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《櫻井ジャーナル》

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2016.07.19
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 カネと情報が流れていく先に権力は存在している。歴史を振り返れば明らかだ。「トリクル-ダウン」、つまり富裕層や巨大企業を儲けされれば庶民へも富がしたたり落ちると主張、「安全保障」のために秘密保護、つまり情報を一部の人びとが独占する必要があるとする主張は、権力を集中させようという戦略に基づいて行われてきた。民主主義の否定だ。

 1970年代から世界に広がった新自由主義は資金の流れを円滑にし、投機規制を撤廃させて資金が金融市場へ流れ込む仕組みを作り上げた。それによって豊かになるのは富裕層や巨大企業であり、そこに権力は生じる。

 こうしたカネの流れができると、当然、庶民が生活する空間へ流れ込む量は細り、不景気になる。安倍晋三首相が日銀の黒田東彦総裁と組み、景気回復のためと称して進めてきた「量的・質的金融緩和」、いわゆる「異次元金融緩和」が景気を回復させないことは明らかだろう。この政策を進めても資金は世界の投機市場へ流し込むだけで、インフレではなくバブルが発生する。

 こうしたことも含め、庶民に知られてはならない情報を支配層は持っている。マスコミや学者を管理することでこれまでも情報を支配層は統制してきたが、安倍政権は「秘密保護法」を成立させて統制を強化した。今後、庶民に知られるとまずい情報が増えていくという見通しもあるのだろう。

 言論の自由が脅かされていると主張する人に対し、そうした主張ができるのは言論の自由がある証拠だと揶揄する声を聞くこともある。何も発言できない完全な情報統制の状態以外なら言論の自由はあると言いたいのだろう。完全な言論統制を願っているとしか考えられない。

 アメリカと同じように、1970年代の後半から言論統制は日本でも強化されてきた。西側全体で見ると2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから統制の度合いは格段に強まっているが、日本の場合、その象徴的な出来事は「9/11」の前、2001年1月に起こっている。

 2001年1月30日にNHKは「女性国際戦犯法廷」を題材にしたETV特集「問われる戦時性暴力」を放送したのだが、放送前日の29日にNHKの松尾武放送総局長(当時)と、国会対策担当の野島直樹・担当局長(同)らが中川昭一や安倍晋三に呼び出され、議員会館などで面会、放送内容を変えさせたのである。

 安倍の立場は「強制性があったことを証明する証言や証拠がない」というものだが、裁判所は違った判断をしている。東京高裁が2007年1月29日に言い渡した判決によると、松尾放送総局長や野島国会担当局長が国会議員などと接触した「際、相手方から番組作りは公正・中立であるようにとの発言がなされた」ため、「松尾総局長らが相手方の発言を必要以上に重く受けとめ、その意図を忖度してできるだけ当たり障りのないような番組にすることを考えて試写に臨み、直接指示、修正を繰り返して改編が行われたものと認められる。」

 その安倍が首相になっている現在、言論統制が強化されるのは必然だろう。

 2008年11月、トヨタ自動車の相談役だった奥田碩は首相官邸で開かれた「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で、「正直言ってマスコミに報復してやろうか。スポンサーでも降りてやろうか」と発言、マスコミの編集権に経営者が介入するやり方があるとも口にしているが、広告はマスコミ圧力を加える有効な手段であり、その広告を取り仕切っている広告会社が大きな力を持つことになる。

 安倍たちが行ったように、政府からの圧力も効果がある。日本では特に有効な方法だ。学校やメディアで行われてきた「洗脳」で、コミュニズム、中国、朝鮮といった単語を聞いたり読んだりすると嫌悪感を催すようになっていることもプロパガンダを容易にしている。

 このほか、マスコミをコントロールするため、暴力や融資も利用される。1987年5月3日に朝日新聞阪神支局が襲撃された事件の真相は不明だが、マスコミの報道姿勢に少なからぬ影響を与えたようだ。おそらく、それより効果的な手段は融資打ち切りの脅し。融資を打ち切られれば、会社の存続は困難になる。特に経営状況が良くない新聞社には効果的だろう。

 日本の場合、何らかの方法で「空気」を作り出せば、マスコミ側が勝手に自主規制を始める。理想、理念、目標がないためなのか、彼らは雰囲気や空気を読み、成り行きに従って行動、自主規制や自主検閲を強化してきた。戦前も戦後も変化はない。






最終更新日  2016.07.19 11:55:08

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