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《櫻井ジャーナル》

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2016.03.31
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 昨年11月24日にトルコ軍のF-16がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜、脱出した乗組員のひとりを地上にいた部隊が殺害した。その殺害を指揮したとされているアレパレセラン・ジェリクがトルコで逮捕されたとする情報が流れている。

 彼の所属する「灰色の狼」は1960年代に「民族主義者行動党」の青年組織として創設された。トルコにおける「NATOの秘密部隊」は「対ゲリラ・センター」だとされているが、「灰色の狼」はその1部門とも言われている。(注)

 撃墜後、トルコへ戻ったジェリクは自分たちが実行したと公言していたが、街を自由に歩いていた。撃墜は10月10日にレジェップ・タイイップ・エルドアンが計画したとする情報があり、撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問、トルコ軍の幹部と討議したとも言われている。つまり、トルコ政府とアメリカ政府が撃墜の黒幕だった可能性が強く、ジュリクを逮捕するのは難しい状況だったと見られている。

 年が明けてもトルコ政府だけでなくアメリカ政府も好戦的な姿勢を維持、1月22日にはアシュトン・カーター国防長官が陸軍第101空挺師団に所属する1800名をイラクのモスルやシリアのラッカへ派遣すると語り、翌23日にはジョー・バイデン米副大統領が訪問先のトルコでアメリカとトルコはシリアで続いている戦闘を軍事的に解決する用意があると口にしている。

 2月に入ると、サウジアラビアの軍用機や人員をトルコのインシルリク空軍基地へ派遣し、シリアで地上戦を始めることもできるとトルコ外相は語り、サウジアラビア国防省の広報担当は同国の地上部隊をシリアへ派遣する用意があると表明した。その直後、アメリカのアシュトン・カーター国防長官はサウジアラビアの表明を歓迎すると発言している。

 しかし、2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談してから雰囲気に変化が見られるようになった。そして22日には「テロリスト」を除外した停戦に合意したとする発表がある。

 それに対し、トルコ軍は国連の安全保障理事会が承認しない限り、シリア領内へ部隊を入れないという意思を表明しているのだが、シリア政府によるとトルコ軍はすでにシリアへ侵攻、戦闘を始めているという。シオニストの影響下にあるアメリカ政府やイギリス政府もバシャール・アル・アサド大統領の排除を諦めてはいないようだ。

 ジェリクが逮捕されたとする情報が正しいなら、トルコ支配層の内部で何らかの流れが生まれている可能性があるだろう。傭兵会社のブラックウォーター(現在の社名はアカデミ)を創設したエリック・プリンスがトルコを訪れてエルドアン大統領と会談したと伝えられているが、本ブログで前にも指摘したように、トルコ軍が対応できない事態が生じているのか、その軍を大統領が信用できない状況が生まれているのかもしれない。エルドアン大統領とアメリカのバラク・オバマ大統領との関係は悪化しているようだ。


(注)Douglas Valentine, “The Strength Of The Pack”, Trine Day, 2008 / Peter Dale Scott, “American War Machine”, Rowman & Littlefield, 2010





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最終更新日  2016.04.01 02:49:08



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