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《櫻井ジャーナル》

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2016.04.26
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 2007年4月から13年6月にかけてカタールの首相、また1992年1月から2013年6月まで外相を務めたハマド・ビン・ジャシム・ビン・アル・タニはフィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、シリアでの戦闘に自国が重要な役割を果たしてきた事実を認めた。

 西側では政府やメディアだけでなく、「リベラル派」や「革新」を自称している人びとも、民主化を求める「蜂起」、あるいは「革命」で、バシャール・アル・アサド政権は自国民を虐殺していると主張してきたが、アル・タニはこうした見方を否定、国際紛争だとしたうえ、その紛争へサウジアラビアやカタールを導いたのはアメリカだと説明している。

 シリアやリビアだけでなく、ウクライナもネオコン/シオニストをはじめとするアメリカの好戦派が侵略戦争を仕掛けていることは明白で、カタール元首相は事実を語っただけだが、当事国の要人がこの事実を認めたことは驚きだ。1992年初頭に国防総省のDPG草案という形で作成された世界制覇プロジェクト、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」に基づいて行われてきた侵略に対する疑問がアメリカやその「同盟国」の支配層内で広がっているのかもしれない。

 このドクトリンによると、アメリカは「唯一の超大国」として君臨して世界を支配するため、旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようとしている。

 ドクトリンが作成される前年、国防次官だったポール・ウォルフォウィッツは5年以内にイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしていたとウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官は語っている。予定より遅れたが、イラクは破壊、今はシリアに取りかかり、ネオコン、イスラエル、サウジアラビアなどは今でもイランを攻撃しようと目論んでいる。

 アサド政権を倒すため、外国勢力がシリアに対する侵略戦争を始めたのは2011年3月のこと。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、アメリカのバラク・オバマ政権とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権は2012年のはじめ、アサド政権を打倒するための工作に関して秘密合意に達した。トルコ、サウジアラビア、カタールが資金を提供、アメリカのCIAがイギリスの対外情報機関MI6の助けを借りてリビアからシリアへ武器/兵器を送ることになったという。こうした国々が傭兵として使ってきたのがアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)だ。

 ハーシュは2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に、アメリカがサウジアラビアやイスラエルと共同でシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始したと書いている。クラーク元最高司令官によると、アメリカの友好国と同盟国はヒズボラと戦わせるため、ダーイッシュを作り上げたと語っているが、ここにアメリカも入れるべきである。勿論、戦う相手はヒズボラだけでなくシリアもイラクもリビアも含まれる。

 シリアでの戦闘にサウジアラビアが直接介入することを決め、カタールを軽視するようになってから両国は対立するようになったとアル・タニ元首相は語っている。1968年6月6日に暗殺されたロバート・ケネディ(RFK)の息子、RFKジュニアはカタールからシリア経由でトルコへ石油を運ぶパイプライン建設がアサド体制を倒す動きと関係していると指摘しているが、戦争の目的が変わってきた、あるいは目的の違いが明確になってきたということかもしれない。

 カタールはサウジアラビア、ヨルダン、シリア、トルコを経由してEUへ運ぶパイプラインの建設を計画したのだが、シリアのアサド政権は拒否していた。イラン、イラク、そしてシリアのラディシアへつながるパイプラインを選んだのだ。このシリアが選んだパイプラインは、米英が建設したバクー油田からトルコのジェイハンをつなぐパイプラインの強力なライバルでもある。

 いずれにしろ、ネオコン、イスラエル、サウジアラビアを中心に集まっていた侵略連合が崩壊し始めていることをアル・タニ元首相の発言は示している。ネオコンに従属している安倍晋三政権にとっても人ごとではない。






最終更新日  2016.04.27 00:14:31
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