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《櫻井ジャーナル》

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2016.01.12
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 日米欧の大手メディアが報道の自由を放棄、偽情報を垂れ流して世界を戦争へと導いていることは本ブログで何度も書いてきた。こうしたことは事実の関心を持つ人びとの常識だろうが、事実ではなくドグマの世界にどっぷり浸かっているような人びとはアメリカ支配層を中心とする勢力のプロパガンダに踊らされている。西側の宣伝は「リベラル派」や「革新勢力」のドグマを利用しているので、こうした勢力も好戦的な雰囲気を高める上で重要な役割を果たしている。

 最近ではシリアのマダヤをめぐる情報が話題になっている。昨年9月30日にロシア軍が空爆を始めてからシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すために外部から侵入してきたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)は劣勢で、マダヤにいた約1000名の侵略軍は政府軍に包囲されてしまった。住民を人質にして攻撃を防ぎ、生活物資の搬入を拒否して飢餓を演出、包囲を解かせようとしている。

 そうした中、飢餓に苦しむシリアの子どもと称する写真をアメリカのCNN、イギリスのBBC、サウジアラビアのアル・アラビア、カタールのアル・ジャジーラなどが報道したのだが、そこに登場した少女はレバノンに住んでいて、「マリャナ」という名前だということが判明した。また偽情報だったのだが、アル・カイダ系武装集団は武器弾薬もあり、飢餓に苦しんではいないようだ。

 イギリスでは19世紀から新聞を情報操作の道具として支配層が使っていた。例えば、タイムズ紙は一般に「エリート」と見なされている人びとを操るため、デイリー・メールなどはセンセーショナルな記事で「騙されやすい人びと」を操るための道具だったという。

 第2次世界大戦後、アメリカでは情報操作を目的としたプロジェクトが実行された。一般に「モッキンバード」と呼ばれ、その中心人物はアレン・ダレス、フランク・ウィズナー、リチャード・ヘルムズ、そしてフィリップ・グラハムだ。ダレスは戦時情報機関のOSSで破壊活動を指揮、ウィズナーはダレスの側近で、ふたりともウォール街の弁護士。ヘルムズもダレスの側近で、祖父のゲイツ・ホワイト・マクガラーは国際的な投資家。グラハムはワシントン・ポスト紙の社主で、義理の父にあたるユージン・メイアーは世界銀行の初代総裁。

 このワシントン・ポスト紙を「言論の自由」の象徴として崇めている人が日本には少なくない。ウォーターゲート事件でリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだためだろう。その事件を追いかけた記者はボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインだが、実際の調査はバーンスタインが行った。そのバーンスタインは1977年にワシントン/ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」というタイトルの記事をローリング・ストーン誌に載せている。それによると、巨大資本による支配が今ほど進んでいなかった当時でも400名以上のジャーナリストがCIAのために働き、ニューヨーク・タイムズ紙の場合は1950年から66年にかけて、少なくとも10名のCIAエージェントに架空の肩書きを提供していた。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 巨大資本による支配が進む1980年代以降、状況はさらに悪化、2003年にアメリカが主導する連合軍がイラクを先制攻撃したころには壊滅的な状況だった。「報道の自由が侵されている」という生やさしい話ではない。アメリカの有力メディアに多少でも関わったことのある人なら、こうした状況と真正面から向き合う必要がある。今でも西側メディアのプロパガンダを垂れ流している人は破壊と殺戮の共犯者だ。






最終更新日  2016.01.12 16:45:00



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