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《櫻井ジャーナル》

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2015.05.15
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 安倍晋三首相に限らず、日本の「エリート」はアメリカ支配層の強い影響下にある。関東大震災からJPモルガンをはじめとするウォール街の巨大資本に操られてきた。1970年代にジェラルド・フォードが大統領に昇格するとシオニストが台頭、ネオコンと呼ばれるようになるが、安倍政権はそのネオコンに従属している。

 ネオコンの暴走はソ連の消滅と共に始まる。1991年6月、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国の大統領に就任したボリス・エリツィンは、その年の12月8日にベロベーシの森で秘密会議を開き、ソ連からの離脱を決めた。いわゆる「ベロベーシ合意」で、同席したのはウクライナのレオニード・クラフチュクとベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチ。この合意でソ連の解体は決定的になった。

 ソ連消滅後、西側の支配層を後ろ盾とするエリツィンは独裁色を強め、1993年9月には憲法を無視する形で議会を強制的に解散すると発表した。議員側は大統領の行為をクーデターだと非難、自分たちの政府を樹立すると宣言して少なからぬ議員が議会ビル(ホワイトハウス)に立てこもると、エリツィン大統領は戦車に議会ビルを砲撃させ、殺された人の数は100名以上、議員側の主張によると約1500名に達する。この虐殺を西側は容認した。

 議会制民主主義の体裁を木っ端微塵にしたエリツィンは新自由主義的な「改革」、つまり私有化と規制緩和を推進して国民の資産を二束三文の値段で叩き売る。買い手はクレムリンの腐敗分子と手を組んだ連中。その腐敗分子の中心にはエリツィンの娘、タチアナ・ドゥヤチェンコがいた。そして「オリガルヒ」と呼ばれる富豪が誕生、庶民は貧困化していく。その象徴的な存在であるボリス・ベレゾフスキーを含め、オリガルヒの大半がイスラエル系だったことを偶然で片付けることはできない。

 その当時、アメリカの大統領はジョージ・H・W・ブッシュで、国防総省はネオコンに支配されていた。国防長官のリチャード・チェイニーも、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツもフォード政権で表舞台に出てきた好戦派だ。

 この好戦派の軍事的な戦略を立てていたのが国防総省のシンクタンクONA(ネット評価室)で室長を務めてきたアンドリュー・マーシャル。シカゴ大学で経済学を学んだ後、米軍系シンクタンクのRANDに入って核戦争について研究、1973年にONAが創設されると室長に就任している。

 デタント(緊張緩和)へ舵を切ろうとしたリチャード・ニクソン大統領の失脚を受けて登場したフォード政権では好戦派が主導権を握り、ソ連との緊張を高めようとする。そこで標的になったのがCIAの分析部門。ネオコンにとって事実は重要でなく、軍事的な緊張を高めるためにはソ連は脅威だと人びとに思わせる必要があった。

 そこで始動したのが「チームB」。チームを率いることになったのはハーバード大学のリチャード・パイプス教授、メンバーの中にはウォルフォウィッツも含まれ、その背後にはマーシャルがいた。後にネオコンと呼ばれる人脈だ。ソ連消滅後にマーシャルは中国脅威論を主張、ネオコンは東アジア重視を言い始める。

 そして1992年に作成されたのが「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」。マーシャルの戦略をベースにして、ウォルフォウィッツ国防次官、I・ルイス・リビー、ザルメイ・ハリルザドといったネオコンが作成したDPG(国防計画指針)を指している。この指針ではアメリカを「唯一の超大国」と位置づけ、潜在的ライバル、つまり西ヨーロッパ、東アジア、旧ソ連圏、南西アジアを潰すという方針を示している。

 当然、「潜在的ライバル」には日本も含まれるのだが、安倍政権は日本を守ろうとはしていない。そうではなく、日本の自然とそこに住む人びとをアメリカ支配層へ叩き売ろうとしている。1929年に樹立した浜口雄幸政権はJPモルガンと緊密な関係にあった井上準之助を大蔵大臣に据え、日本の庶民を貧困化させた。失業者が急増、農村では娘が売られるという悲惨な状態になったのだが、その浜口内閣より安倍政権は醜悪だ。

 安倍政権の好戦的な政策も「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」が基盤になっている。その戦略に従ってアメリカは絶え間なく侵略してきた。ユーゴスラビアにしろ、アフガニスタンにしろ、イラクにしろ、リビアにしろ、シリアにしろ、ウクライナにしろ、根は一緒だ。その同盟相手がイスラエルとサウジアラビアであり、手先として使われているのがアル・カイダ系の武装集団やネオ・ナチ。チェチェンでこの両武装集団は連結している。

 こうしたアメリカの侵略、例えば中東/北アフリカの体制転覆プロジェクトやウクライナのクーデターを直視しなければ、安倍政権の恐ろしさは理解できない。23年前にネオコンが始めたクーデターの日本における総仕上げをしているのが安倍首相であり、そのクーデターは全面核戦争を引き起こす可能性がある危険なものだ。こうした問題に関して口を閉ざして安倍政権の戦争法案を批判するのは単なる「アリバイ工作」にすぎない。






最終更新日  2015.05.15 21:38:34



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