13659898 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2015.12.22
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 アメリカをはじめとするNATO、サウジアラビアやカタールといったペルシャ湾岸産油国、そしてイスラエルはAQI/アル・ヌスラなどサラフ主義者/ワッハーブ派系の戦闘集団を傭兵として使っている勢力はシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒すために利用、その傭兵たちはキリスト教徒だけでなく、イスラム教徒もユダヤ教徒も仏教徒も無神論者も惨殺してきた。そうした勢力と戦い、アサドはキリスト教徒も守ってきたのだとカトリック教徒は声を上げている。

 ジョージ・H・W・ブッシュ政権は1991年1月から3月にかけてイラクへ攻め込んでいたが、サダム・フセイン体制を倒さないまま戦闘を終了させた。これに怒ったネオコン/シオニストのポール・ウォルフォウィッツ国防次官はその直後、イラク、シリア、イランを5年以内に殲滅すると口にしたと語ったのはヨーロッパ連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めていたウェズリー・クラーク大将。

 何度も書いてきたが、ウォルフォウィッツなどネオコンは1992年のはじめ、国防総省のDPG草案という形で世界制覇プロジェクトを作成した。ロシアを属国化することに成功し、中国支配層は買収済みという前提で書き上げられたもので、旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰すと同時に、ライバルを生む出しかねない膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようという計画だった。この草案に基づいて作成された報告書「米国防の再構築」をネオコン系シンクタンクのPNACは2000年に発表、執筆者のひとりがアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補の夫であるロバート・ケーガンだ。

 大きな変革には「新たな真珠湾」が必要だとPNACは報告書の中で主張しているが、その「新たな真珠湾」が2011年9月11日に引き起こされた。ニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、それを利用して国内ではファシズム化を促進、国外では軍事侵略を大々的に始めたのだ。

 2003年にイラクを破壊、2011年にはリビアより1カ月遅れ、3月からシリアで戦闘が始まる。リビアではNATOの空爆とアル・カイダ系武装集団LIFGの地上攻撃が連携してムアンマル・アル・カダフィ体制を倒し、その後に戦闘員と武器/兵器はNATOの力を借りてトルコ経由でシリアへ持ち込まれた。

 しかし、シリア軍はリビア軍に比べて格段に強く、シリア国民の大半もNATO加盟国、ペルシャ湾岸産油国、イスラエルを後ろ盾とする武装集団を侵略軍と位置づけ、抵抗を始める。しかも、リビアにおける西側の行動を見たロシアがシリアでは積極的に動き、しかもリビアでNATOとアル・カイダ系武装集団との連携が明白になり、同じ手口は使えなくなってしまった。

 そして2012年5月に引き起こされたのがホムスでの住民虐殺。反政府勢力や西側の政府やメディアはシリア政府軍が実行したと宣伝、これを口実にしてNATOは軍事侵攻を企んだが、宣伝内容は事実と符合せず、すぐに嘘だとばれてしまう。その嘘を明らかにしたひとりが現地を調査した東方カトリックの修道院長。

 カトリック系の通信社が修道院長の報告を掲載したが、その中で反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵が住民を殺したとしている。ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙も、キリスト教徒やスンニ派の国会議員の家族が犠牲になっていると伝えた。

 「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」とその修道院長は語っている。また、現地で宗教活動を続けてきたキリスト教の聖職者、マザー・アグネス・マリアムも外国からの干渉が事態を悪化させていると批判した。

 2013年3月にアレッポで化学兵器が使われたが、イスラエルのハーレツ紙も書いたように、状況から反政府軍が使った可能性が高く国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言している。ロシア政府も独自に試料を分析、サリンや砲弾は「家内工業的な施設」で製造されたもので、反政府軍が使ったとする推測を公表している。

 その年の8月21日にはダマスカス郊外が化学兵器で攻撃され、西側の政府やメディアはシリア政府軍が使ったと宣伝、NATOを軍事介入させようとするのだが、ロシアが素早く動き、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射されてゴータに着弾したとする報告書を出した。

 その後、12月には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があると書いた国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

 西側の化学兵器話が嘘だという報告、分析はこれ以外にもあるが、それでもNATOは攻撃すると言われていた。攻撃が噂されていた9月3日には実際、地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射される。

 このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、明らかにされるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまった。イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。今から考えると、自分たちの軍事力水準が高いことをロシアが見せつけ始めたはじめだった。

 現在、戦乱を世界に広げようとしているシオニスト、ワッハーブ派/サラフ主義者、巨大資本は巨大な力を持ち、メディアを使った情報操作で人びとを操ろうとしている。そうした中、カトリック教徒は声を上げ続けてきたが、宗派に関係なく少なからぬ人が嘘に気づき始めている。おそらく最も鈍感な人が住んでいる国が日本だ。






最終更新日  2015.12.23 02:56:04

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.