー、ソコニー・バキューム(後のモービル)が出資している巨大企業だ。重役の多くがCIAとつながっていると信じられている。この会社がISとの取り引きを拒否すれば、やはりISの重要な収入源が断たれる。 シリアの体制転覆を望んでいる国のひとつ、イスラエルは「大イスラエル構想」を目論んでいる。旧約聖書に書かれた「約束の地」、つまりナイル川とユーフラテス川に挟まれた地域をイスラエルの領土にしようというわけだが、これは現在、地中海東岸で発見された天然ガス田とも関係してくる。この資源を奪おうというわけだ。イスラエルがガザ攻撃を強めた一因もここにある。 「大イスラエル構想」は「修正主義シオニスト世界連合」を創設したウラジミール・ジャボチンスキーから始まる。その側近で後継者のひとり、ベンシオン・ネタニヤフは現イスラエル首相、ベンヤミン・ネタニヤフの父親だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.10.25 04:41:22
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