14851220 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2015.10.20
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 2011年3月11日に過酷事故を起こした東電福島第一原発で作業、白血病を発症した労働者の労災を厚生労働省は10月20日に認めたという。その労働者は2011年11月から13年12月にかけて複数の原発で放射線業務に従事、そのうち12年10月から13年12月は福島第一原発で原子炉建屋カバーの設置工事などをしていたという。働いていた時期からすると、福島第一原発では比較的被曝が少ない方だろう。

 国や東電は認めていないが、福島県で働く医療関係者の間から、作業員や住民が被曝が原因で死んでいるという話が漏れてくる。例えば、2011年4月17日に徳田毅衆議院議員は「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている:

 「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」

 12日に爆発したのは1号機で、14日には3号機も爆発している。政府や東電はいずれも水素爆発だとしているが、3号機の場合は1号機と明らかに爆発の様子が違い、別の原因だと考える方が自然。15日には2号機で「異音」、また4号機の建屋で大きな爆発音があったという。

 こうした爆発が原因で建屋の外で燃料棒の破片が見つかったと報道されているのだが、2011年7月28日に開かれたNRCの会合で、新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は、発見された破片が炉心にあった燃料棒のものだと推測している。

 NRCが会議を行った直後、8月1日に東京電力は1、2号機建屋西側の排気筒下部にある配管の付近で1万ミリシーベルト以上(つまり実際の数値は不明)の放射線量を計測したと発表、2日には1号機建屋2階の空調機室で5000ミリシーベル以上を計測したことを明らかにしている。

 また、事故当時に双葉町の町長だった井戸川克隆は、心臓発作で死んだ多くの人を知っていると語っている。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしているのだが、そうした話を報道したのは外国のメディアだった。

 この井戸川元町長を作品の中で登場させた週刊ビッグコミックスピリッツ誌の「美味しんぼ」という漫画は、その内容が気に入らないとして環境省、福島県、福島市、双葉町、大阪府、大阪市などが抗議、福島大学も教職員を威圧するような「見解」を出し、発行元の小学館は「編集部の見解」を掲載、この作品は次号から休載すると決めたという。

 福島県の調査でも甲状腺癌の発生率が大きく上昇していると言わざるをえない状況。少なからぬ子どもがリンパ節転移などのために甲状腺の手術を受ける事態になっているのだが、原発事故の影響を否定したい人びとは「過剰診療」を主張している。手術を行っている福島県立医大の鈴木真一教授は「とらなくても良いものはとっていない」と反論しているが、手術しなくても問題ないという「専門家」は、手術しなかった場合の結果に責任を持たなければならない。どのように責任をとるのかを明確にしておく必要がある。

 事故直後、福島の沖にいたアメリカ海軍の空母ロナルド・レーガンに乗船していた乗組員にも甲状腺癌、睾丸癌、白血病、脳腫瘍といった症状が出ているようで、放射線の影響が疑われ、アメリカで訴訟になっている。カリフォルニアで先天性甲状腺機能低下症の子どもが増えているとする研究報告もある。

 福島第一原発には兵器クラスの核物質が存在していたという噂はともかく、事故で環境中に放出された放射性物質は日本の政府やマスコミが宣伝している量を大幅に上回っている可能性が高い。

 原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセンによると、福島のケースでは圧力容器が破損、燃料棒を溶かすほどの高温になっていたわけで、99%の放射性物質を除去することになっている圧力抑制室(トーラス)の水は沸騰状態で、ほとんどの放射性物質が外へ放出されたはずだと指摘する。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)

 また、水が存在したとしても、解けた燃料棒や機械が気体と一緒に噴出、水は吹き飛ばされていたとも指摘されている。いずれにしろ、圧力容器内の放射性物質はダイレクトに放出されたということ。ガンダーセンの推測によると、少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出した。放出された放射性物質の多くは太平洋側へ流れたと見られているが、それでも原発周辺の汚染は深刻なはずで、人間を含む環境に影響が出ないと考える方が異常だ。

 放射線の影響は20年から30年後に本格化するともいわれているが、チェルノブイリ原発事故から23年後の2009年に詳細な報告書『チェルノブイリ:大災害の人や環境に対する重大な影響』がニューヨーク科学アカデミーから発表されている。まとめたのはロシア科学アカデミー評議員のアレクセイ・V・ヤブロコフたちのグループ。1986年から2004年の期間に、事故が原因で死亡、あるいは生まれられなかった胎児は98万5000人に達し、癌や先天異常だけでなく、心臓病の急増や免疫力の低下が報告されている

 なお、徳田毅の姉を含む徳洲会グループ幹部6人を東京地検特捜部は2013年11月に公職選挙法違反事件で逮捕、徳洲会東京本部や親族のマンションなどを家宅捜索している。






最終更新日  2015.10.21 12:36:20

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.