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《櫻井ジャーナル》

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2016.05.28
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 バラク・オバマ米大統領は5月27日に広島の平和記念資料館を訪問、「核なき世界を追求する勇気」について語ったという。この人物、大統領に就任して間もない2009年4月5日にプラハで核兵器のない世界を目指すと演説、その年にノーベル平和賞を授与されているが、14年9月21日の報道によると、今後30年間に9000億ドルから1兆1000億ドルを核兵器のために投入するとしている。

 ノーベル平和賞の授与に縛られることなく、オバマ政権は他国の領空に無人機を飛ばして民間人を殺傷、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)などを使ってリビアやシリアを軍事侵略した。リビアはNATO軍も投入してムアンマル・アル・カダフィ政権を2011年10月に倒し、今は無政府状態。NATOと連携していたアル・カイダ系のLIFGを率いていた人たちは現在、ダーイッシュというタグをつけているようだ。CBSのインタビュー中にカダフィ惨殺を知らされ、「来た、見た、死んだ」と口にしたのは当時の国務長官、ヒラリー・クリントンである。

 カダフィが惨殺された直後、ベンガジでは裁判所にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がYouTubeにアップロードされた。イギリスのデイリー・メイル紙も伝えている。この段階でリビアが武装勢力の跋扈する破綻国家になることは予想されていたことだ。

 リビアと並行してシリアへの侵略を進め、無政府状態になったリビアでは軍の倉庫から武器/兵器が持ち出されてトルコへ運ばれた。輸送の拠点になったのはベンガジにあったCIAの施設で、そうした事実をアメリカ国務省は黙認していた。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。

 ベンガジのアメリカ領事館は2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使らが殺されているが、ここは武器輸送の拠点だった。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている

 運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれていた。これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、介入する口実に使用としたと言われている。こうした工作をスティーブンスも知っていた可能性は高く、彼の上司だったヒラリー・クリントンも報告を受けていたはず。

 2012年11月、デイビッド・ペトレイアスがCIA長官のポストを辞しているが、この人物はクリントンと緊密な関係にあることで有名。この線からもクリントンは情報を得ていただろう。

 2013年11月にはウクライナでクーデターを始める。世界を支配するためにはロシアを制圧する必要があり、ロシアを制圧するカギはウクライナが握っているとズビグネフ・ブレジンスキーたちは考えていた。

 まず、キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)でカーニバル的な抗議活動を始めて人を集め、年明け後にはネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を前面に出した暴力的活動に切り替える。

 2月18日頃から反大統領派は棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら石や火炎瓶を投げるだけでなく、ピストルやライフルで銃撃を始め、さらに反大統領派や治安部隊、双方を狙った狙撃も行われた。その指揮者はネオ・ナチの幹部、アンドレイ・パルビーだ。

 このクーデターを指揮していたのはアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補で、キエフに乗り込んで扇動していた。ジョン・マケイン上院議員も同じように蜂起を煽っていた。

 今年4月24日にイギリスのBBCが放送した番組の中で、オバマ大統領はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すためにアメリカなりイギリスなりが地上軍を派遣することはないだろうと語っているが、アメリカ政府が250名の特殊部隊をシリアへ派遣して300人体制にすると発表したのはその翌日だ。

 この「派遣」はシリア政府が承認したものでなく、明らかな侵略。アメリカ側は「地元の武装勢力」を訓練するとしているが、それが何者なのかは明らかにされていない。アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年の段階で、シリアで政府軍と戦う「穏健派」が事実上、存在しないとホワイトハウスに報告している。

 DIAが2012年8月に作成した文書によると、シリアで政府軍と戦っている武装勢力の主力はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとしている。

 DIAによるとアル・ヌスラはAQIの別名。ムスリム同胞団はワッハーブ派から強い影響を受け、アル・カイダ系武装集団の主力もワッハーブ派だ。つまり、シリアで政府軍と戦っているのはサウジアラビアの国教であるワッハーブ派の信徒たちだ。

 1970年代から80年代にかけてアメリカは中央アメリカで秘密工作を展開した。巨大資本の利権を守る軍事独裁政権を支援、ニカラグアの革命政権を倒すことが目的で、このときもアメリカの特殊部隊が送り込まれている。戦闘には参加しないとされたが、勿論、実際には参加し、死傷者も出た。戦死した特殊部隊員の家族は、後に、事実を明らかにするよう求めている。

 ウクライナのクーデターは東部や南部の住民から拒絶され、西部には「EU幻想」を抱く住民が少なくなかったようだが、クーデターやその背後の実態が明らかになり、その幻想も消えつつあるようだが、アメリカの好戦派は核戦争の脅しでロシアを屈服させようという基本戦術を変える気配はない。

 1991年12月にソ連が消滅、翌年の初頭にネオコン/シオニストが国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成して以来、NATOは東へ拡大してきた。このプランは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれ、旧ソ連圏だけでなく西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようというものだ。

 そうした中、1995年1月にアメリカとロシアは核戦争の一歩手前まで行ったという。ノルウェーの北西沖にある島から「科学目的」のロケットが発射されたのだが、その軌道がロシアの想定するアメリカの大陸間弾道ミサイルと同じで、ロシア軍が反撃しても不思議ではない状況だったとされている。

 核戦争の寸前まで行ったケースはほかにもあり、例えば、1979年にはNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)のコンピューターは戦争シミュレーションと実戦を間違えて核戦争を始めかねない事態になり、その1年後にも米軍のコンピューターはソ連が大規模なミサイル攻撃を始めたと判断、1985年にはソ連の早期警戒衛星が太陽の光をアメリカの大陸間弾道ミサイル発射と誤認して危うく核戦争になるところだった。

 本ブログでは前に指摘したが、1983年にアメリカ軍はソ連に対する軍事的な挑発を行い、その年の8月31日から9月1日にかけて大韓航空007便がNORADの緩衝空域や飛行禁止空域を通過してソ連軍の重要な軍事基地の上空を飛行、サハリンで撃墜されている。この時も核戦争が勃発しかねなかった。この領空侵犯は意図的だった可能性が高いと筆者は考えている。1985年にソ連軍が動かなかったのは人類にとって好運だったが、アメリカの好戦派はこれによってソ連をなめた可能性がある。

 ソ連消滅後、アメリカ/NATOはミサイル防衛システムをロシアとの国境近くに配備、ロシアから攻撃的なものだとして抗議されてきた。最近、ルーマニアでも新たにミサイル基地を建設、ポーランドでも予定している。アメリカ側はイランなどからの攻撃に対処するためだとしているが、説得力は全くない。

 防衛的なシステムであったとしても、先制攻撃に対する報復攻撃に対処するためだと考えられるが、5月27日にギリシャを訪問したウラジミル・プーチン露大統領はこのミサイルに関し、今は射程500キロメートルでもすぐに1000キロメートルへ伸ばすことができ、2400キロメートルの攻撃的なミサイルへ切り替えることができるとし、ミサイルを配備した場所はロシア軍の攻撃目標になると警告した。

 「儲かる兵器」の開発に熱心なアメリカと違い、ロシアは着実に兵器の性能をアップさせてきた。弾道ミサイルのイスカンダルは射程距離は280から400キロメートルだが、飛行速度はマッハ6から7。西側の防空システムは対応できないと考えられている。

 シリアでの戦闘ではカスピ海から発射された巡航ミサイルがシリアのターゲットへ正確に命中、潜行中の潜水艦から発射されたミサイルによる攻撃も見せた。実戦配備が近いとされているS-500は弾道ミサイルが大気圏へ再突入する前に撃ち落とすことが可能だとも言われている。

 アメリカ国防総省系のシンクタンクRANDによると、NATO軍とロシア軍が戦争を始めた場合、60時間でNATOは制圧されるという。それでもアメリカの好戦派はロシアを軍事的に威圧すれば屈服させられると考えているのか、NATO軍の一部である欧州連合軍の副最高司令官だったイギリス陸軍のリチャード・シレフ大将はロシアの周辺国で軍事力を増強してロシアを威圧するべきだと主張、イギリスのマイケル・ファロン国防相は軍事的緊張の高まりをロシアに責任を押しつけている。アメリカがロシアと戦争を始めたなら、核戦争にならざるをえない。

 西側でもロシア政府はアメリカ支配層を信頼する危険性が指摘されてきたが、ギリシャでのプーチン発言を聞くと、アメリカの好戦派は話し合いのできない相手だと彼も腹をくくったような気がする。アメリカの支配層は「戦争は罪なき市民に、途方もない苦しみと喪失をもたらす」と言いながら、破壊と殺戮をやってのける人たちだ。オバマの広島訪問に浮かれている場合ではない。





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最終更新日  2016.05.29 00:09:31
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