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《櫻井ジャーナル》

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2015.11.09
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 11月に入り、東アジアでは中国の習近平国家主席の動きが注目されている。11月1日に日本、韓国、中国の首脳会談が行われたのだが、習国家主席は出席しなかった。ところが7日には台湾の馬英九総統とシンガポールで会談、こうした姿勢は日本やアメリカと一線を画すというメッセージだと解釈されている。

 安倍晋三政権が集団的自衛権という形で日本をアメリカの戦争マシーンへ組み込んだことは明白で、そのアメリカは南沙群島(チュオンサ諸島、あるいはスプラトリー諸島)の問題で中国に軍事的な揺さぶりを掛けている。TPP(環太平洋連携協定)は巨大資本が国を支配する仕組みだが、経済的に中国を締め上げるという目的もある。日本は中国という市場を放棄しようとしているとも言える。

 11月の初めにアメリカのジョン・ケリー国務長官はキルギスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタンを訪問したが、その直前に安倍首相は露払いのような形でこの5カ国とモンゴルを訪れている。現在、中国が進めている「一帯一路(シルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロード)」に対抗する意味もあると見られているが、このプロジェクトに何らかの影響を及ぼせるとは思えない。

 中国はすでにロシアと経済的な、そして軍事的な関係を緊密化させている。この2カ国はキルギスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタンとSCO(上海協力機構)を組織、その意味でもケリー長官や安倍首相の中央アジア訪問で中国に揺さぶりを掛けることは難しかっただろう。

 中国とロシアはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)という形でも手を組み、そうした関係を背景にしてAIIB(アジアインフラ投資銀行)や新開発銀行(NDB)は創設された。こうした国々はすでにドル離れを進めている。基軸通貨を発行する特権で生きながらえているアメリカとしては、こうした金融システムに主導権を奪われるわけにはいかないだろう。奪われたなら、破綻国家になるしかない。

 もっとも、ドルを発行しているのはアメリカという国でなく、欧米の巨大金融機関に支配された連邦準備銀行。クーン・ローブやJPモルガンといった金融機関の代表が1910年11月22日にジキル島クラブで秘密会議を開き、そこで紙幣を印刷する権利を手に入れる策略を練り上げた結果だ。

 このシステムを作る切っ掛けは1907年の恐慌だという。ニッカー・ボッカー信託を経営していたチャールズ・バーニーとフレデリック・ハインツは銅の生産で大きな影響力を持っていたユナイテッド・コパー社の株式を買い占め、その株価は1907年10月14日に62ドルまで高騰したが、その2日後には15ドルまで暴落した。銅業界を支配していたロックフェラーが大量の銅を市場へ放出して銅相場を下げたことが原因だという。

 この「仕手戦」でバーニーとハインツは敗北、ハインツが所有していたニューヨークのマーカンタイル・ナショナル銀行は破綻、ニッカー・ボッカー信託も連鎖倒産するのではないかという話をメディアが報道、市場はパニック状態になってしまう。

 ニッカー・ボッカー信託は手形交換所協会に助けを求めるのだが、その協会を支配していたのがジョン・ピアポント・モルガン。モルガンはニッカー・ボッカーの会計検査を要求、そのうえで支援を拒否している。この決定で倒産の連鎖が始まる。その後、バーニーは自殺して株式相場は崩壊した。

 翌年、セオドア・ルーズベルト大統領は国家通貨委員会を設立、委員長にネルソン・オルドリッチ上院議員を選んだが、この人物はジョン・ロックフェラー・ジュニアの義理の父であり、モルガンと緊密な関係にあった。そしてオルドリッチはジキル島にあるモルガンの別荘に巨大金融機関の代表を集めて秘密の会議を開き、連邦準備制度の青写真を作り上げたのだ。そして彼らは通貨を発行する権利を手に入れた。

 私企業が国を支配するシステムとも言えるが、それを推し進めた先にTPP、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TISA(新サービス貿易協定)はある。多くの人が指摘している(例えばココ)ように、立法、行政、司法は巨大資本に支配されてしまう。日本の官僚は中身が何もない文書を公開して国民を騙そうとするが、TPP、TTIP、TISAを「私企業によるクーデター」だと表現する人もいる。

 巨大資本がこうした仕組みを作り挙げようとしていることを熟知していたであろうフランクリン・ルーズベルト大統領は1938年4月29日、ファシズムについて次のように語っている。

「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら、民主主義の権利は危うくなる。本質的に、個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」

 TPP、TTIP、TISAの目的は世界規模のファシズム化だということになる。実際、アメリカの巨大金融機関は1933年から34年にかけてルーズベルト政権を倒し、ファシズム政権を樹立するためにクーデターを計画していた。同じ頃、彼らはナチスを支援している。関東大震災以降、JPモルガンが日本の支配層に大きな影響力を及ぼしていたことも忘れてはならない。その代理人が駐日大使で、ジョン・ピアポント・モルガン・ジュニアの妻の従兄弟であるジョセフ・グルーだ。戦後、日本を戦前回帰させたジャパン・ロビーの中心人物でもある。






最終更新日  2015.11.09 21:11:13

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