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TPP(環太平洋連携協定)に関する交渉を続けてきた閣僚級会合で大筋合意が成立したという。交渉に参加している国はオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナム、そしてアメリカだが、実際の交渉は巨大資本が主導、その利益を最大限にすることが目的だ。それ以上に問題なのは、交渉内容が秘密にされていること。内容を知った人間が外部に情報を漏らすと刑事罰が待っている。巨大資本の周辺にいる人びと以外には知られたくない理由はひとつ。そうした人びとの利益に反するのだ。
アメリカのシェロード・ブラウン上院議員とエリザベス・ウォーレン上院議員によると、アメリカ政府が設置しているTPPに関する28の諮問委員会には566名の委員がいて、そのうち480名、つまり85%が大手企業の重役か業界のロビイストであり、交渉をしているのは大手企業の「元重役」だ。 TPPの交渉に参加している人物には、バンク・オブ・アメリカのステファン・セリグ商務省次官補やシティ・グループのマイケル・フロマン通商代表も含まれている。セリグはバラク・オバマ政権へ入ることが決まった際、銀行から900万ドル以上をボーナスとして受け取り、フロマンは銀行からホワイトハウスへ移動するときに400万ドル以上を貰っていると報道されている。金融資本の利益のために頑張れということだ。 多くの人が指摘しているように、TPPで最大の問題はISDS条項。巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制を政府や議会が作ったなら企業は賠償を請求できることになり、健康、労働、環境など人びとの健康や生活を守ることを許さない。最近、GMO(遺伝子組み換え作物)の危険性を指摘する研究報告が発表され始め、GMOを禁止する国も現れているが、そうした規制は難しくなるだろう。 TPPと同じ協定をアメリカはEUでも締結しようとしている。TTIP(環大西洋貿易投資協定)だ。これにTISA(新サービス貿易協定)を加えた3協定はセットで、アメリカの巨大資本が参加国をコントロール、世界を制圧する重要な仕組みになる。 ニューディール派を率いていたフランクリン・ルーズベルトは大統領時代の1938年4月29日、ファシズムについて次のように定義している。 「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら、民主主義の権利は危うくなる。本質的に、個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」 現在、アメリカ政府は世界をファシズム化しようとしているわけだが、その前に大きな障害が存在する。ロシアと中国である。これまでアメリカの好戦派は世界を自分たちに都合良く作り替えるため、アル・カイダ系の武装集団、そこから派生したIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ダーイシュなどとも表記)、あるいはネオ・ナチを使って戦乱を広げ、破壊と殺戮で脅してきた。もし、日本人を本当にISが殺害したとするならば、それはアメリカ支配層から日本支配層に向けて発信されたメッセージである可能性がある。 そうしたアメリカの戦略を実現するために動いている戦争マシーンへ日本を組み込むため、安倍晋三政権は「安全保障関連法(戦争法)」を強行成立させた。この戦争法はユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリアなどに対するアメリカの軍事侵攻やTPPと同じように、ネオコン/シオニストをはじめとするアメリカの支配層が世界を制覇するため、1992年に打ち出した「ウォルフォウィッツ・プロジェクト(DPGの草案)」の一環だ。 安倍政権は日本の労働環境を劣悪化させ、社会保障システムを破壊し、基本的な権利を庶民から取り上げ、監視体制を強化しつつある。そうしたプランに基づき、「住民基本台帳」や「マイナンバー制度」も導入された。こうしたファシズム化を推進する上でもマスコミが果たした役割は大きい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.10.06 12:39:20
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