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《櫻井ジャーナル》

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2014.12.12
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 前回も書いたように、アメリカでは「1%」に富が集中する時代は終わり、今は0.01%が富を独占する時代に入っている。庶民階級の間では「ワーキング・プア」は過去のものになり、「ワーキング・ホームレス」が問題になっている。そうした状況であるにもかかわらず、政府や大手メディアは「景気回復」を主張する。その理由のひとつが失業率の低下だが、実態は低賃金労働者の増加や就職活動の断念にすぎない。当然、記者や編集者も実態を知っているが、見て見ぬ振りだ。

 ジョージ・W・ブッシュは大統領時代、アルゼンチン大統領だったネストル・キルシュネルに対し、「経済を復活させる最善の方法は戦争」であり、「アメリカの経済成長は全て戦争によって促進された」と力説していたという。この証言はオリバー・ストーンが制作したドキュメンタリー映画「国境の南」に収められている。

 このブッシュ・ジュニア、ベトナム戦争の最中に兵役に引っ掛かり、テキサス州の州兵になっている。第147戦闘航空団。そこには政財界の大物、例えばロイド・ベンツェン、ジョン・コナリー、H・L・ハントの息子が所属していた。

 この航空団はベトナム戦争へ行くことのない「シャンペン部隊」で、名簿の上でだけ在籍している「幽霊兵」も存在していたとする証言がある。(Russ Baker, “Family of Secrets”, Bloomsbury, 2009)ブッシュ・ジュニアたちもそうした「幽霊兵」だったのではないかと言われている。

 この証言をしたビル・バーケット中佐の調査内容を裏付ける証拠があった。数百名の州兵の支払い状況を記録したマイクロフィルムだが、1997年頃にこのフィルムが再生不能なダメージを受け、98年にはバーケット中佐がパナマへ異動させられてしまい、そこで重病に罹ってしまう。

 戦争で軍需産業や金融機関は儲かるが、政府は疲弊する。ただ、アメリカの場合は2度の世界大戦で本土が戦場にならず、生産設備や耕作地などが破壊を免れ、金融システムが未発達だったこともあって巨大資本の儲けも社会に循環した。第2次世界大戦でドイツや日本が略奪した財宝をアメリカの一部支配層が手に入れた可能性はきわめて高く、その恩恵にも浴したはずだ。

 日本の略奪プロジェクトは「金の百合」と呼ばれ、一部は日本へ持ち帰っているが、少なからぬ財宝が中継基地だったフィリピンで隠されたと言われている。その実態はフェルディナンド・マルコスがアメリカ軍によって拉致された後、アメリカで裁判が起こされて少しずつ明らかになった。この資金は日本の支配層を潤し、「復興」にも貢献した可能性がある。この問題を日本では「M資金話」という呪文で封印しているが、その理由は言うまでもないだろう。

 日本は第一次世界大戦でも物資の略奪で儲けている。ロシア革命後、シベリアを占領して1922年までそこに留まっているのだが、その際に日本軍がロシアから金塊を持ち帰ったと言われている。この問題を最初に取り上げたのが中野正剛。その時に持ち帰った金塊は1万2000キログラムに達すると推測されている。

 こうした略奪だけでなく、日本には「戦争特需」を期待する人もいる。戦場では破壊と殺戮が繰り広げられるのであり、日本が戦場になる可能性もあることを考えていない。原爆を落とされた広島や長崎、激しい地上戦が展開された沖縄、焼夷弾で多くの人が焼き殺された東京などの都市に住んでいた人びと、中国で日本軍に置き去りにされた人びとなど戦争の現実を目撃した人の大半は戦争に反対してきたが、そうした人は少なくなった。ブッシュ・ジュニアのように、欲望だけで戦争を見る人もいるようだ。そうした状況が安倍晋三政権を暴走させる一因になっている。





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最終更新日  2014.12.12 22:49:55



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