14628271 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2015.02.15
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 イランの義勇兵組織、バスィージのモハマド・レザ・ナクディ准将は、イラクのアメリカ大使館がIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)の司令部だと語り、アメリカ軍の航空機から支援物資をISへ落としているとしている。これまでもアメリカ軍が落とした軍事物資をISが回収していることは伝えられていたが、これはミスでなく、故意だったとナクディは主張しているわけだ。

 ISの正式名称を翻訳すると「イラクとレバント(エーゲ海や地中海の東岸地方)のイスラム首長国」になるが、元々は1999年に設立された「一神教聖戦団(JTJ)」。ジョージ・W・ブッシュ政権がイラクを先制攻撃し、アル・カイダ系の武装集団を弾圧していたサダム・フセインを排除した翌年、2004年にJTJはオサマ・ビン・ラディンへ忠誠を誓って名称を「メソポタミアの聖戦ベース機構」へ変更した。一般にはAQI(イラクのアル・カイダ)と呼ばれている。アル・カイダはアフガニスタンでソ連軍と戦わせるためにアメリカが編成した仕組みだ。

 エジプトで出されているアル・ワフド紙の2001年12月26日付け紙面にはオサマ・ビン・ラディンが10日前に肺の病気が原因で死亡し、トラ・ボラで埋葬されたとする記事が載っているのだが、それを知っていてもいなくても、忠誠を誓うことには関係ない。

 2001年7月にビン・ラディンは腎臓病を治療するため、アラブ首長国連邦ドバイの病院に入院していたとフランスのル・フィガロ紙は報道しているので、その年に死んでも不思議ではないが、ビン・ラディンはアメリカが中東へ軍事侵攻する口実であり、アメリカ政府はその死を認められない。

 2006年にAQIは小集団を吸収し、その年の10月にISI(イラクのイスラム国)と呼ばれるようになる。それから5カ月ほどしてJTJ時代からのリーダー、アブ・ムサブ・アル・ザルカウィは殺され、アブ・アブドゥラ・アル・ラシド・アル・バグダディが率いるようになったとされている。

 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に書いた記事によると、この頃、アメリカ(ネオコン/シオニスト)はイスラエルやサウジアラビアと共同でシリアとイランの2カ国とレバノンを拠点にしているヒズボラを倒すための秘密工作を始めている。この工作とISIのリーダー交代が関係していると考えることはできる。

 しかし、2007年当時、元CIAオフィサーで中東の専門家だったブルース・リーデルは、バグダディの実在を疑っていたという。そのバグダディは2010年4月に殺され、アブ・バクル・アル・バグダディが新しいリーダーになって現在に至っているとされているが、この新バグダディの正体も明確でない。

 1988年から93年にかけてフランスの外相を務めたロラン・デュマによると、2009年にイギリスを訪問した際、イギリス政府の高官からシリアで工作の準備をしていると告げられたという。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国連合がこの時点でイギリスと連携していたかどうかは不明だが、「アラブの春」以降は手を組んでいる。デュマは政府から離れているとしてイギリス政府高官の話に乗らなかったというが、リビアやシリアの体制転覆プロジェクトにはフランスも参加している。

 ISはイラクやシリアだけでなく、最近はパキスタンへも侵入しているようで、昨年12月には指揮官のユザフ・アル・サラフィを含む3名がラホールで拘束されたという。尋問で活動資金がアメリカ経由でISの手に渡っていることが判明、現地での活動だけでなく、シリアで戦う戦闘員を雇う工作も行い、戦闘員ひとりにつき600ドルを受け取っていたようだ。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビア、イギリス、フランス、カタールといった国々はリビアと同時にシリアを攻撃、リビアのムアンマル・アル・カダフィを惨殺した後には戦闘員をシリアへ移動させた。リビアでアメリカなどの国々は地上軍としてアル・カイダ系のLIFGを使っていたので、必然的にシリアの反政府軍ではアル・カイダ色が濃くなった。

 リビアの制圧に成功した後、2012年にヨルダンの北部に設置された秘密基地でアメリカ、イギリス、フランスから派遣された教官が反シリア政府軍の戦闘員数百名を2013年3月の時点ですでに訓練合計1200名にする予定だと伝えられているが、その中にはISに参加する者もいたという。

 ヨルダンは反シリア政府軍の訓練に協力しているだけでなく、シリア攻撃の拠点を提供している親米国家だが、それだけでなく、イスラエルとの関係を深めている。例えば、ヨルダンはイスラエルから天然ガスを輸入しようとしているのだ。

 イスラエルのグローブス紙によると、取り引きは15年以上、金額は150億ドルに達するようだが、この取り引きについてヨルダンの国会議員、ヒンド・アル・ファイーズはテレビのインタビューで激しく批判。同議員と同じように考えているヨルダン人は少なくないはずで、大きな不安定要因になっている。国民をコントロールするため、何らかの仕掛けが必要になっていた。少なくとも結果として、ISがパイロットを焼き殺すというパフォーマンスは有効だった。

 殺されたヨルダンのパイロットは空爆に参加していたというのだが、これは昨年、9月23日に始められた作戦。まずビルが破壊されるようすが流されたが、当日、現地で取材していたCNNのアーワ・デイモンが翌日朝に放送したところによると、ISの戦闘員は空爆の前に極秘情報を入手、攻撃の15から20日前に戦闘員は避難して住民の中に紛れ込んでいたという。

 安倍晋三政権もISを使って日本をアメリカの戦争マシーンに組み込む作業を急ピッチで進めている。ウクライナを見てもわかるが、追い詰められたアメリカは軍事的な緊張を高めて相手を屈服させようとしているようだ。

 日本なら通用するかもしれないが、相手は中国とロシア。ウラジミル・プーチン露大統領は外交攻勢でアメリカを押さえ込もうとしているが、戦争になれば受けて立つ姿勢を鮮明にしている。そうなればEUも日本も破滅。そこでEUは危機感を高めて外交へ軸足を移しているのだが、安倍政権は嬉々として戦争の準備をしているように見える。キリスト教系カルトの国と「現人神」の国は親和性が強いようだ。






最終更新日  2015.02.16 11:44:58

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.