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《櫻井ジャーナル》

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2016.01.13
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 かつて日本は石油を求めて戦線を拡大させ、事態を悪化させていった。似たようなことが中東/北アフリカ、さらに東アジアでも展開されている。その主体はアメリカ(ネオコン/シオニスト)、サウジアラビア、トルコなど。そうした動きの中へ日本を導こうとしているのが安倍晋三政権と彼らを操っている勢力、つまりアメリカの好戦派だ。現在、そうした目論見に抵抗できない仕組みが築き上げられようとしている。

 そうした地域には戦略的に重要な場所がいくつかあるが、今、サウジアラビアに攻撃されているイエメンの対岸、ソマリアの隣にあるジブチ、あるいは南スーダンもそうした場所だ。ジブチへ日本政府は約47億円をかけて拠点基地を2011年に建設、南スーダンには陸上自衛隊・中央即応集団を派遣した。どす黒い欲望が渦巻き、血まみれの地域へ日本政府は自衛隊員を送り込んだということである。

 アラビア海から地中海へ移動しようとした場合、通常、喜望峰を回ることはない。アラビア海からアデン湾へ入り、紅海を経由してスエズ運河を通過するのが普通だが、そのためにはジブチとイエメンにはさまれたバブ・エル・マンデブ海峡を通過しなければならない。この海峡は狭く、容易に封鎖できる。つまり、ジブチもイエメンも戦略的に重要な場所にあるということだ。

 ジブチは小さい国だが、それだけ重要な場所にあるため、欧米諸国が小さい国を作って確実に支配しようとしたと考えることができる。そのジブチには自衛隊だけでなく、アメリカ軍も駐留している。JCTF(統合連合機動部隊)約1800名で、無人機の基地もあり、偵察だけでなく攻撃も実行されている。

 ジブチの隣国、ソマリアも重要な場所にあり、この2カ国とエリトリアには「アフリカの角」という名前がつけられている。アメリカの支配層としては自立させられない。そのソマリアでCIAが秘密工作を実行する際、その工作資金はJCTFを経由して供給されるようだ。現在、サウジアラビアがイエメンを攻撃している理由もこうした地理上の問題が関係しているだろう。

 南スーダンで戦闘が始まった大きな理由も石油にある。アメリカの巨大な石油会社シェブロンが1974年に現在のスーダンと南スーダンの国境周辺で油田を発見、南スーダンにあたる地域でSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始する。SPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にある特殊部隊の本拠地、フォート・ベニングで訓練を受けた人物だ。

 内戦は1983年から2005年まで続くのだが、その途中、1990年代の終盤になるとスーダンでは自国の石油企業が成長してアメリカの石油企業は利権を失っていき、中国やインドなど新たな国々が影響力を拡大し始めていく。

 そうした状況の中、アメリカでは2001年1月にネオコン/シオニストに担がれたジョージ・W・ブッシュが大統領に就任する。この年の9月11日にニューヨークの世界貿易センター、ワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されて間もなく、この事件と無関係なイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃するというプランをドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺が作成する。

 ブッシュ・ジュニア政権はイギリスやノルウェーと手を組み、スーダンの南部を拠点にしていたSPLMとスーダン政府を停戦させ、油田地帯は両者で分け合う形になった。南部は南スーダンと呼ばれるようになり、2011年7月に独立する。

 その一方、スーダン西部にあるダルフールでも資源をめぐる戦闘が2003年から激しくなる。当初、欧米の国々は南スーダンの石油利権に集中、ダルフールの殺戮を無視していたが、ネオコンはダルフールへ積極的に介入した。その資源に目をつけた隣国チャドの政府が反スーダン政府のJEM(正義と平等運動)へ武器を供給したことも戦闘を激化させる一因になった。チャドの背後にはイスラエルが存在していると生前、リビアのムアンマル・アル・カダフィは主張していた。

 そのカダフィ体制を倒すためのプロジェクトをアメリカ、イギリス、フランス、サウジアラビア、カタールなどが始めたのは2011年2月のこと。アフリカを統合して欧米の宗主国を排除して自立しようと呼びかけていたカダフィは欧米支配層にとって目障りな存在だったが、その年の10月には惨殺された。それ以降、リビアは暴力が支配する破綻国家になり、現在はIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)が勢力を拡大させている。アフリカ大陸をアメリカが支配するため、2007年に組織されたのがAFRICOM(アフリカ統合軍)。司令部をアフリカにおけず、ドイツにおいた。

 西側支配層は利権の独占を臨んでいる。1992年にネオコンがDPGの草案として作成した世界制覇プランの前提はアメリカが「唯一の超大国」になり、アメリカに逆らえる国は存在しないということ。中東やアフリカの資源を支配するだけでなく、中国、そして大資源国のロシアを完全に植民地化しようとしたのだが、ウラジミル・プーチンを中心とするグループがロシアを再独立させたことで全てのプランが狂っている。

 それにもかかわらず、そのプランに執着している西側支配層へ従属することで自らの地位と富を確保しようと目論んでいるのが日本の「エリート」。ジブチや南スーダンへ自衛隊を派遣することは人的な意味においても、戦略的な意味においても危険な行為だが、安倍政権はそれ以上に危ういことを東アジアで行い、日本を破滅させようとしている。





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最終更新日  2016.01.14 03:26:27



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