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《櫻井ジャーナル》

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2015.01.23
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 1月22日にキエフ軍がドネツクの市街を攻撃、バスなどが破壊されて13名から15名が殺され、多くの人が負傷したと報道されている。その前からウクライナの東部で戦闘が激しくなり、キエフ軍は大きなダメージを受けて空港はドネツク人民共和国側が制圧したと伝えられていた。ドネツク側によると、キエフは訓練が不十分な部隊を送り込んでいるようで、これが事実なら一種の「自爆攻撃」。本格的な攻撃の前に人民共和国側を少しでも疲弊させておきたいのかもしれない。

 この戦闘を受け、相変わらずペトロ・ポロシェンコ大統領は証拠、根拠の類いを示すことなくロシア軍が攻撃していると主張しているが、1月20日にはバラク・オバマ米大統領も一般教書演説の中で同じように証拠も根拠も示すことなく、ウクライナにロシア軍が存在しているかのように主張している。嘘も繰り返せば事実だと思わせることができると考えているのだろう。

 アメリカ欧州陸軍司令官のフレデリック・ベン・ホッジス中将を中心とする代表団が21日にキエフ入りし、キエフ政権の親衛隊を訓練するためにアメリカ軍の部隊を派遣する意向を示した。この部隊派遣は国務省の計画だという。

 中東/北アフリカやウクライナの体制転覆プロジェクトを主導してきたのはアメリカの情報機関と国務省だと言われ、そこに地上軍としてサラフィーヤ/ワッハーブ派を主体とする武装集団やネオ・ナチを使わなければならない理由があると指摘する人もいる。

 バラク・オバマ政権はジョージ・W・ブッシュの時代ほどネオコン/シオニストの影響力は強くないが、それでもウクライナのクーデターを現場で指揮していたビクトリア・ヌランド国務次官補はその一派。彼女の結婚相手はネオコン/シオニストの大物として知られているロバート・ケーガンだ。

 それに対し、オバマ政権で注目されているのはズビグネフ・ブレジンスキー。この人物はポーランド生まれで、デイビッド・ロックフェラーと緊密な関係にあった。1970年代、このふたりに大統領候補として選ばれたのがジミー・カーター。このカーターが安全保障の分野をブレジンスキーに任せたのは必然だと言える。そしてブレジンスキーはソ連の体制転覆を目指してアフガニスタンで秘密工作を始めた。

 ブレジンスキーの教え子の中にマデリーン・オルブライトがいる。ビル・クリントン時代の国務長官で、ウクライナに対する先制攻撃を推進したひとりだ。このオルブライトが親しくしていた研究者のひとりにロイス・ライスという女性がいるのだが、その娘がスーザン。オバマ大統領が安全保障問題担当の大統領補佐官に選んだ人物である。

 選挙戦で外交問題の顧問としてオバマが雇ったマーク・ブレジンスキーはズビグネフ・ブレジンスキーの息子。現在、スウェーデン駐在大使を務めている。選挙でオバマのライバルだったジョン・マケイン陣営の外交問題顧問はイアン・ブレジンスキーだが、この人物はもうひとりの息子だ。オバマでもマケインでもアメリカはウクライナを奪還し、ロシアを屈服させようとしたのだろう。

 問題はロシアのウラジミル・プーチン大統領が脅しに屈しないこと。それどころか、経済や外交の分野でアメリカは窮地に陥ってしまった。ドルが基軸通貨の地位から滑り落ちるのは時間の問題のように見える。こうした状況を打開するため、ズビグネフはバルカン諸国のアメリカ軍を増強すべきだと主張しているようだが、軍事力に頼るしかないほど追い詰められているということだろう。昨年12月の上旬から噂になっているが、アメリカは何か大きな偽旗作戦を目論んでいる可能性がある。

 好戦的な雰囲気を強め、軍事力の行使に人びとが合意するように仕向けるため、西側の有力メディアは反ロシア/反プーチンのプロパガンダに拍車をかけるだろう。が、すでにEUではメディアの信頼度が急落している。





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最終更新日  2015.01.23 19:58:44



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