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《櫻井ジャーナル》

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2014.12.20
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 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(PSE)がハッキングされ、同社の製作した「ザ・インタビュー」の封切りが中止されたという。朝鮮の金正恩第一書記の暗殺をテーマにした「コメディ」で、同第一書記の頭を吹き飛ばす場面があるという。

 封切りされないとなると、大半の人は映画を見られないのだが、デイリー・ビースト(ニューズウィーク誌系)によると、少なくとも2名のアメリカ政府高官は映画のラフ・カットを、つまり編集の途中で見て、6月の終わりには映画を有効なプロパガンダだとして賞賛していたとも報道されている。これは外部に漏れた電子メールで発覚した。つまり、この映画の製作にアメリカ政府が関与しているということ。第一書記の頭を吹き飛ばす場面は国務省の意向だったともされている。

 映画の製作に関与していたアメリカ政府のボス、バラク・オバマ大統領はPSEの封切り中止を批判、根拠、証拠を示すことなくハッカー攻撃に朝鮮政府が関与していると断定したという。FBIもハッカーの背後で朝鮮の政府が関与していると断定したそうだが、当初、そうした根拠はないとしていた。最初に送られてきた11月21日付けのメールには朝鮮や「ザ・インタビュー」には言及されていなかったようだ。何か情報をつかんだなら、明らかにすべきだ。

 今月上旬、アメリカ政府がロシアとの戦争を目指して「偽旗作戦」を計画しているという噂が流れ始めていた。PSEに対するハッキングがその作戦なのかどうかは不明だが、少なくともハッキングを利用して東アジアの軍事的な緊張を高めようとしている。そもそも映画の製作自体がそうした目的だった可能性が高い。

 1970年代のアメリカ上院の「情報活動に関する政府工作を調査する特別委員会」(フランク・チャーチ委員長)や下院の「情報特別委員会」(ルシアン・ネッツィ委員長、後にオーティス・パイクへ変更)がCIAの違法活動を調べ、その中でCIAとメディアとの関係が出てきた。ウォーターゲート事件を追及したことで有名なカール・バーンスタインも1977年、ローリング・ストーン誌に「CIAとメディア」という記事を書いている。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)その後メディアに対する巨大資本の支配度は強まり、気骨のある記者は排除されてきた。

 アメリカの映画界、いわゆるハリウッドも先住民の虐殺を正当化する映画を作り続けるなど支配層のプロパガンダ機関。イスラエルを批判することは許されず、イスラム世界は悪役として描かれる。そのハリウッドを象徴する映画賞が「アカデミー賞」だ。

 そのアカデミー賞で助演男優賞を受賞したハビエル・バルデム(2007年公開の「ノーカントリー」)や助演男優賞を受賞したハビエル・バルデム(2008年公開の「それでも恋するバルセロナ」)がイスラエル軍のガザにおける虐殺を批判したところ、ハリウッドのプロデューサーの逆鱗に触れ、「ブラックリスト」に載せられると言われた。

 ハリウッドを支配する人びとの背後にアメリカやイスラエルの情報機関が存在することは有名な話。例えば、ハリウッドの大物プロデューサーだったアーノン・ミルシャンはLAKAM(イスラエルの科学情報連絡局)とつながっていた。1985年にジョナサン・ジェイ・ポラードという男がイスラエルのスパイとしてアメリカで逮捕され、有罪判決を受けて服役中だが、このポラードを動かしていたのがLAKAM。このミルシャンに協力していた人物のひとりが映画監督のシドニー・ポラックだ。

 今回のハッキングは誰が行ったか不明で、少なくとも朝鮮が実行したことを示す証拠は皆無に等しい。ただアメリカ政府が朝鮮を名指しで批判しているだけだ。そのアメリカ政府は嘘をつき続けてきた。アメリカ政府の嘘を暴くような映画は許されない。イラクを先制攻撃する口実にされた「大量破壊兵器情報」をテーマにした映画「グリーン・ゾーン」も偽情報を流したことへの弁明にすぎず、「ダメージ・コントロール」の域を出ない。






最終更新日  2014.12.20 19:53:49

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